龍と友達になった少年
少年の過去7
「まさか、ソラが辛いの苦手とは思わなかったな」
「いや、あそこまで辛い食べ物、初めて食べた……」
「あー、まぁ、あんまり出回らないからな、美味しくなかったか?」
「いや、辛かったけど美味しかった。あの、ご飯? っていうやつもカレーに合っててどんどん欲しくなったし」
「それはよかった。という事で今日はそのカレーの材料を買いにいくぜ」
「結局昨日は手伝いをさせてもらえなかったから、なにを使ってるのかもわからなかったし」
「あー、まぁ、兄ちゃんはカレーの作り方は難しいから、大きくなったら教えるって言ってたし」
「まぁ、それはそうなんだけど、どうせなら早く教えてほしい」
「とはいえ、結構大変だぜ? レシピ覚えるだけでも頭いたくなるし」
「そんなに? 見せて、え、こんなに多いの?」
ソラはカレーのレシピが書いてある紙を、海から受け取り見てみると、あまりの食材の多さに驚きの声を上げた。
「俺も最初こんなに使う料理があるわけないって思ってたんだけどさ、確かに全部は使わないけど全種類は使うよ。このスパイスはこのぐらいの小さい小瓶だしな」
そう言いながら海は、手を使って大きさを教えてくれた。大きさは手のひらサイズのようだ。
そのあとチラッと家のドアを見ながら、ため息をつく。
「というか、美樹はまだ来ないのかよ……」
「あはは、あと少ししたらくるよ」
「だったらいいけどさ……」
本当なら二人で買い物にいく予定だったのだが、美樹がどうしてもいきたいと駄々をこねたので、連れていくことになった。そこまでは良かったのだが、準備してくると言ってから数十分。まだ出てこない。
「先にいくか?」
「いや、さすがにそれはかわいそうだし。もう少しの間待ってようよ」
「まぁ、ソラがいいなら待つけどよ」
ソラが海をなだめてから、さらに5分後、ようやく美樹が顔を出す。
「ソラお兄ちゃん! 海お兄ちゃん! おまたせ!」
「遅いぞ、まったく」
「えへへ、ごめん」
出てきた美樹は、いつもよりもかわいらしい服装に身を包んでいた。着れるのが嬉しいのかそれ以外の理由があるのか満面の笑みを浮かべている。
「まあまあ、海もそんなに怒らないで、それじゃ行こうか」
「ソラは甘すぎると思うぞ?」
「そうかな? 甘やかしてるつもりはないんだけど」
「まぁ、いいけどな、そんなことより美樹」
「? なぁに?」
「お前その格好で買い物いくのか?」
「うん! かわいいでしょ?」
「いや、可愛いのは認めるが汚れてもいいのか?」
「汚れるのは、いやだなー……」
海の言葉に自分の服が汚れるのを想像したのか、泣きそうな顔で服を握りしめる。その様子を、海が困ったように頬をかきながら笑っている。
「今から買い物にいくんだが……」
「えっと、海お兄ちゃんがもって?」
「はー……、まぁ、もともと持たせる気はなかったからいいけどな」
「えへへ、ありがと。海お兄ちゃん」
「なんだかんだで、海の方が美樹を甘やかしてる気がする」
「え? そんなことはないだろ?」
「まぁ、いいけどね? それじゃいこっか?」
「うん!」  
美樹はソラの言葉に頷くと、ソラと海の真ん中に入り込んで二人の手を握る。
「まったく、はぐれるなよ?」
「うん! はぐれないようにしっかり握っとく!」 
「あはは、僕もあんまり道は覚えてないから海よろしくね?」
「あー、だったな。ちゃんと案内するから安心しとけ」
そうして、やっと家から離れてお店のある商店街まで歩いていくのだった。
その後ろ姿をはらはらした様子で大地が見ているのに気がつかずに……。
「いや、あそこまで辛い食べ物、初めて食べた……」
「あー、まぁ、あんまり出回らないからな、美味しくなかったか?」
「いや、辛かったけど美味しかった。あの、ご飯? っていうやつもカレーに合っててどんどん欲しくなったし」
「それはよかった。という事で今日はそのカレーの材料を買いにいくぜ」
「結局昨日は手伝いをさせてもらえなかったから、なにを使ってるのかもわからなかったし」
「あー、まぁ、兄ちゃんはカレーの作り方は難しいから、大きくなったら教えるって言ってたし」
「まぁ、それはそうなんだけど、どうせなら早く教えてほしい」
「とはいえ、結構大変だぜ? レシピ覚えるだけでも頭いたくなるし」
「そんなに? 見せて、え、こんなに多いの?」
ソラはカレーのレシピが書いてある紙を、海から受け取り見てみると、あまりの食材の多さに驚きの声を上げた。
「俺も最初こんなに使う料理があるわけないって思ってたんだけどさ、確かに全部は使わないけど全種類は使うよ。このスパイスはこのぐらいの小さい小瓶だしな」
そう言いながら海は、手を使って大きさを教えてくれた。大きさは手のひらサイズのようだ。
そのあとチラッと家のドアを見ながら、ため息をつく。
「というか、美樹はまだ来ないのかよ……」
「あはは、あと少ししたらくるよ」
「だったらいいけどさ……」
本当なら二人で買い物にいく予定だったのだが、美樹がどうしてもいきたいと駄々をこねたので、連れていくことになった。そこまでは良かったのだが、準備してくると言ってから数十分。まだ出てこない。
「先にいくか?」
「いや、さすがにそれはかわいそうだし。もう少しの間待ってようよ」
「まぁ、ソラがいいなら待つけどよ」
ソラが海をなだめてから、さらに5分後、ようやく美樹が顔を出す。
「ソラお兄ちゃん! 海お兄ちゃん! おまたせ!」
「遅いぞ、まったく」
「えへへ、ごめん」
出てきた美樹は、いつもよりもかわいらしい服装に身を包んでいた。着れるのが嬉しいのかそれ以外の理由があるのか満面の笑みを浮かべている。
「まあまあ、海もそんなに怒らないで、それじゃ行こうか」
「ソラは甘すぎると思うぞ?」
「そうかな? 甘やかしてるつもりはないんだけど」
「まぁ、いいけどな、そんなことより美樹」
「? なぁに?」
「お前その格好で買い物いくのか?」
「うん! かわいいでしょ?」
「いや、可愛いのは認めるが汚れてもいいのか?」
「汚れるのは、いやだなー……」
海の言葉に自分の服が汚れるのを想像したのか、泣きそうな顔で服を握りしめる。その様子を、海が困ったように頬をかきながら笑っている。
「今から買い物にいくんだが……」
「えっと、海お兄ちゃんがもって?」
「はー……、まぁ、もともと持たせる気はなかったからいいけどな」
「えへへ、ありがと。海お兄ちゃん」
「なんだかんだで、海の方が美樹を甘やかしてる気がする」
「え? そんなことはないだろ?」
「まぁ、いいけどね? それじゃいこっか?」
「うん!」  
美樹はソラの言葉に頷くと、ソラと海の真ん中に入り込んで二人の手を握る。
「まったく、はぐれるなよ?」
「うん! はぐれないようにしっかり握っとく!」 
「あはは、僕もあんまり道は覚えてないから海よろしくね?」
「あー、だったな。ちゃんと案内するから安心しとけ」
そうして、やっと家から離れてお店のある商店街まで歩いていくのだった。
その後ろ姿をはらはらした様子で大地が見ているのに気がつかずに……。
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