老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
160話 今更魔石の話。
今回のダンジョンは、一言で言えば美しかった。
空は歪んだようなうねりはあるものの青空に近い。
太陽は出ていないが明るく、地面は土、草木も生えている。
時折美しい柱が立ち並んだ場所や、精巧な彫刻が飾られていたりする。
東屋のように屋根付きの場所に湖があったりと、まるで自然の中にいるような気分になる。
その代わり地面から外れるとどこまでも底が見えない空間があり、浮いたような構造になっている。
謎の壁があって落ちることはないが、あまり島の端には立ちたくはない。
ユキムラ達は順調に、途中20mを越えるような巨大像も相手にはしているが、大きな苦戦をすることもなくダンジョン攻略は進んでいる。
「魔石の質が凄いですね、物凄いエネルギーを感じます」
レンが手に入れた魔石をまじまじと見つめている。
モンスターから手に入る魔石の質もどんどん向上している。
今更だが、こういう魔石は魔道具を作ったりする触媒に用いる。
上級なアイテム、防具を作るのには魔石ポイントが大量に必要だ。
それをよく手に入るモンスターの魔石を利用する。
もちろん普通の採掘などで手に入る魔石を利用しても良い。
ただ、上級な魔物から出る魔石は、それ自体が素材になったり、大量の魔石ポイントに変えられる。
レベル的に現在手に入っている魔石は相当数のポイントに変えられる。
そういう意味でも高レベルダンジョンに入るメリットは大きい。
「普通だと魔石は貴重品だからね、無限に採掘できるから湯水のように使ってたけど……」
過去の、今からは未来だが、サナダ街の日々を少し思い出してしまった。
「サナダ街のみんなは元気かな……」
ソーカも少し郷愁の感情に捕らわれてしまう。
「ソーカねーちゃんそれ禁止だってばー」
まだ戦いの日々は続く、サナダ街や王国の話は自然と禁止事項となっている。
「ごめんごめん。そうね。頑張ってまた帰りましょう!」
「そうだね。明日も頑張ろう」
セーフゾーンで1日目の野営だ。
現在14階層。ユキムラが絶好調に楽しんでいるので進行が早い。
  防御が高いやつって言うのは一般論として動きが遅い。
もちろんカウンターも当てやすい、つまりユキムラにとっては鴨なのだ。
「師匠たまにホームラン! とか叫んでますがなんなんですかあれ?」
ユキムラは相変わらずハンマーをブンブン振り回して無双状態が続いている。
フルスイングで飛ばしたものを空中にいる敵に当てたりすると思わず声が出ていたりしていた。
「ああ、まぁ、ゲームの掛け声的な?」
そこから野球のルール説明が始まる。
「凄い面白そうですね!」
「そう言えばユキムラちゃん変なものいっぱい作ってるわよね?」
変なものっていうのは将棋やボードゲームやらお遊び要素なアイテムだ。
VOではプレイヤー同士で対戦もできるのである程度惰性で作っていた。
ユキムラは流石にそこら辺のゲームは超弩級プレイヤーではない。
むしろVOのMDの回しとかで膨大な時間を使うのでそういったゲームではほとんど遊んだことがなかった。
つまり……
「おお! 師匠に勝った!」
リバーシではレンにボロ負け。
「12のダブルで私の勝ちですねユキムラさん!」
ダーツでソーカにボロ負け。
「はい、王手。ユキムラちゃん弱いわねー」
将棋もヴァリィに負け。
「わー、タロゴールだね。師匠は何でそんな借金だらけなんですか……」
人生○ームでも最下位。
珍しいことになっていた。
「ああ、楽しい。何で師匠こういうの隠してるんですか? こんな面白いもの見たことないですし、商品としても最高じゃないですか!」
「他にも教えてくださいユキムラさん!」
「ユキムラちゃん~負けるの嫌だから隠してたでしょー……」
「あ、明日も早いぞ! は、早く寝なさい!」
ユキムラはふてくされて部屋に帰ってしまった。
それでもこの日から夜にはゲーム時間が取られるようになる。
顔を合わせて皆でワイワイとゲームをしたりする経験がないユキムラにとって、団欒の時間というのは心地が良かった。まぁ、負けてばっかりではあったが……
レンはこれらの遊具を商品化するためにルールなどを詳細にまとめて量産計画を立てている。
その他トランプやUN○、そういったゲームをユキムラから吐き出させた。
「師匠他には、こないだ言っていたヤキュウみたいな大人数でやるゲームはないんですか?」
「後はサッカーとかテニスとか?」
「全部教えてください! 師匠! それは宝ですよ宝!」
この世界にも似たようなゲームが有ったりするが、ユキムラが話すゲームはどれも新鮮で斬新だった。
比較的生きていくことが大変な環境で、娯楽が発展する要素は少ない。
現代社会の日本という平和で満たされている環境にいた中で、様々な娯楽が生まれていくのは実は非常に幸せなことなんだなとユキムラは感じていた。
流石にパソコンや携帯ゲームのような電力を使うものは難しいが、魔道具を用いれば様々な玩具をこの世界でも作ることは可能なのかもしれなかった。
様々な玩具を知った白狼隊のメンバーが夜更かしをして、時間制限がつけられるのにさほど時間は必要なかった。
空は歪んだようなうねりはあるものの青空に近い。
太陽は出ていないが明るく、地面は土、草木も生えている。
時折美しい柱が立ち並んだ場所や、精巧な彫刻が飾られていたりする。
東屋のように屋根付きの場所に湖があったりと、まるで自然の中にいるような気分になる。
その代わり地面から外れるとどこまでも底が見えない空間があり、浮いたような構造になっている。
謎の壁があって落ちることはないが、あまり島の端には立ちたくはない。
ユキムラ達は順調に、途中20mを越えるような巨大像も相手にはしているが、大きな苦戦をすることもなくダンジョン攻略は進んでいる。
「魔石の質が凄いですね、物凄いエネルギーを感じます」
レンが手に入れた魔石をまじまじと見つめている。
モンスターから手に入る魔石の質もどんどん向上している。
今更だが、こういう魔石は魔道具を作ったりする触媒に用いる。
上級なアイテム、防具を作るのには魔石ポイントが大量に必要だ。
それをよく手に入るモンスターの魔石を利用する。
もちろん普通の採掘などで手に入る魔石を利用しても良い。
ただ、上級な魔物から出る魔石は、それ自体が素材になったり、大量の魔石ポイントに変えられる。
レベル的に現在手に入っている魔石は相当数のポイントに変えられる。
そういう意味でも高レベルダンジョンに入るメリットは大きい。
「普通だと魔石は貴重品だからね、無限に採掘できるから湯水のように使ってたけど……」
過去の、今からは未来だが、サナダ街の日々を少し思い出してしまった。
「サナダ街のみんなは元気かな……」
ソーカも少し郷愁の感情に捕らわれてしまう。
「ソーカねーちゃんそれ禁止だってばー」
まだ戦いの日々は続く、サナダ街や王国の話は自然と禁止事項となっている。
「ごめんごめん。そうね。頑張ってまた帰りましょう!」
「そうだね。明日も頑張ろう」
セーフゾーンで1日目の野営だ。
現在14階層。ユキムラが絶好調に楽しんでいるので進行が早い。
  防御が高いやつって言うのは一般論として動きが遅い。
もちろんカウンターも当てやすい、つまりユキムラにとっては鴨なのだ。
「師匠たまにホームラン! とか叫んでますがなんなんですかあれ?」
ユキムラは相変わらずハンマーをブンブン振り回して無双状態が続いている。
フルスイングで飛ばしたものを空中にいる敵に当てたりすると思わず声が出ていたりしていた。
「ああ、まぁ、ゲームの掛け声的な?」
そこから野球のルール説明が始まる。
「凄い面白そうですね!」
「そう言えばユキムラちゃん変なものいっぱい作ってるわよね?」
変なものっていうのは将棋やボードゲームやらお遊び要素なアイテムだ。
VOではプレイヤー同士で対戦もできるのである程度惰性で作っていた。
ユキムラは流石にそこら辺のゲームは超弩級プレイヤーではない。
むしろVOのMDの回しとかで膨大な時間を使うのでそういったゲームではほとんど遊んだことがなかった。
つまり……
「おお! 師匠に勝った!」
リバーシではレンにボロ負け。
「12のダブルで私の勝ちですねユキムラさん!」
ダーツでソーカにボロ負け。
「はい、王手。ユキムラちゃん弱いわねー」
将棋もヴァリィに負け。
「わー、タロゴールだね。師匠は何でそんな借金だらけなんですか……」
人生○ームでも最下位。
珍しいことになっていた。
「ああ、楽しい。何で師匠こういうの隠してるんですか? こんな面白いもの見たことないですし、商品としても最高じゃないですか!」
「他にも教えてくださいユキムラさん!」
「ユキムラちゃん~負けるの嫌だから隠してたでしょー……」
「あ、明日も早いぞ! は、早く寝なさい!」
ユキムラはふてくされて部屋に帰ってしまった。
それでもこの日から夜にはゲーム時間が取られるようになる。
顔を合わせて皆でワイワイとゲームをしたりする経験がないユキムラにとって、団欒の時間というのは心地が良かった。まぁ、負けてばっかりではあったが……
レンはこれらの遊具を商品化するためにルールなどを詳細にまとめて量産計画を立てている。
その他トランプやUN○、そういったゲームをユキムラから吐き出させた。
「師匠他には、こないだ言っていたヤキュウみたいな大人数でやるゲームはないんですか?」
「後はサッカーとかテニスとか?」
「全部教えてください! 師匠! それは宝ですよ宝!」
この世界にも似たようなゲームが有ったりするが、ユキムラが話すゲームはどれも新鮮で斬新だった。
比較的生きていくことが大変な環境で、娯楽が発展する要素は少ない。
現代社会の日本という平和で満たされている環境にいた中で、様々な娯楽が生まれていくのは実は非常に幸せなことなんだなとユキムラは感じていた。
流石にパソコンや携帯ゲームのような電力を使うものは難しいが、魔道具を用いれば様々な玩具をこの世界でも作ることは可能なのかもしれなかった。
様々な玩具を知った白狼隊のメンバーが夜更かしをして、時間制限がつけられるのにさほど時間は必要なかった。
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