老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
240話 ルシフェル戦 前座
「天使で闇でボス属性な非常にチートな奴が出てきたなぁ……」
「えーっと、天使系ってことは聖属性無効、各属性耐性50%、無属性耐性25%で、闇属性ってことは闇も無効、各属性20%、無属性25%、ボス属性だから状態異常耐性が異常に高いってことですかね」
「そう、簡単に言えば無属性が半減してほかは7割減、光と闇は無効で状態異常も効かない。
まーやっかいなんだよ」
「つまり、素手で倍殴ればいいってことだな!」
「お、ラオがいいこと言った! その方向で行くぞー!」
目の前で漆黒の6枚の翼を広げて戦闘準備に入るボスを放っておいて、なんとも呑気な会話を繰り広げている。
ルシフェルの周囲の上空に魔法陣が複数展開され、続々と堕天使たちが召喚されていく。
「えーっと、あんまりいかないから忘れてたけど、最初は取り巻きっていうか軍勢呼んでくるからガンガン倒しながらガンガン殴っていこう! 特にでかい堕天使は出たら速攻倒すこと! 自爆するから」
いわゆる美味しくないボスなルシフェルはあまり粘着していなかったため、いまいちユキムラも記憶が曖昧だった。面倒くさいやつって印象しかない。
「数が多い! いちいち硬いし!」
群がってくる堕天使、頭が宜しくなく荒ぶって武器を振り回してくるだけなので問題ないが、数が多い。そしてそれに混じってブクブクと太った堕天使が混じってくる。
「その太っているの最優先ね! 自爆は結構ヤバイ!」
兎にも角にも数に対抗するために白狼隊も散開しながら遊撃という手法を取っている。
レンはタロの背に騎乗して移動型砲台のように魔法をぶっ放している。
バラバラと巻かれた札は式神となり堕天使達を翻弄している。
レンは陰陽術を知ることで独自の戦闘スタイルを確立しつつあった。
ユキムラの背を追い続けていたレンは知れば知るほどユキムラの機械のように正確で完成された戦闘スタイルに追いつけない事を感じていた。
その中でユキムラも使用しない戦闘スタイルを知ったことで再びユキムラの高みを別方向から目指す事ができたのだ。
ユキムラ自身はあまり積極的に戦闘に取り入れはしなかった。
もちろん知らないことは危険なので深く理解はしているが、以前からのスタイルがあまりに完成されすぎているためになかなか自分の闘い方に新しい要素を組み込むのが難しいというのが現状だった。
さらにレンが好んで使い始めたのを見てユキムラは非常に嬉しかった。
自分の後追いを止め、成長していく弟子のジャマをするべきじゃない、そう考えたのだ。
新しい要素を加えるよりもVO時代と、この世界での差異をさらに埋めていくことに注力することにしたのだ。
「ラオ! 右翼を派手に叩いてくれ! そうすれば……」
「もうやってるぜ! おまたせしたなっと!
鬼王獄炎陣!」
巨大な黒炎が一角の天使を薙ぎ払う。そこにできたスペースにユキムラが押し込んだ部隊が急な支えを無くして崩れるように入り込む。こうすることでルシフェルへの道が開く。
ソーカは指示を受ける必要もなくその意図を理解して極大の一閃を叩き込む。
「奥義 地割天裂斬!!」
ユキムラは全体を俯瞰的にみて指示を出す。
白狼隊は皆俯瞰視点を持っているので戦況の変化をすぐに把握できるが、ラオは戦術的な観点からユキムラの意図を非常によく汲み取って指示を与えなくても動いている。
長年のパートナーでもないのにこれだけの働きを行うのはユキムラにとって驚きだった。
白狼隊の他のメンバーもラオには一目を置いている。
戦闘力としても白狼隊メンバーを1対1なら圧倒するだろうし、戦術戦略的な視点も持つ。
今後の魔神との戦いにおいて中心を担うメンバーの一人だとユキムラは確信している。
「第1段階が終わるよ! 次は強力な取り巻きを呼ぶ、こっからが本番だ!
取り巻きリポップないからまずは取り巻きに集中ね」
ユキムラの指示通り、ワラワラとワイていた堕天使軍は白狼隊に殲滅された。
ルシフェル自身もチクチク攻撃を受けてそれが一定値に達すると攻撃が変化する。
まぁ、よくあるタイプのボスだ。
6人の堕天使を呼び出す。ルキフゲ、サタナキア、アガリアレプト、フルーレティ、サルガタナス、ネビロス。
皆、名前は付いているが外見は同じだ。
VOではカーソルを持っていかれるので邪魔な5人として嫌われている。
決め技がサタナキアに当たった。死ね。などと不当なヘイトを受けている。
この世界では7人パーティのように役割がしっかりと分かれていてキャラ立ちはしている。
見た目は完全天使MOBだが……
「えーっと、杖持ってるのがルキフゲで回復使うから最優先。斧持ってるアガなんとかは攻撃強力だから注意、双剣のサルガはたまに瞬身するので気をつけて、長剣ネビロスは基本放置、弓サタナキアは適度に牽制してね、フルーレティは魔法攻撃主体だから、レンはこいつに集中していいや、取り巻き全部倒さないとルシフェル自身は無敵だから攻撃は無意味なので注意ね。バフデバフは俺がやるね。それじゃぁ行こうか!」
手早く指示を伝えて戦闘再開だ。
「やっぱ、パーティ戦はいいね!」
「特にこちらが勝つ闘いは尚良い!」
「そうだね!」
それぞれが完璧に自分の仕事をすることで敵は為す術もなくその数を減らしていく。
タロはサタナキア、サルガタナス二人を翻弄し人的な有利を作る。
回復役であるルキフゲはユキムラとソーカの速攻であっという間に落とされ、数の優位と回復手段を失う。
ラオは一人でアガリアレプトを圧倒してそのまま倒してしまうし。
フルーレティはレンに何もさせてもらえないままヴァリィによって打ち倒される。
タロが遊んでいた二人も数の暴力で瞬殺。
そしてネビロスも囲んで殴られた。
「よし!」
6柱を倒すとルシフェルから禍々しいオーラが沸き立つ。
最期の闘いだ。
「えーっと、天使系ってことは聖属性無効、各属性耐性50%、無属性耐性25%で、闇属性ってことは闇も無効、各属性20%、無属性25%、ボス属性だから状態異常耐性が異常に高いってことですかね」
「そう、簡単に言えば無属性が半減してほかは7割減、光と闇は無効で状態異常も効かない。
まーやっかいなんだよ」
「つまり、素手で倍殴ればいいってことだな!」
「お、ラオがいいこと言った! その方向で行くぞー!」
目の前で漆黒の6枚の翼を広げて戦闘準備に入るボスを放っておいて、なんとも呑気な会話を繰り広げている。
ルシフェルの周囲の上空に魔法陣が複数展開され、続々と堕天使たちが召喚されていく。
「えーっと、あんまりいかないから忘れてたけど、最初は取り巻きっていうか軍勢呼んでくるからガンガン倒しながらガンガン殴っていこう! 特にでかい堕天使は出たら速攻倒すこと! 自爆するから」
いわゆる美味しくないボスなルシフェルはあまり粘着していなかったため、いまいちユキムラも記憶が曖昧だった。面倒くさいやつって印象しかない。
「数が多い! いちいち硬いし!」
群がってくる堕天使、頭が宜しくなく荒ぶって武器を振り回してくるだけなので問題ないが、数が多い。そしてそれに混じってブクブクと太った堕天使が混じってくる。
「その太っているの最優先ね! 自爆は結構ヤバイ!」
兎にも角にも数に対抗するために白狼隊も散開しながら遊撃という手法を取っている。
レンはタロの背に騎乗して移動型砲台のように魔法をぶっ放している。
バラバラと巻かれた札は式神となり堕天使達を翻弄している。
レンは陰陽術を知ることで独自の戦闘スタイルを確立しつつあった。
ユキムラの背を追い続けていたレンは知れば知るほどユキムラの機械のように正確で完成された戦闘スタイルに追いつけない事を感じていた。
その中でユキムラも使用しない戦闘スタイルを知ったことで再びユキムラの高みを別方向から目指す事ができたのだ。
ユキムラ自身はあまり積極的に戦闘に取り入れはしなかった。
もちろん知らないことは危険なので深く理解はしているが、以前からのスタイルがあまりに完成されすぎているためになかなか自分の闘い方に新しい要素を組み込むのが難しいというのが現状だった。
さらにレンが好んで使い始めたのを見てユキムラは非常に嬉しかった。
自分の後追いを止め、成長していく弟子のジャマをするべきじゃない、そう考えたのだ。
新しい要素を加えるよりもVO時代と、この世界での差異をさらに埋めていくことに注力することにしたのだ。
「ラオ! 右翼を派手に叩いてくれ! そうすれば……」
「もうやってるぜ! おまたせしたなっと!
鬼王獄炎陣!」
巨大な黒炎が一角の天使を薙ぎ払う。そこにできたスペースにユキムラが押し込んだ部隊が急な支えを無くして崩れるように入り込む。こうすることでルシフェルへの道が開く。
ソーカは指示を受ける必要もなくその意図を理解して極大の一閃を叩き込む。
「奥義 地割天裂斬!!」
ユキムラは全体を俯瞰的にみて指示を出す。
白狼隊は皆俯瞰視点を持っているので戦況の変化をすぐに把握できるが、ラオは戦術的な観点からユキムラの意図を非常によく汲み取って指示を与えなくても動いている。
長年のパートナーでもないのにこれだけの働きを行うのはユキムラにとって驚きだった。
白狼隊の他のメンバーもラオには一目を置いている。
戦闘力としても白狼隊メンバーを1対1なら圧倒するだろうし、戦術戦略的な視点も持つ。
今後の魔神との戦いにおいて中心を担うメンバーの一人だとユキムラは確信している。
「第1段階が終わるよ! 次は強力な取り巻きを呼ぶ、こっからが本番だ!
取り巻きリポップないからまずは取り巻きに集中ね」
ユキムラの指示通り、ワラワラとワイていた堕天使軍は白狼隊に殲滅された。
ルシフェル自身もチクチク攻撃を受けてそれが一定値に達すると攻撃が変化する。
まぁ、よくあるタイプのボスだ。
6人の堕天使を呼び出す。ルキフゲ、サタナキア、アガリアレプト、フルーレティ、サルガタナス、ネビロス。
皆、名前は付いているが外見は同じだ。
VOではカーソルを持っていかれるので邪魔な5人として嫌われている。
決め技がサタナキアに当たった。死ね。などと不当なヘイトを受けている。
この世界では7人パーティのように役割がしっかりと分かれていてキャラ立ちはしている。
見た目は完全天使MOBだが……
「えーっと、杖持ってるのがルキフゲで回復使うから最優先。斧持ってるアガなんとかは攻撃強力だから注意、双剣のサルガはたまに瞬身するので気をつけて、長剣ネビロスは基本放置、弓サタナキアは適度に牽制してね、フルーレティは魔法攻撃主体だから、レンはこいつに集中していいや、取り巻き全部倒さないとルシフェル自身は無敵だから攻撃は無意味なので注意ね。バフデバフは俺がやるね。それじゃぁ行こうか!」
手早く指示を伝えて戦闘再開だ。
「やっぱ、パーティ戦はいいね!」
「特にこちらが勝つ闘いは尚良い!」
「そうだね!」
それぞれが完璧に自分の仕事をすることで敵は為す術もなくその数を減らしていく。
タロはサタナキア、サルガタナス二人を翻弄し人的な有利を作る。
回復役であるルキフゲはユキムラとソーカの速攻であっという間に落とされ、数の優位と回復手段を失う。
ラオは一人でアガリアレプトを圧倒してそのまま倒してしまうし。
フルーレティはレンに何もさせてもらえないままヴァリィによって打ち倒される。
タロが遊んでいた二人も数の暴力で瞬殺。
そしてネビロスも囲んで殴られた。
「よし!」
6柱を倒すとルシフェルから禍々しいオーラが沸き立つ。
最期の闘いだ。
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