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穴の空いた靴下

25章 麒麟戦

 100階のボス  四神を統べる者 麒麟
 予想通りだけどね。
 馬のような姿だけどかなり大きい、顔は馬というか龍みたいで、麒角、日本の歯科のような角が立派だ。たてがみは美しい金色で身体はキラキラと煌く鱗で覆われている。なんか雷みたいなのまとっているし、とても神々しい。

 「ガァァァアアアアア!!!」という咆哮とともに戦闘開始だ。

 (ヒヒーンかと思ってたからびっくりした、顔は龍だからか・・・)

 しばらく幸運型による回避による観察をする。
 初めて出会うモンスターの基本。

 分かる人にはわかる言い方をすればモン○ンの麒麟に似ている。
 突進、落雷、自分の周囲への落雷、自分に向って雷を飛ばしてくる。
 基本的なパターンはその4個、たぶんHPが減ってくるともう1個あるかな?

 (考え方がバトル物の脳筋系みたいになっているなぁ・・・・・・)

 とりあえず行動パターンはある程度わかったので攻撃に移ってみる。
 鳳凰戦よりも遥かに楽だなぁ、突進は避ければ横っ腹に攻撃し放題だし、
 周囲への落雷は距離を取ればいいし、自分のとこへの落雷は動いていれば当たらないし、同じように雷を飛ばしてくるのも直線的で避けるのは簡単。

 (なんか強さのムラが大きいよなぁ・・・・・・)

 これはしかたがないことだよな。このゲームにおいて仲魔を操作して多彩な攻撃をすることを想定していなかったから。このゲームの最初の絶対神的な人は内政好きでバトルはおまけって考えの人なんだと思う。だから内政、箱庭の分野は細かく丁寧な作りに比べて、バトル関連は非常に大雑把で雑な作りが目立つ。
 たぶん、あっちの絶対神はバトル大好きなんだろう。今まで目の前でヤキモキしていたおもちゃがやっと手に入って、【僕の考えた最高のバトル】ってのを暖めていたんだろうなぁ・・・・・・

 その後も危なげなく戦闘をこなし、規定ダメージ攻撃は落雷を落としながらの突進攻撃でコレも大きく回避すればあまり脅威ではなかった。

 (そうと分かれば初見撃破を目指す!)

 油断せず着実に冷静になるべく安全リソースをとって攻撃を続ける。
 麒麟が光の柱に包まれてキラキラと消えていき、その姿を消す。
 それと同時に視点がタカシに戻る。

 「・・・・・・終わった。」

 鳳凰戦のような興奮もなく普通に戦いは終わりを告げた。

 「うわ、酷い桁の経験値が入った・・・・・・」

 ウロボロスのレベルがまた上限に達してしまった。
 高校生Lv1300ってなんだよ、意味がわからない。何の意味もないのに。

 こうして、3年近い時間はかかったものの女神のダンジョンのアイテムを手に入れることができた。

 「あと、7箇所か・・・・・・まぁコレのおかげで95階から・・・・・・
でも、またウロボロス鍛えてからだな・・・・・・サオリ・・・・・・」

 また、泣きたくなった。
 でも進むしか無い、全ての種族アイテムを手に入れてもまだ中央塔がある。
 先はどこまであるかわからない、でも進まなければサオリには会えない。

 バシッ!

 俺は両頬を叩いて気合を入れる。

 女神の錫杖を手に入れた。

 街へ戻り、女神の泉に来た。ウロボロスの解放条件を見て必要なら素材集めをするためだ。ラッキーな事に素材仲魔はすでに持っている奴だった。

 「しかし、極悪な素材量だな・・・・・・SSR7体とか・・・・・・」

 一番難しい曜日クエのボスを倒して極々まれにドロップを狙うか、
 レアガチャで同じく、いやもっと極々極まれなドロップを狙うしか手に入らない。 更にそれを全属性・・・・・・鬼です。

 「さーて、つぎはどうなるかなー・・・・・・」

 全 PR 真 ウロボロス Lv---
 スキル 全に至る者
 想いが力になる。
 魂のつながり。

 (ん? 随分違うなぁ・・・・・・?)
 そう思った瞬間、目の前にウロボロスが現れた。

 「ファッ!?」

 突然現れたことに変なことを口走ってしまう。

 「・・・・・・」

 それはキョロキョロと周囲を見回してなんかもぞもぞと動いている。

 「ウロ・・・・・・ボロス・・・・・・君?」

 やっとのことで俺が口を開くと、ウロボロス君はブンブンブンと頷いた。
 なんか、しゃべれないみたいでオロオロしていた。

 「喋れないの?」

 久しぶりの新しい意思あるものとの対話。相手はしゃべれないけどウンウンと頷いている。

 「あ、そうだ!」

 俺はアイテムからノートとシャーペンを出す。

 「これで!」

 ビシィ!と親指でグッジョブ!!のマークをつきつけられた。
 が、シャーペンに触れなくてorz

 「どうしたもんかねー・・・・・・」

 その後いろいろ試したけどジェスチャーでのスキンシップしか取れなかった。

 気がついたらすでに夕方、カフェにご飯を上げに行く時間になった。

 「ごめん、悪いんだけど移動しよう。」

 ウロボロスと一緒にカフェのまつエリアへ移動することにした、
 俺が行くとカフェはいつも通りスリスリと寄ってきて甘えてくれる。
 癒やしだ、これこそ癒やしだ。
 俺がカフェにいちゃついているとスルッと俺の手をすり抜けて、
 カフェがウロボロスの正面に座った。
 しばらく二人が見つめ合っていると。

 「ニャー」

 カフェがひと鳴きすると、ウロボロスがカフェに吸い込まれていった。

 「え、ちょ、ちょ待てよ!」

 するん、とカフェの中にウロボロスが収まると、カフェはキョロキョロして、

 「に、にゃ、ああ、んん!あー、あー、あーいーうーえー。」

 「しゃ、シャベッターーー!!」

 カフェが喋り始めた。

 「やっと話せますニャ。マスターとお話できることを楽しみにしてましたニャ」

 「ウロボロス君? カフェは?」

 「カフェさんは私のことを受け入れてくれたニャ。いままでのタカシ様への恩義を果たしたいとおっしゃられているニャ。ついでに一応女の子なので君じゃないほうが嬉しいのニャ。」

 「ウロボロスちゃん・・・・・・」

 「ニャ!」

 猫の姿で嬉しそうに返事するウロボロス・・・・・・ちゃん。
 そういやカフェは雌だったなぁ・・・・・・
 とりあえず、家に帰ろう。

 「ところでカフェはここから離れられなかったけどウロボロスちゃんは移動できるのかな?」

 「私はマスターの仲魔となってるニャで、この体も一緒に移動できると思い・・・・・・ますニャ。」

 自信ないのね、まぁいいやもし移動できなかったらココで生活するとしよう。
 コンソールを操作して自室へ戻る。
 目の前にはカフェ。どうやら移動も可能になっているようだ。

 「おお、ここがマスターのお部屋のですニャ?」

 トコトコと部屋の中を探索するカフェの姿のウロボロスちゃん、なんかめんどいから・・・・・・

 「ウロボロスちゃん、君のことウーニャって呼んでいい?」

 「! 可愛い名前なのニャ! 今日から私はウーニャなのニャ!」

 尻尾を嬉しそうにブンブン振ってウーニャは喜んだ・・・・・・のか?

 「なーウーニャ、しっぽをふるって確かネコは不機嫌なときにするんだぞ?」

 「そう言われても困るニャ・・・・・・嬉しいと動くニャ・・・・・・」

 まあ、嬉しいならいいか。
 なんにせよ部屋に猫がいるこの天国生活!最高だ!
 そして何より、会話ができる!!!!!
 いままでのひとりごとと猫に話しかける生活が今ここに終わりを告げた!!
 思えばあの水晶にブツブツと話しかけている男なんて危なくて仕方ない、
 と、水晶の方に目をやると、ウーニャが水晶を見つめている。

 「それ、なんか触れないんだよね。」

 「これから友達の気配を感じるニャ。」

 「友達?」

 「サオリ様の仲魔のゴーレム君ニャ」
 

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