老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
133話 氷龍? のダンジョン
山へ近づくとユキムラたちでもはっきりと分かるほど死臭がする。
明らかに様子がおかしかった。
魔道具を使い道を確保しながら山の麓へとたどり着く。
「ここからがダンジョンになってそうだね……違和感がある」
ユキムラが山の麓にあるダンジョンへの入り口に歪みのような違和感を感じる。
今回はユキムラ達の育成のためでもあるので帯同者である二人にダンジョンを作ってもらったりはしない。正真正銘レベル的にもガチンコな闘いとなる。
ユキムラはPT欄を確認して必要な設定をする。
きちんとサイレスとレックスも入っている。
「そしたら行こうか」
歪みの中へ踏み出していく。
集中しているとほんの少しの浮遊感の後に洞窟内へと足を踏み入れている。
ユキムラに続いて全員が洞窟内へと侵入ができている。
「これ、この鎧がないと極寒なんだよね?」
「外気温は‐20℃、洞窟の中でこの温度ですからね……」
もうサイレスもレックスも驚かない。
「それでは注意して進みましょう。タロの反応からたぶんアンデッドもいると思いますから」
タロは最後尾にいてはくれているが、明らかに警戒の度合いが普段よりも高く、少し不機嫌だ。
「前衛はソーカとサイレス、中衛がレンとレックスとタロ、後衛が俺で先ほど話していたように行きましょう」
想像以上に新規加入の二人が動けるために隊列を考え直した。
タロは中衛には置いているが前線への飛び出し、後背の守備とこのパーティの要を担ってもっらっている。
「グルルル……」
「前方右折後に接敵、スノーバジリスクとリザードマン4体、シャーマンもいる。気を付けてね」
インカムで指示を出す。
ユキムラ、レン、ソーカは俯瞰視点により正確な敵の位置が把握できているので一気に曲がり角へと迷いなく駆ける。サイレス、レックスもすでに覚悟は決まっているのでそれについていく。
「影縫い、腕がらみ、瞬矢」
ユキムラの弓による攻撃が敵全員を正確に縛り付ける。
機動力を封じられ、攻撃を阻害され、魔法をつぶされる。
そのまま前衛の攻撃と魔法攻撃になすすべもなくつぶされていく。
タロの戦力をまるっと温存できている。
「師匠、楽すぎるんですが……」
ただ攻撃魔法を放っているだけの状態になっているレンが妙な苦情を入れてくる。
ユキムラのレベル的に外界では決して出会えないようなハイレベルな魔物と戦っているはずが、一方的な殲滅戦のようになっている。
「阻害弓って効率よく使うと本当に楽になるよね。パーティに一人いると段違いなんだよね。
弓っていうと遠距離広範囲高攻撃力っていうスキルに目が行きがちになるし、確かに強いんだけど。
敵の阻害ってほんとに大事で、自分たちの生存率は跳ね上がるし、結局ハイレベルな戦いになるといかに相手に自由にさせないかってのが大事になってきて火力とかよりも大事なことが増えていくんだよね」
こういう話になると少し早口になって熱くなってしまうのは相変わらずだ。
「身体が熱い……はっきりとわかる。確実に成長している……」
「ああ……冒険していた時でも一瞬一瞬で成長を実感できることなんてほとんどなかったが、はっきりわかる。やはり、ついてきて正解だった!」
サイレスとレックスは自分たちが倒している敵たちのレベルが優に150を超えていることを知らない。
「お二人とも戦闘ごとに強くなっていますね。侮っていました。失礼しました」
ユキムラが謝罪する。
「いや、サイレスはともかく俺は仕方ない。ほとんどがこの素晴らしい装備のおかげだしな。
それでも少しでも手伝えるように頑張るよ」
「魔力に関しては半分ぐらい消費したかなって感じたら惜しみなく回復してください。
常に安全マージンをたっぷりとるのが長生きのコツです」
「ははは、君のような若い子に長生きといわれるのも変な感じだな。だが忠告には従う。今は君の部下だ」
「うーん、部下はやめてください。仲間ですから」
「……ああ、そうだな」
ユキムラはレベル200を超えている自分が作ったMDなのでもう少し苦戦するかと思っていたが、想像以上に順調に進んできた。敵にはドラゴン系の眷族や極寒地に生息する物、それにアンデッドが混じっていた。氷龍のような古代の生き物は神格に近いようなものを持っているので、不浄なアンデッドなどは発生しにくいはずなのは気にはなっていた。少なくともユキムラの知るVOではこのダンジョンにアンデッドは発生しない。
不安要素もあるが、ダンジョン攻略自体は問題なく進行する。
1階の初めての宝箱から出たアイテムをみてレックスとサイレスが腰を抜かしてしまった以外は特に苦労もすることなく最初の一日で9階まで到達し、階層は踏破してセーフゾーンで宿をとることになる。
「ちょっと下がってくださいねー寝床出しますんで―」
そして空間に現れるコテージ。車は大きくなりすぎたので宿泊だけに特化したコテージを新調した。
中身は小型のホテルみたいなもので、サイレスとレックスは本日二度目の腰を抜かしていた。
明らかに様子がおかしかった。
魔道具を使い道を確保しながら山の麓へとたどり着く。
「ここからがダンジョンになってそうだね……違和感がある」
ユキムラが山の麓にあるダンジョンへの入り口に歪みのような違和感を感じる。
今回はユキムラ達の育成のためでもあるので帯同者である二人にダンジョンを作ってもらったりはしない。正真正銘レベル的にもガチンコな闘いとなる。
ユキムラはPT欄を確認して必要な設定をする。
きちんとサイレスとレックスも入っている。
「そしたら行こうか」
歪みの中へ踏み出していく。
集中しているとほんの少しの浮遊感の後に洞窟内へと足を踏み入れている。
ユキムラに続いて全員が洞窟内へと侵入ができている。
「これ、この鎧がないと極寒なんだよね?」
「外気温は‐20℃、洞窟の中でこの温度ですからね……」
もうサイレスもレックスも驚かない。
「それでは注意して進みましょう。タロの反応からたぶんアンデッドもいると思いますから」
タロは最後尾にいてはくれているが、明らかに警戒の度合いが普段よりも高く、少し不機嫌だ。
「前衛はソーカとサイレス、中衛がレンとレックスとタロ、後衛が俺で先ほど話していたように行きましょう」
想像以上に新規加入の二人が動けるために隊列を考え直した。
タロは中衛には置いているが前線への飛び出し、後背の守備とこのパーティの要を担ってもっらっている。
「グルルル……」
「前方右折後に接敵、スノーバジリスクとリザードマン4体、シャーマンもいる。気を付けてね」
インカムで指示を出す。
ユキムラ、レン、ソーカは俯瞰視点により正確な敵の位置が把握できているので一気に曲がり角へと迷いなく駆ける。サイレス、レックスもすでに覚悟は決まっているのでそれについていく。
「影縫い、腕がらみ、瞬矢」
ユキムラの弓による攻撃が敵全員を正確に縛り付ける。
機動力を封じられ、攻撃を阻害され、魔法をつぶされる。
そのまま前衛の攻撃と魔法攻撃になすすべもなくつぶされていく。
タロの戦力をまるっと温存できている。
「師匠、楽すぎるんですが……」
ただ攻撃魔法を放っているだけの状態になっているレンが妙な苦情を入れてくる。
ユキムラのレベル的に外界では決して出会えないようなハイレベルな魔物と戦っているはずが、一方的な殲滅戦のようになっている。
「阻害弓って効率よく使うと本当に楽になるよね。パーティに一人いると段違いなんだよね。
弓っていうと遠距離広範囲高攻撃力っていうスキルに目が行きがちになるし、確かに強いんだけど。
敵の阻害ってほんとに大事で、自分たちの生存率は跳ね上がるし、結局ハイレベルな戦いになるといかに相手に自由にさせないかってのが大事になってきて火力とかよりも大事なことが増えていくんだよね」
こういう話になると少し早口になって熱くなってしまうのは相変わらずだ。
「身体が熱い……はっきりとわかる。確実に成長している……」
「ああ……冒険していた時でも一瞬一瞬で成長を実感できることなんてほとんどなかったが、はっきりわかる。やはり、ついてきて正解だった!」
サイレスとレックスは自分たちが倒している敵たちのレベルが優に150を超えていることを知らない。
「お二人とも戦闘ごとに強くなっていますね。侮っていました。失礼しました」
ユキムラが謝罪する。
「いや、サイレスはともかく俺は仕方ない。ほとんどがこの素晴らしい装備のおかげだしな。
それでも少しでも手伝えるように頑張るよ」
「魔力に関しては半分ぐらい消費したかなって感じたら惜しみなく回復してください。
常に安全マージンをたっぷりとるのが長生きのコツです」
「ははは、君のような若い子に長生きといわれるのも変な感じだな。だが忠告には従う。今は君の部下だ」
「うーん、部下はやめてください。仲間ですから」
「……ああ、そうだな」
ユキムラはレベル200を超えている自分が作ったMDなのでもう少し苦戦するかと思っていたが、想像以上に順調に進んできた。敵にはドラゴン系の眷族や極寒地に生息する物、それにアンデッドが混じっていた。氷龍のような古代の生き物は神格に近いようなものを持っているので、不浄なアンデッドなどは発生しにくいはずなのは気にはなっていた。少なくともユキムラの知るVOではこのダンジョンにアンデッドは発生しない。
不安要素もあるが、ダンジョン攻略自体は問題なく進行する。
1階の初めての宝箱から出たアイテムをみてレックスとサイレスが腰を抜かしてしまった以外は特に苦労もすることなく最初の一日で9階まで到達し、階層は踏破してセーフゾーンで宿をとることになる。
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