二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第24話 ニーソックスにして良かったです!

覗き穴を通じて、誰がきたのかを見る。

ニーソに、ミニスカに、ニーソに、シャツと後よく分からん羽織りものを羽織って、ニーソとミニスカで絶対領域を作りながら、帽子を深く被っている女の人と思われる人物が立っていた。

女の人は帽子を被りたがる習性かなにかを持ってるのかしらん?俺が街中で見る女の人はあんま帽子を被ってない気がするんだけど。

まぁ季節も6月から7月にもうすぐ変わるし、日差しが強いからな。帽子くらい被るだろ。

とまぁ、そんな感想を抱きつつ、一応、い・ち・お・う!誰なのかを尋ねる。まぁ柏木か桃のどちらかなんだろうけど。

あと何でもないことだけど、なんでもないようなことが〜おっとこれは違うな。俺はニーソが好きなわけじゃないから。いや、ほんと。これまじで。リアルに。全然、ニーソなんて好きじゃないんだらかねっ!誰に言い訳してるんだ俺は。

「え?陽向くん。ニーソックス好きなんですか?」

「…………」

…………………………

……………………

………………

…………

……













これもう……あいつやん。








確認する必要なくなったやん。
声発して、声でバレバレだ……。帽子を深く被った意味!

ドアを隔てようが心を読む……。逆にどうすればこのチート能力に対抗できますかね?

「素足か、ニーソックスかで迷ったんですけど、ニーソックスにして良かったです!ちょっと蒸れるのがなんですけど。陽向くんの趣味にどストライクでほんとに良かったです!」

ドアを隔ててもなお、良く透き通る声で、なぜか、喜びをこれでもか!と体全体で表現しているのかはドアを隔てていて全然分からないが、とにかくめちゃくちゃ喜んでいる(推定)桃がいることは確かだ。

「17時間頑張って、服を選んだかいがありましたよっ!」

なおも、興奮が冷めないのか、テンションアゲアゲな桃の声がよく通る。

ていうか待て。おい。17時間?
17時間も服を選んてたのか!?
昨日の夜8時くらいからじゃねぇかぁあ!!
どんだけ頑張ってんだよ!

wor〇ing!のいなみんだってそんなに迷って……たかもしれない。ということは、え?なに?2次元も3次元も関係なく、服を選び迷うのは同じってことなのん?

でも、いなみんが迷ってたのはたかなっしーとデートに行くためで、桃が迷うのは……なんで?

あっあれか。服選びが好きなんだな。
なんだよ。普通の女の子なんだな桃も。3次元(笑)の。

「なんですか!(笑)とは!(笑)とは!そもそも服をこんなにも長い時間をかけて最近、選び始めたのは陽向くんの!んん。なんでもないです」

「なぁ?まじでナチュラルに心を読んで、会話すんのやめてくれない?」

これじゃ隠し事なんてできないじゃないか。
二次元美少女が好きとか、3次元なら中学生が好きとか、全部バレちゃうじゃないか。

「あの、その二つならもう知ってるんですけど。それに、その二つは陽向くんが自分から暴露してますけど……」

……そうだった。

二つともバレてる上に、俺が勝手にゲロったんじゃないか。やっべ、忘れてた。てへぺろ☆

「で、どちら様ですか?」

「……すごく爽やかな声で今更そんなことを聞かないで下さい!時間がけっこう経ったうえに、会話までしたんですよ?」

ハァとため息をするのが分かった。

「いや、ほら、一応さ。防犯の意味も込めて」

「犯罪者のお家に少しウキウキしながら来た、一、善良なる国民に対してひどいこと言いますね」

「お前の方が酷いからなっ!?」

俺のことを犯罪者呼ばわりしてるやつに酷いなんて言われたくない!つか、その犯罪者の家にウキウキしながら来てる桃もどうかと思うんだけど。

「まぁ、とは言っても私も訪問販売員という設定で来たんですけど」

「え?流行ってんの訪問販売」

知らなかった。3次元の今時の女子高生の間では訪問販売の振りをするというのが流行ってるらしい。

「流行ってる……もう誰か来てるんですか?」

「あぁ来てるぞ」

「そうですか。一番だと思ったんですけどね」

「残念だったな」

「はい。アドバンテージを持っていかれました」

「なんのアドバンテージだよ」

クライマックスシリーズかなんかでもやる気だったのか?こいつらは。ていうかいいか?いくらアドバンテージを持っていてもな。無意味な時だってあるんだぞ。

「それよりも早くドアを開けてください!せっかくの陽向くんの声がくぐもっていて、良く聞き取れません!早く鮮明な声を私に聞かせてください!」

「ドキットスルカラソウイウコトイウナー」

「びっくりするくらいの棒読みですね」

そりゃそうだ。いくら美少女とはいえ、3次元の女の子に言われても全然嬉しくなんかない。


桃に言われたので仕方なく、いや、早く開けないと命の危険を察知した俺はゆっくりとドアを開く。

「うーす」

「あらためて、こんにちは陽向くん。あっそうそう。商品は私、私自身ですよ?」

「訪問販売続けるのかよ。つか、それもうやったから」

「そうなんですか、残念です。あっでも私は新品ですよ?」

「それもやったからっ!!」

頼むから人の家の前で、新品だって言わないでくれ!いろんな誤解を近隣住民の方に生むから!

「これも言われちゃったんですか」

「そうだ。だから、さっさと入れ」

これ以上続けていたら、ほんとに近隣住民の方に変な目で見られてしまう。まぁ近隣住民の方たちは俺が通ると道を譲ってくれるいい人たちばかりだから心配いらないと思うけど。でもすぐに顔を背けるのはなんでなんだろうな。


桃が一歩を踏み出して、中に入ろうとした時に、部屋の中から霧咲の声が飛んだ。

「陽向さん誰がきたんですか?それよりも早く戻ってきて下さいよ!私の身体はさっきからうずいて、火照って、陽向さんを求めて、早くさっきの続きを」

バタンっ!!


「え!?ちょ、陽向くん!?」

「え?あ、ああ悪い桃。怪我とかしてないか?」

「それは大丈夫ですけど…ってなんで急に閉めるんですか!?それに、さっきの霧咲さんの言葉はどう言うことですか!?」

「あれは霧咲が勝手に言っただけだ!」

「なら閉めなくてもいいじゃないですか!」

「それはほんと悪い!なんかつい、こう……ほんとごめん!」

霧咲〜!!
その場にいなくても、爆弾を爆発させるとか!
なに!?なんなの霧咲!?天才なの!?



「霧咲、次からは不用意に変なことはするな言うな、分かったか?」

「変なことってなんですか?」

「そりゃお前……ん?たしかに深く変なことについて考えると……」

「陽向くん。哲学的にならないで下さい!そこは陽向くんが困るようなことをするな!とかでいいんじゃないですか?」

「ん?確かにそうだな。よし分かったか霧咲?今度からは俺が困るようなことはするなよ」

「私は陽向さんに喜んでもらうためにやってるだけですよ?」

「そ、そうか。じゃあ仕方ない……のか?」

「負けないで下さいよ陽向くん」



どうにかこうにか、暴走した霧咲の言葉は嘘、偽りの物だということを桃にいい、(まぁ桃も分かってたんだけど)桃を部屋に上がらせて、あとは柏木が来るのを、くつろげるかどうかは分からないが、くつろぎながら待つことにした。

3次元の女の子を部屋にあげて気づいたことがあった。それは、なんかいつもとは違う匂いが俺の部屋に充満しているということだ。こうしてみるとやっぱりこいつらは女の子なんだなと思う。

まぁ、これはとりあえず置いといて。

「そろそろ二人共、俺のベットからどいて頂けないだろうか?」

「え?」

「どうしてですか?」

……うん。

「うん、いや、ね?霧咲には聞いたけど、逆になんで俺の、男のベットに居座れんの?」

「えっと」

「それは」

「「陽向くん(さん)のだからですよっ!!」」

…………。

「どう考えてもその理屈は分かんねぇ」

「まぁ、陽向くんはわからなくていいですよ」

「そうです。陽向さんは分からなくていいんですよ」

俺は分からなくていい……か。
今時の3次元の女子高生は男のベットに居座のが流行りとかなんかで、なんかその流行りやだな。

「まぁ、実際はどうでもいいんだけどな。ただ、さっきからカラフルな布とか、シンプルな布とかがチラチラ見えてっから一応なんとかしろよな。淑女になりたいんなら」

「陽向くんは女の子の下着をほんとにどうでもよさそうに言うのがすごいですよね」

「褒めるなって」

「褒めてないですからね!?」

「なんだ違うのか」

たいして褒められてことのない俺が、久しぶりに褒められたと思って嬉しかったのに。

「やっぱり陽向さんには超調教が必要……」

「や、やっべー、パンツ見れるとか、さ、最高だなー」

っぶねー。
霧咲がいるときはパンツに興味ないとダメなの忘れてた。まっ俺のナイス演技で凌げれたからよかったぜ!

「下手くそですよ?」

「るせー」

ピンポーン

本日3回目の来訪者を知らせるインターホンがちょうどよく鳴った。

「柏木か?んじゃちょっと行ってくるわ」

よっこいshotののりで体を起こして玄関へと向かう。1日にインターホンが3回も鳴るなんて滅多にないなと思いつつ。

「ん?」

覗き穴を覗いた俺の目には、あまり見慣れない物が映った。だからだろう疑問符を浮かべたのは。

白い服?
いや、違うなこれは。

バスローブだ。

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