老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
19話 村人強化計画
ユキムラは今、各セクションへと通知する紙面を作っていた。
適正ごとにわけられたそれぞれの人に、ある程度以上の練度になることで現れるであろうそれぞれのミニゲームのコツ、またそれが現れた場合報告して欲しい。
そういった通達事項を書面にしていた。
これをガッシュへ渡しておけばきちんと全職場へと通達される。
ガッシュは非常に優れた中間管理職であり、ユキムラは目上の方への配慮を忘れない人間だった。
お互いにお互いが敬意をもって接することで、良い人間関係というものは生まれるのである。
見た目は16歳ぐらいだが、中身は50のおっさんなのだ。
長年MMOで生きているとあちらを立てたりこちらを立てたり色々と大変なんだよ。とはユキムラの談である。
「今のところはレンとサリナさんだけか……」
上質な採取や生産ができる人員は喉から手が出るほど欲しい。
しかし、どうやら生まれ持った資質が一番大事っぽかった。
道具を良くすることで生産品の質は改善していくので、良いものを作りたければそれを作る道具を良いもので作ればいい。という積み重ねだ。
段々とアップグレードされていく製造ラインを見るのは本当に満たされる。
ユキムラは天才的な戦士だったが、変態内政屋でもある。
ハウスビルドとかも異常にこだわって、家具の配置をドット単位で調整したりするタイプだ。
そのくせこの世界では家は荒れ放題、散らかし放題だ。
研究する場所と芸術としてのハウスビルドは違うんだ。
ユキムラの抗議が聞こえてきそうだ。
ゲーム内でのハウスビルドっていうのは大きな街の土地を買うと出来る。
家を建て、内装外装をいじって楽しむコンテンツだ。
今日はレンと一緒に以前滅ぼしたゴブリンの村のパトロールに来てる。
一応きちっと後始末はしたけど、万が一を考えて虫除け(悪霊系まで除けるチート品)を配置しようと急に思い立った。
きちんとした後処理のお陰で、アンデッドが跋扈するホラーエリアにはなっていないで広々とした空間が広がっている。
用意していた木材で軽く囲い虫除けを配置していく。ついでに魔道具の照明も設置する。
レンと一緒に手早く広場を整備していく、一仕事を終えて昼食をのんびり食べながらこの広間の利用法を考える。
「なぁレン、ここって何かに使えないかな?もったいないよね」
昼食で持ってきたサンドイッチを急いでほうばりながらレンは答えてくれる。
ほっぺたにパンをためてる姿はさながらハムスターだ。思わず破顔する。
ついでにこのパンもユキムラの案で発酵などの工程を経た、柔らかな現代のパンに近いものになっている。
酵母なども調理スキルでささっと作れる、一度作れば調理スキルがない人間でも知識さえあれば利用できる。
村の食生活はどんどんと多様化して発展している。
ユキムラ的には稲作を開始したいのだけど、さすがに元になる種籾がないと出来ないので、街へと仕入れにいく商人に頼んでいる。
それ以外にも村にないものはどんどん街から調達してもらっている。
ユキムラが作る魔道具は目が飛び出すような値段で売れるし、鍛冶職人達が作る各種上質な鉄製品や武具も、今では王国から役人が来て注文をするほど有名になっている。
「ふぉうですねー、んく、最近村も人が増えてきたので狩猟拠点とか、あとは製造ラインを移動したほうがいいかもしれないですね、居住区に近くなると騒音とかの問題が出てくるかもしれないので」
なんとなしに聞いたのに的確な答えが次から次へと出てくることに正直驚かされてしまった。
「ほう、レンはいろいろ考えてるんだな、関心したよ」
「えへへへ、師匠にそう言ってもらえると嬉しいなぁ。
夜とかとーちゃんの相談とか聞いてるから皆の要望みたいな、まー愚痴に近いような話も聞くので」
「おお、素晴らしいことだね。村の人達はなんか不満とか言ってない?」
「いえいえ、皆すごくここの新しい暮らしに感謝してますよ!」
レンはユキムラの功績を自分の事のように喜んでくれる。
満面の笑みで反り返るように胸を張っている。
ユキムラ自身に誇っても仕方ないと思うが可愛いのでユキムラはニコニコしている。
そういう声を聞けるのは嬉しいもんだ。
村に暮らす人々の要望をうまく満たしながらより村を発展させて、そして俺の研究をもっと快適にしたい←本音
(将来的な村の拡張や発展を考えるなら採掘や採材の中間拠点的な場所も必要になってくる。
ロープウェー計画よりも鉄道のようなものを考えたほうがいいかもしれないな。
森の内部も虫除けがあれば安全に開発していけるし、そうなれば広大な森は資源の山だな……)
その日の視察は大変有意義なものになる。
そして大規模な開発には必ず人材が必要になる。
村人たちの技能や知識を育成する必要性が高くなる。
今現状でユキムラ以外で人々に最初の指導を出来るものはいない。
しかし、自分の適性を開花した後なら問題ない。
その前提となる一般知識ももっと広げたほうがいい。
「よし、学校をつくろう!」
村人強化計画の第一弾、教育である。
適正ごとにわけられたそれぞれの人に、ある程度以上の練度になることで現れるであろうそれぞれのミニゲームのコツ、またそれが現れた場合報告して欲しい。
そういった通達事項を書面にしていた。
これをガッシュへ渡しておけばきちんと全職場へと通達される。
ガッシュは非常に優れた中間管理職であり、ユキムラは目上の方への配慮を忘れない人間だった。
お互いにお互いが敬意をもって接することで、良い人間関係というものは生まれるのである。
見た目は16歳ぐらいだが、中身は50のおっさんなのだ。
長年MMOで生きているとあちらを立てたりこちらを立てたり色々と大変なんだよ。とはユキムラの談である。
「今のところはレンとサリナさんだけか……」
上質な採取や生産ができる人員は喉から手が出るほど欲しい。
しかし、どうやら生まれ持った資質が一番大事っぽかった。
道具を良くすることで生産品の質は改善していくので、良いものを作りたければそれを作る道具を良いもので作ればいい。という積み重ねだ。
段々とアップグレードされていく製造ラインを見るのは本当に満たされる。
ユキムラは天才的な戦士だったが、変態内政屋でもある。
ハウスビルドとかも異常にこだわって、家具の配置をドット単位で調整したりするタイプだ。
そのくせこの世界では家は荒れ放題、散らかし放題だ。
研究する場所と芸術としてのハウスビルドは違うんだ。
ユキムラの抗議が聞こえてきそうだ。
ゲーム内でのハウスビルドっていうのは大きな街の土地を買うと出来る。
家を建て、内装外装をいじって楽しむコンテンツだ。
今日はレンと一緒に以前滅ぼしたゴブリンの村のパトロールに来てる。
一応きちっと後始末はしたけど、万が一を考えて虫除け(悪霊系まで除けるチート品)を配置しようと急に思い立った。
きちんとした後処理のお陰で、アンデッドが跋扈するホラーエリアにはなっていないで広々とした空間が広がっている。
用意していた木材で軽く囲い虫除けを配置していく。ついでに魔道具の照明も設置する。
レンと一緒に手早く広場を整備していく、一仕事を終えて昼食をのんびり食べながらこの広間の利用法を考える。
「なぁレン、ここって何かに使えないかな?もったいないよね」
昼食で持ってきたサンドイッチを急いでほうばりながらレンは答えてくれる。
ほっぺたにパンをためてる姿はさながらハムスターだ。思わず破顔する。
ついでにこのパンもユキムラの案で発酵などの工程を経た、柔らかな現代のパンに近いものになっている。
酵母なども調理スキルでささっと作れる、一度作れば調理スキルがない人間でも知識さえあれば利用できる。
村の食生活はどんどんと多様化して発展している。
ユキムラ的には稲作を開始したいのだけど、さすがに元になる種籾がないと出来ないので、街へと仕入れにいく商人に頼んでいる。
それ以外にも村にないものはどんどん街から調達してもらっている。
ユキムラが作る魔道具は目が飛び出すような値段で売れるし、鍛冶職人達が作る各種上質な鉄製品や武具も、今では王国から役人が来て注文をするほど有名になっている。
「ふぉうですねー、んく、最近村も人が増えてきたので狩猟拠点とか、あとは製造ラインを移動したほうがいいかもしれないですね、居住区に近くなると騒音とかの問題が出てくるかもしれないので」
なんとなしに聞いたのに的確な答えが次から次へと出てくることに正直驚かされてしまった。
「ほう、レンはいろいろ考えてるんだな、関心したよ」
「えへへへ、師匠にそう言ってもらえると嬉しいなぁ。
夜とかとーちゃんの相談とか聞いてるから皆の要望みたいな、まー愚痴に近いような話も聞くので」
「おお、素晴らしいことだね。村の人達はなんか不満とか言ってない?」
「いえいえ、皆すごくここの新しい暮らしに感謝してますよ!」
レンはユキムラの功績を自分の事のように喜んでくれる。
満面の笑みで反り返るように胸を張っている。
ユキムラ自身に誇っても仕方ないと思うが可愛いのでユキムラはニコニコしている。
そういう声を聞けるのは嬉しいもんだ。
村に暮らす人々の要望をうまく満たしながらより村を発展させて、そして俺の研究をもっと快適にしたい←本音
(将来的な村の拡張や発展を考えるなら採掘や採材の中間拠点的な場所も必要になってくる。
ロープウェー計画よりも鉄道のようなものを考えたほうがいいかもしれないな。
森の内部も虫除けがあれば安全に開発していけるし、そうなれば広大な森は資源の山だな……)
その日の視察は大変有意義なものになる。
そして大規模な開発には必ず人材が必要になる。
村人たちの技能や知識を育成する必要性が高くなる。
今現状でユキムラ以外で人々に最初の指導を出来るものはいない。
しかし、自分の適性を開花した後なら問題ない。
その前提となる一般知識ももっと広げたほうがいい。
「よし、学校をつくろう!」
村人強化計画の第一弾、教育である。
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