みんな無課金俺課金(課金するとは言っていない)
1章 はじまり
「すっげーーーーーーーーーーーーー!!!!」
ログインして俺は思わず叫んでいた。
目に見える風景、感じる風、匂い、その全てが今までに感じたことのない体験であった。
遠くまで続く青い空、自分のアバターが踏みしめている大地、目の前にある雄大な神殿風の建物、その全てが圧倒的な存在感を持っていた。
神殿風な建物はファンタでは最初に訪れるチュートリアルもかねた女神の神殿と思われる。
次から次へと現れる他のプレイヤーに混じって自分も建物の内部に進む。
ファンタであればチュートリアルの女神ブェルダが現れて、操作方法や各種情報を教えてくれるはずであった……
神殿風の建物を進んでいくと大きな闘技場のようなエリアに出た。
アリーナ部分にも人が溢れていて観客席的なとこにもたくさんの人が座っていた。
辺りをキョロキョロと見回していると不意に声をかけられた。
「あれあれ」
声をかけてきた人が指差した先には大きな時計の表示があった
15:37
あと15分ほどで開始されるんだろうなーと思わせるタイマーがカウントダウンを刻んでいた。
「あれが終わったらなんか始まるんだろうと皆まってんだよねー!」
俺に声をかけてくれた人物がそう教えてくれた。
アバターは逆毛の金髪と結構イケイケな印象を受ける。
格好は初期キャラであるノービスの姿、顔立ちは熱血系のアツッ苦しい顔を選んでる。
自分は当たり障りのない地味な顔を選んで髪も長くもなく短くもない黒、完全にMOBです本当にありがとうございました。
「これからチュートリアルかなぁ?」
「だろうね、スキップは初めてだから出来ないよなあ・・・」
「最初結構長いよねー」
当たり障りのない話をしながら、空に浮かぶカウントをボーッと見ている。
ふと自分のコンソール、情報やコマンドを出そうとしてみた、表示されたステータスを確かめる。
Lv1 職業 ノービス 名前 †アベル† 輝石5/5
HP100 MP10 SP10
ステータス表示不能
コマンド使用不能
輝石購入
ステータスやコマンドは、チュートリアル終わらないと使えなかったなー確か……
「アベル君って呼べばいいのかな?」
話しかけてきてくれた人にそう声をかけられて相手のステータスを見てみた。
まぁ、自分と同じで名前はケインってのが分かった。
「アベルでいいよ!ケイン君でいいのかな?」
「俺もケインでいいよ!」
ケインは爽やかにそう答えてくれた。
新しい世界に興奮してた俺らは、お互いにこれから始まることを色々と話し合いながら、タイマーが終わるのをのんびりと待っていた。
0:01
そして、タイマーが0:00を示した。
会場に緊張が広がっていた。
空から光の粒が降り注ぎ、それがやがて光の柱を作る。
その輝きが極限に達したとき一人の姿がそこに結実した。
その姿は神々しく、大変美しい女性が現れた。
その場にいる誰もが知っているチュートリアルの女神ブェルダ、正式には始まりの女神ブェルダの姿であった。
スマホで見るものとはまさに次元が違う。
纏う光のローブ、美しい髪、瞳、唇、肢体、正直に見惚れる姿であった。
「綺麗・・・」
「美しい」
「女神・・・」
周りからも同じような感想が漏れている。
俺も間抜けな口をポカーンと開けてその姿を見つめるしか出来なかった・・・
ほんとすごいなーと感心しているなか女神ブェルダが口を開いた。
「皆さま異世界よりこのサルビュートの地を救うために集まっていただき感謝の言葉もありません」
この台詞はファンタをやっている人間なら、リセマラのたびに聞かされるうんざりする台詞なんだよね。
そんなこと考えながら次の言葉を待った。
「魔王を倒すまで死ぬことも許されず永遠にこの地に縛られる呪いを受けてなおこの世界を救う、皆さまの想いに私は尊敬の念を禁じ得ません……」
……?
あれ?
ここでチュートリアルが入って初期に必要なアイテムとか仲魔の説明があったような……?
「私は……もう……ちか……らが……」
乱れる女神の姿と台詞。
周囲もあれ?っという感じでざわめき始めてくる。
「みな……さま……の……ごぶう……んを」
唐突に女神が姿を消した。
同時にまばゆい光をうしない闘技場内は薄暗くなる。
正直頭が追い付かない。
ステータスは相変わらず見れないし、コマンドも使えない。
輝石購入だけがあるのが運営の嫌らしさに感じてしまう。
「スマホとは変えてきてるんだねー」
ケインの言葉で我に帰る。
「そうだよね、コンソール変われば変わるよね」
「そしたら始まりの町に行けばいいのかね?」
「メルスの町かぁ」
普通の流れだとチュートリアルが終わったら一番近いメルスの町、俗称始まりの町に移動する。
それがゲームの流れだった。
当然他の多数のプレイヤーも闘技場の出口からメルスに向けて移動している。
ブェルダの仕様変更はゲームの仕様だと気にもしていないようであった。
闘技場から出るとまさに広大と言っていい世界が目の前に広がっていた!
ファンタでは始まりの丘にある開祖の闘技場から物語は始まる。
VRで感じる世界はまさに別世界だった。
丘の草木が風に揺れるさま、自分が踏みしめる大地の感触、その全てが今まで感じたことがない世界だった。
「すごい」
思わずまた自然に口から漏れた。
「凄すぎだよね……もう現実に戻れないね」
軽い感じのケインの呟きに、
特に意識もせずにコンソールからログアウトを探した。
あれ?
コンソールにログアウトがない?
あれ?
「ケイン、ログアウトできる?」
軽い気持ちでそうケインに聞いた
結果 。
ケインを含め、その周囲の人間が軽い気持ちでコンソールを開き、そしてログアウトという項目がないことに気がついた。
「は?ログアウトできねーんだけど?」
「糞運営乙」
「緊急メンテまったなし!」
回りでも何人か騒いでいる。
その中の一言が気になった。
「なんだよ、輝石も買えねーのかよリセマラだけとかね(笑)」
軽い一言だったんだけど、俺には気になった。
輝石購入はあるよなー?
自分のコンソールを確かめる。
輝石購入
確かにある。
「ケインも輝石買えないの?」
何となくケインに聞いてみる
「購入タグもないしこれは急ぎすぎた運営やっちゃった感じだねー
詫び石待ったなしだからラッキーかなー」
俺はその台詞の後半が頭に入ってなかった。
コンソールから輝石購入をタッチした。
輝石購入
購入可能輝石数   ∞
俺の冒険が始まった。
ログインして俺は思わず叫んでいた。
目に見える風景、感じる風、匂い、その全てが今までに感じたことのない体験であった。
遠くまで続く青い空、自分のアバターが踏みしめている大地、目の前にある雄大な神殿風の建物、その全てが圧倒的な存在感を持っていた。
神殿風な建物はファンタでは最初に訪れるチュートリアルもかねた女神の神殿と思われる。
次から次へと現れる他のプレイヤーに混じって自分も建物の内部に進む。
ファンタであればチュートリアルの女神ブェルダが現れて、操作方法や各種情報を教えてくれるはずであった……
神殿風の建物を進んでいくと大きな闘技場のようなエリアに出た。
アリーナ部分にも人が溢れていて観客席的なとこにもたくさんの人が座っていた。
辺りをキョロキョロと見回していると不意に声をかけられた。
「あれあれ」
声をかけてきた人が指差した先には大きな時計の表示があった
15:37
あと15分ほどで開始されるんだろうなーと思わせるタイマーがカウントダウンを刻んでいた。
「あれが終わったらなんか始まるんだろうと皆まってんだよねー!」
俺に声をかけてくれた人物がそう教えてくれた。
アバターは逆毛の金髪と結構イケイケな印象を受ける。
格好は初期キャラであるノービスの姿、顔立ちは熱血系のアツッ苦しい顔を選んでる。
自分は当たり障りのない地味な顔を選んで髪も長くもなく短くもない黒、完全にMOBです本当にありがとうございました。
「これからチュートリアルかなぁ?」
「だろうね、スキップは初めてだから出来ないよなあ・・・」
「最初結構長いよねー」
当たり障りのない話をしながら、空に浮かぶカウントをボーッと見ている。
ふと自分のコンソール、情報やコマンドを出そうとしてみた、表示されたステータスを確かめる。
Lv1 職業 ノービス 名前 †アベル† 輝石5/5
HP100 MP10 SP10
ステータス表示不能
コマンド使用不能
輝石購入
ステータスやコマンドは、チュートリアル終わらないと使えなかったなー確か……
「アベル君って呼べばいいのかな?」
話しかけてきてくれた人にそう声をかけられて相手のステータスを見てみた。
まぁ、自分と同じで名前はケインってのが分かった。
「アベルでいいよ!ケイン君でいいのかな?」
「俺もケインでいいよ!」
ケインは爽やかにそう答えてくれた。
新しい世界に興奮してた俺らは、お互いにこれから始まることを色々と話し合いながら、タイマーが終わるのをのんびりと待っていた。
0:01
そして、タイマーが0:00を示した。
会場に緊張が広がっていた。
空から光の粒が降り注ぎ、それがやがて光の柱を作る。
その輝きが極限に達したとき一人の姿がそこに結実した。
その姿は神々しく、大変美しい女性が現れた。
その場にいる誰もが知っているチュートリアルの女神ブェルダ、正式には始まりの女神ブェルダの姿であった。
スマホで見るものとはまさに次元が違う。
纏う光のローブ、美しい髪、瞳、唇、肢体、正直に見惚れる姿であった。
「綺麗・・・」
「美しい」
「女神・・・」
周りからも同じような感想が漏れている。
俺も間抜けな口をポカーンと開けてその姿を見つめるしか出来なかった・・・
ほんとすごいなーと感心しているなか女神ブェルダが口を開いた。
「皆さま異世界よりこのサルビュートの地を救うために集まっていただき感謝の言葉もありません」
この台詞はファンタをやっている人間なら、リセマラのたびに聞かされるうんざりする台詞なんだよね。
そんなこと考えながら次の言葉を待った。
「魔王を倒すまで死ぬことも許されず永遠にこの地に縛られる呪いを受けてなおこの世界を救う、皆さまの想いに私は尊敬の念を禁じ得ません……」
……?
あれ?
ここでチュートリアルが入って初期に必要なアイテムとか仲魔の説明があったような……?
「私は……もう……ちか……らが……」
乱れる女神の姿と台詞。
周囲もあれ?っという感じでざわめき始めてくる。
「みな……さま……の……ごぶう……んを」
唐突に女神が姿を消した。
同時にまばゆい光をうしない闘技場内は薄暗くなる。
正直頭が追い付かない。
ステータスは相変わらず見れないし、コマンドも使えない。
輝石購入だけがあるのが運営の嫌らしさに感じてしまう。
「スマホとは変えてきてるんだねー」
ケインの言葉で我に帰る。
「そうだよね、コンソール変われば変わるよね」
「そしたら始まりの町に行けばいいのかね?」
「メルスの町かぁ」
普通の流れだとチュートリアルが終わったら一番近いメルスの町、俗称始まりの町に移動する。
それがゲームの流れだった。
当然他の多数のプレイヤーも闘技場の出口からメルスに向けて移動している。
ブェルダの仕様変更はゲームの仕様だと気にもしていないようであった。
闘技場から出るとまさに広大と言っていい世界が目の前に広がっていた!
ファンタでは始まりの丘にある開祖の闘技場から物語は始まる。
VRで感じる世界はまさに別世界だった。
丘の草木が風に揺れるさま、自分が踏みしめる大地の感触、その全てが今まで感じたことがない世界だった。
「すごい」
思わずまた自然に口から漏れた。
「凄すぎだよね……もう現実に戻れないね」
軽い感じのケインの呟きに、
特に意識もせずにコンソールからログアウトを探した。
あれ?
コンソールにログアウトがない?
あれ?
「ケイン、ログアウトできる?」
軽い気持ちでそうケインに聞いた
結果 。
ケインを含め、その周囲の人間が軽い気持ちでコンソールを開き、そしてログアウトという項目がないことに気がついた。
「は?ログアウトできねーんだけど?」
「糞運営乙」
「緊急メンテまったなし!」
回りでも何人か騒いでいる。
その中の一言が気になった。
「なんだよ、輝石も買えねーのかよリセマラだけとかね(笑)」
軽い一言だったんだけど、俺には気になった。
輝石購入はあるよなー?
自分のコンソールを確かめる。
輝石購入
確かにある。
「ケインも輝石買えないの?」
何となくケインに聞いてみる
「購入タグもないしこれは急ぎすぎた運営やっちゃった感じだねー
詫び石待ったなしだからラッキーかなー」
俺はその台詞の後半が頭に入ってなかった。
コンソールから輝石購入をタッチした。
輝石購入
購入可能輝石数   ∞
俺の冒険が始まった。
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