老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
317話 ラストピース
「海底ダンジョンはいつも綺麗ですねユキムラさん」
「水族館にしたいよなー……」
「師匠、スイゾクカンっていうのは?」
「ああ、こんな感じに海の中の生物を観察できる……見世物? なのかな?
動物なんかを展示すると動物園、花とか植物を展示すると植物園って呼ぶんだよ」
「あら、花の展示は素敵よねー」
「ワンワン!」
まるで談笑でもしながら散歩しているようだが、先程から水竜や突撃魚などの襲来を受けている。
久しぶりの5人での戦闘だが、むしろ以前よりも連携は上昇している。
なんだかんだ言っても、白狼隊が人を連れて戦闘している時は連れている人間のフォローをしながらの戦闘になってしまう。
ほぼほぼフォローをしなくてもいいレベルの人間も増えてきているが、5人での全力戦闘はやはり別物と言ってもいい。
ダンジョンの宝を利用した装備の改良と、その試運転も兼ねた戦闘の犠牲になった魔物は運がない。
白狼隊の前に立たねばならないのだから、どんな状況下でも運はないのかもしれない。
「師匠。アルテス様の策はどれぐらいの時間稼ぎが必要になりそうですか?」
「うーん、まだわからないそうだ。
敵側の侵食速度が想像以上に伸びているらしいから、確実性を持たせるためには30分から1時間くらいらしい……」
「な、魔人との戦闘を一時間ですか……」
「それは……きついわねぇ……」
「さらに時間停止使われたらほぼ無限にまで時間が伸びるよねぇ……
なんとかこのダンジョン攻略の間に向こうの開発が済めばいいけど」
「あのぽっちゃりしたキサラ様が凄腕なんてちょっと信じられないですね」
「キサラ様とオトハ様は天才だってアルテス様が太鼓判押してたよ。
その二人が組むことを信じよう」
「アンアンアン!」
「んー? 大丈夫? タロが言うならその通りだろうねー」
ソーカは居合で竜の首を落としながらタロの頭をナデナデする。
タロはタロでソーカの手にスリスリすると颯爽と飛び出して巨大なシーゴーレムの腹に風穴を開けると何事もなかったかのようにソーカの隣に戻ってくる。
ヴァリィはユキムラとコウとナオに作った執事服とメイド服のコンセプトの打ち合わせをしながら敵をなぎ倒し、レンは今後のサナダ商会の国を隔てた活動時の、会社としての形態を模索しながら魔法で援護を行っている。
サクサクと探索、殲滅をしながらダンジョンをグイグイと進んでいく。
探索も小型ドローンのような魔道具を利用するために無駄なく効率的な進行が可能だ。
こんなダンジョン探索が一般化したらすでに冒険とは言えないのではないか? という疑問がついて回る。ユキムラ自身も時々自問しているが、現状では自身の冒険心よりも効率を重視している。
いずれのんびりと世界を旅をするときなどは、制限プレイでもするかぁ。と、のんびりと構えている。
敵自体も決して弱くない。
レベル帯的にもかなり様々な戦法でプレイヤーを苦しめてくる段階だ。
パーティバランスを考えられた攻勢で攻めてくるし、こちらの攻撃が中途半端なら通用しない。
耐性装備を用意しても完全には押さえきれなくなってくる域に入ってきている。
出来る限り被弾を減らして消耗を押さえて、早く戦闘を終わらせていくことが重要性を増してくる。
もちろんとんでもないエネルギーを秘めた魔石は大量に供給されているので採算は取れているが、ボス戦などでの大量消耗は常に考えて置かなければならない。
強大な力を持った装備を操る白狼隊だからこそ、常にガス欠は考慮に入れなければならない。
ユキムラは対策として、魔石の在庫を国家運用レベルで貯め込んではいる。
それに環境中の魔力を効率よく取り込むエンチャントも施している。
「でもなぁ、魔人戦って環境の魔力が消耗してくんだよねぇ……
たぶん魔人自体が魔力を使用しちゃうんじゃないかと思ってるんだけど……」
「以前の観測結果のアレですか?」
「うん、正直そこは心配したことがなかったから、スキルで作れるアイテムではどうこうできないから開発していくしか無いんだよね……」
一時的に魔石を利用して爆発的な魔力を産み出す増幅器は作成に成功している。
ただ、膨大な魔力を秘める魔石を組み込むと、増幅器が耐えきれず故障するので使い切りになってしまう。緊急時の切り札的な位置づけだ。
「師匠……切り札を一体いくつ作ったんですか……」
「ほ、ほら、ホントに最後の切り札にならないように準備しただけだよ」
使い捨てで気軽に使えるぐらいは作成してある。
「魔人がもし環境魔力を消費するなら、あまり環境に魔力を満たすとこっちが不利になりそうだしね。
出来る限り、こっちは魔力を使えて、相手は使えない状態で戦いたい」
「そのための貯蔵機ですね……」
魔力貯蔵機、複数の魔石を魔導回路上に設置して、魔石の容量を遥かに超えた魔力を貯めておける魔道具。これが対魔人戦闘で鍵をにぎるとユキムラは考えている。
現行で手に入る中でも最高級品による貯蔵機を利用した装備。
白狼隊は全員その特別仕様の装備になっている。
特に、今回は女神たちが用意した特殊な閉鎖された空間での戦闘になる予定だ。
出来る限りの準備はユキムラ達も行っている。
【おまたせ~。みんなのネックレスにプログラム送れるようになったわよー】
ダンジョンも最深部に近づいた時、今回のクエストの最後のピースが女神によって届けられる。
「水族館にしたいよなー……」
「師匠、スイゾクカンっていうのは?」
「ああ、こんな感じに海の中の生物を観察できる……見世物? なのかな?
動物なんかを展示すると動物園、花とか植物を展示すると植物園って呼ぶんだよ」
「あら、花の展示は素敵よねー」
「ワンワン!」
まるで談笑でもしながら散歩しているようだが、先程から水竜や突撃魚などの襲来を受けている。
久しぶりの5人での戦闘だが、むしろ以前よりも連携は上昇している。
なんだかんだ言っても、白狼隊が人を連れて戦闘している時は連れている人間のフォローをしながらの戦闘になってしまう。
ほぼほぼフォローをしなくてもいいレベルの人間も増えてきているが、5人での全力戦闘はやはり別物と言ってもいい。
ダンジョンの宝を利用した装備の改良と、その試運転も兼ねた戦闘の犠牲になった魔物は運がない。
白狼隊の前に立たねばならないのだから、どんな状況下でも運はないのかもしれない。
「師匠。アルテス様の策はどれぐらいの時間稼ぎが必要になりそうですか?」
「うーん、まだわからないそうだ。
敵側の侵食速度が想像以上に伸びているらしいから、確実性を持たせるためには30分から1時間くらいらしい……」
「な、魔人との戦闘を一時間ですか……」
「それは……きついわねぇ……」
「さらに時間停止使われたらほぼ無限にまで時間が伸びるよねぇ……
なんとかこのダンジョン攻略の間に向こうの開発が済めばいいけど」
「あのぽっちゃりしたキサラ様が凄腕なんてちょっと信じられないですね」
「キサラ様とオトハ様は天才だってアルテス様が太鼓判押してたよ。
その二人が組むことを信じよう」
「アンアンアン!」
「んー? 大丈夫? タロが言うならその通りだろうねー」
ソーカは居合で竜の首を落としながらタロの頭をナデナデする。
タロはタロでソーカの手にスリスリすると颯爽と飛び出して巨大なシーゴーレムの腹に風穴を開けると何事もなかったかのようにソーカの隣に戻ってくる。
ヴァリィはユキムラとコウとナオに作った執事服とメイド服のコンセプトの打ち合わせをしながら敵をなぎ倒し、レンは今後のサナダ商会の国を隔てた活動時の、会社としての形態を模索しながら魔法で援護を行っている。
サクサクと探索、殲滅をしながらダンジョンをグイグイと進んでいく。
探索も小型ドローンのような魔道具を利用するために無駄なく効率的な進行が可能だ。
こんなダンジョン探索が一般化したらすでに冒険とは言えないのではないか? という疑問がついて回る。ユキムラ自身も時々自問しているが、現状では自身の冒険心よりも効率を重視している。
いずれのんびりと世界を旅をするときなどは、制限プレイでもするかぁ。と、のんびりと構えている。
敵自体も決して弱くない。
レベル帯的にもかなり様々な戦法でプレイヤーを苦しめてくる段階だ。
パーティバランスを考えられた攻勢で攻めてくるし、こちらの攻撃が中途半端なら通用しない。
耐性装備を用意しても完全には押さえきれなくなってくる域に入ってきている。
出来る限り被弾を減らして消耗を押さえて、早く戦闘を終わらせていくことが重要性を増してくる。
もちろんとんでもないエネルギーを秘めた魔石は大量に供給されているので採算は取れているが、ボス戦などでの大量消耗は常に考えて置かなければならない。
強大な力を持った装備を操る白狼隊だからこそ、常にガス欠は考慮に入れなければならない。
ユキムラは対策として、魔石の在庫を国家運用レベルで貯め込んではいる。
それに環境中の魔力を効率よく取り込むエンチャントも施している。
「でもなぁ、魔人戦って環境の魔力が消耗してくんだよねぇ……
たぶん魔人自体が魔力を使用しちゃうんじゃないかと思ってるんだけど……」
「以前の観測結果のアレですか?」
「うん、正直そこは心配したことがなかったから、スキルで作れるアイテムではどうこうできないから開発していくしか無いんだよね……」
一時的に魔石を利用して爆発的な魔力を産み出す増幅器は作成に成功している。
ただ、膨大な魔力を秘める魔石を組み込むと、増幅器が耐えきれず故障するので使い切りになってしまう。緊急時の切り札的な位置づけだ。
「師匠……切り札を一体いくつ作ったんですか……」
「ほ、ほら、ホントに最後の切り札にならないように準備しただけだよ」
使い捨てで気軽に使えるぐらいは作成してある。
「魔人がもし環境魔力を消費するなら、あまり環境に魔力を満たすとこっちが不利になりそうだしね。
出来る限り、こっちは魔力を使えて、相手は使えない状態で戦いたい」
「そのための貯蔵機ですね……」
魔力貯蔵機、複数の魔石を魔導回路上に設置して、魔石の容量を遥かに超えた魔力を貯めておける魔道具。これが対魔人戦闘で鍵をにぎるとユキムラは考えている。
現行で手に入る中でも最高級品による貯蔵機を利用した装備。
白狼隊は全員その特別仕様の装備になっている。
特に、今回は女神たちが用意した特殊な閉鎖された空間での戦闘になる予定だ。
出来る限りの準備はユキムラ達も行っている。
【おまたせ~。みんなのネックレスにプログラム送れるようになったわよー】
ダンジョンも最深部に近づいた時、今回のクエストの最後のピースが女神によって届けられる。
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