老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
190話 大怪獣戦
砂漠をホバークラフトが疾走している。
巻き上げられる砂がそのパワーを表している。
サナダ白狼隊を乗せたその巨体は凄まじいスピードで疾走している。
後方には幾条もの砂のラインがその乗り物を追いかけている。
砂渡。砂漠の中を泳いで進む肉食の魚のような魔物だ。
砂上を疾走する音に反応してその対象を狩りに来たのだ。
「師匠振り切れないですねー、一定の距離でついてきます」
「こっちがくたびれて大人しくなってから襲うつもりなんだろう……ソーカ、ヴァリィ機銃でなんとかできる?」
機銃というのはホバークラフトに備え付けられた魔法銃のことで、マシンガンみたいに魔法弾を撃ち込める武装だ。前2門、後ろ3門用意してある。
「砂の中泳いでるからいまいち効果が薄いわねー」
外にいるメンバーとインカムで会話するユキムラ。
「音響爆弾使おうか、たぶん気絶ぐらいはするだろ」
「結界展開、音響爆弾落とします!」
軽い振動が車内に響いてくる。メインである音は結界で遮られている。
「うまくいきましたね、追尾は止まりました」
砂渡は砂上を動くものを敏感に捉える音のセンサーが発達している。
それを逆手に取って急激な爆音を浴びせて気絶させたのだ。
「それにしても、一面砂漠ねー……明らかにフィリポネアじゃないわね……」
もうかれこれ半日時速80キロくらいで砂漠を爆走している。
背後の森はすでに見えなくなって360度すべて砂漠になっている。
日を避ける場所もなく、砂漠だ。
徒歩での旅なら、まぁしんどいことは間違いない。
「マッピングによるとループではないから進んでいるけど、なんていうか、ほんと雑なマップだね」
「これ、終わりあるんですかね?」
「あると、思うんだけど……なんか手抜きっぽくてこの探索に意味があるか自信が無くなってきた……」
「ユキムラさん! 進行方向に竜巻!! 複数ありますね……それに……山?」
「すぐそっちに行く!」
ユキムラは室内から屋上へと飛び出し望遠鏡を構える。
そこに写ったのは巨大な山、しかし周囲には砂嵐が吹き荒れ、動いている。
「まぁ、だと思ったけど……全員あれが超巨大ボスの一つ砂仙獣 大岩嵐巨龍だ」
「あれ、敵なんですか?」
「この距離でってことは……本体は……」
「なんとか背中に乗って内部へ侵入して、心臓を叩くよ」
「内部へ……魔物の?」
「そう、あんなの正面から戦えないでしょ?」
「加粒子砲作っても小さな穴が空くだけですね、これだけの差だと……」
「背中に剥ぎ取りポイントあるよ~」
全員の目に光が灯る。
「近くに行ったらそれぞれホバーボード改で接近して、背中に取り付こう。
あのいくつも並んでいる色の違う鱗部分、あそこが採掘できる場所、で、あの一番高い位置から内部へ侵入できるはずだ。そこで集合ってことで」
近づくとゆ~っくりとした足踏みとともに砂漠が激しく振動している。
そして、見上げる巨体の大きさをまざまざと示してくる。
「でかい……」
ヴァリィもそのあまりの大きさに呆気にとられてしまう。
「俺もこうやって見るのは初めてだけど……すごいね、感動する」
「師匠ホバークラフト回収準備出来ました!」
「よし、それじゃぁ皆!! 上で会おう!!」
ホバーボードで砂上に飛び降りてそのまま疾走していく、ユキムラに続き全員がホバークラフトから飛び出す。レンは全員が飛び出したのを確認してホバークラフトを収納する。
「嵐に巻き込まれないようにね、あと砂渡にも気をつけて、周囲にたくさんいるはずだから!」
インカムからユキムラの助言が飛ぶ。
「防音装備で音響爆弾使って一気に取り付く! 皆も頑張って!!」
ユキムラは一気に砂嵐の切れ間から巨竜へと接近する、ザザザザっと砂渡が浮上してくるがすでに爆弾が打ち出されている。
キーーーーンという遮音された向こうから爆発音がすると砂渡の姿が消えている。
弩を利用して巨竜の外殻へ楔を打ち込み、一気に外殻へと取り付く。
厚みがあり、強固な外殻へとしっかりとしがみつきブーツの機能でしっかりと踏みしめる。
底部でしっかりと外壁を掴み、まるで普通に走るように外殻を壁走りで登って行く。
他のメンバーも無事に取り付けている。
「ワン!」
すでにタロは頂上付近で待っている。
【ギャシャギャシャ】
うろこの隙間から魔物が出てくる。
言ってみれば犬や猫に寄生するノミやダニみたいなものだが、寄生する相手がデカければ、寄生虫も巨大だ。
「忘れてた、こういうのもいるから注意してね」
襲いかかる寄生魔獣達を撃破しながら背中側にのぼり続ける。
「師匠、お先です!」
レンがすでに採掘をしていた。
ユキムラも開いている採掘ポイントを探して材料をゲットする。
「出来る限り取れるとこは全部取ろう。ここでしか出来ないからね。魔物には十分注意してね!」
魔物を倒しながら取れるところは全て回収していく、タロも頂上付近で魔物を相手に大暴れしている。
「皆、無事だね。そうしたらここ剥がすんだけど、めっちゃ暴れるから剥がしたらすぐに飛び込んでね」
山頂付近にある真っ黒な大きな鱗、ユキムラは日本刀を上段へ構え……
「二の太刀要らず!!」
裂帛の気合とともに振り下ろす!
音もなく剥がれ落ちる鱗、その背後には空洞がある。
「飛び込め!!」
ユキムラの号令で全員一気に飛び込む、全員が飛び込んだ瞬間……
巨竜が跳ねた。
巻き上げられる砂がそのパワーを表している。
サナダ白狼隊を乗せたその巨体は凄まじいスピードで疾走している。
後方には幾条もの砂のラインがその乗り物を追いかけている。
砂渡。砂漠の中を泳いで進む肉食の魚のような魔物だ。
砂上を疾走する音に反応してその対象を狩りに来たのだ。
「師匠振り切れないですねー、一定の距離でついてきます」
「こっちがくたびれて大人しくなってから襲うつもりなんだろう……ソーカ、ヴァリィ機銃でなんとかできる?」
機銃というのはホバークラフトに備え付けられた魔法銃のことで、マシンガンみたいに魔法弾を撃ち込める武装だ。前2門、後ろ3門用意してある。
「砂の中泳いでるからいまいち効果が薄いわねー」
外にいるメンバーとインカムで会話するユキムラ。
「音響爆弾使おうか、たぶん気絶ぐらいはするだろ」
「結界展開、音響爆弾落とします!」
軽い振動が車内に響いてくる。メインである音は結界で遮られている。
「うまくいきましたね、追尾は止まりました」
砂渡は砂上を動くものを敏感に捉える音のセンサーが発達している。
それを逆手に取って急激な爆音を浴びせて気絶させたのだ。
「それにしても、一面砂漠ねー……明らかにフィリポネアじゃないわね……」
もうかれこれ半日時速80キロくらいで砂漠を爆走している。
背後の森はすでに見えなくなって360度すべて砂漠になっている。
日を避ける場所もなく、砂漠だ。
徒歩での旅なら、まぁしんどいことは間違いない。
「マッピングによるとループではないから進んでいるけど、なんていうか、ほんと雑なマップだね」
「これ、終わりあるんですかね?」
「あると、思うんだけど……なんか手抜きっぽくてこの探索に意味があるか自信が無くなってきた……」
「ユキムラさん! 進行方向に竜巻!! 複数ありますね……それに……山?」
「すぐそっちに行く!」
ユキムラは室内から屋上へと飛び出し望遠鏡を構える。
そこに写ったのは巨大な山、しかし周囲には砂嵐が吹き荒れ、動いている。
「まぁ、だと思ったけど……全員あれが超巨大ボスの一つ砂仙獣 大岩嵐巨龍だ」
「あれ、敵なんですか?」
「この距離でってことは……本体は……」
「なんとか背中に乗って内部へ侵入して、心臓を叩くよ」
「内部へ……魔物の?」
「そう、あんなの正面から戦えないでしょ?」
「加粒子砲作っても小さな穴が空くだけですね、これだけの差だと……」
「背中に剥ぎ取りポイントあるよ~」
全員の目に光が灯る。
「近くに行ったらそれぞれホバーボード改で接近して、背中に取り付こう。
あのいくつも並んでいる色の違う鱗部分、あそこが採掘できる場所、で、あの一番高い位置から内部へ侵入できるはずだ。そこで集合ってことで」
近づくとゆ~っくりとした足踏みとともに砂漠が激しく振動している。
そして、見上げる巨体の大きさをまざまざと示してくる。
「でかい……」
ヴァリィもそのあまりの大きさに呆気にとられてしまう。
「俺もこうやって見るのは初めてだけど……すごいね、感動する」
「師匠ホバークラフト回収準備出来ました!」
「よし、それじゃぁ皆!! 上で会おう!!」
ホバーボードで砂上に飛び降りてそのまま疾走していく、ユキムラに続き全員がホバークラフトから飛び出す。レンは全員が飛び出したのを確認してホバークラフトを収納する。
「嵐に巻き込まれないようにね、あと砂渡にも気をつけて、周囲にたくさんいるはずだから!」
インカムからユキムラの助言が飛ぶ。
「防音装備で音響爆弾使って一気に取り付く! 皆も頑張って!!」
ユキムラは一気に砂嵐の切れ間から巨竜へと接近する、ザザザザっと砂渡が浮上してくるがすでに爆弾が打ち出されている。
キーーーーンという遮音された向こうから爆発音がすると砂渡の姿が消えている。
弩を利用して巨竜の外殻へ楔を打ち込み、一気に外殻へと取り付く。
厚みがあり、強固な外殻へとしっかりとしがみつきブーツの機能でしっかりと踏みしめる。
底部でしっかりと外壁を掴み、まるで普通に走るように外殻を壁走りで登って行く。
他のメンバーも無事に取り付けている。
「ワン!」
すでにタロは頂上付近で待っている。
【ギャシャギャシャ】
うろこの隙間から魔物が出てくる。
言ってみれば犬や猫に寄生するノミやダニみたいなものだが、寄生する相手がデカければ、寄生虫も巨大だ。
「忘れてた、こういうのもいるから注意してね」
襲いかかる寄生魔獣達を撃破しながら背中側にのぼり続ける。
「師匠、お先です!」
レンがすでに採掘をしていた。
ユキムラも開いている採掘ポイントを探して材料をゲットする。
「出来る限り取れるとこは全部取ろう。ここでしか出来ないからね。魔物には十分注意してね!」
魔物を倒しながら取れるところは全て回収していく、タロも頂上付近で魔物を相手に大暴れしている。
「皆、無事だね。そうしたらここ剥がすんだけど、めっちゃ暴れるから剥がしたらすぐに飛び込んでね」
山頂付近にある真っ黒な大きな鱗、ユキムラは日本刀を上段へ構え……
「二の太刀要らず!!」
裂帛の気合とともに振り下ろす!
音もなく剥がれ落ちる鱗、その背後には空洞がある。
「飛び込め!!」
ユキムラの号令で全員一気に飛び込む、全員が飛び込んだ瞬間……
巨竜が跳ねた。
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