公爵令嬢は結婚したくない!
名探偵ユウティーシア!
ユーメさんの事を思いつつも……。
貴族学院内の敷地を歩きはじめた。
歩いてから10分ほどで、私の教室が入っている中等部の建物が見えてくる。
私は、ローファーを履いたまま建物の中に入り教室に向かう。
基本、日本では、上履きなどがある。
だけど、中世に模したこの国ではそういうモノが存在しない。
そのため、建物内は極めて不衛生であり私の頭を痛める要因ともなっている。
日本の学校教育制度で一番、すばらしいと思うのは上履き、げた箱と言った制度や慣習がある事だと思う。
建物内を清潔に保つために仕える案だと思うし実用的だとも思う。
ただ……貧しい国はできない。
何故なら貧富の差が激しい国、もしくは礼儀やルールを重んじられない国だとそういう事が浸透せず破たんするのは目に見えているから。
だから前世でも、日本以外の国では上履きや下駄箱と言った風習や慣習を実践できる国は無かったはず。
ふーむ。そうすると、女子寮には下駄箱と上履き制度を実装した方がいいかもしれませんね。
女子寮指定の上履きを、女子寮側で用意すれば問題ないと思いますし……。
廊下を歩いていくと、周囲の視線が私に向けられている事に気がつく。
これは明らかによろしくない目線ですね。
厄介事の匂いが、プンプンします。
私は廊下を歩き、教室の扉を開けると案の定というか何と言うか……。
「私の机の前で何をしていらっしゃるのかしら?」
私の言葉に数人の同級生がこちらへ視線を向けてくる。
その笑みを見て、私は溜息を洩らす。
どうみても、私の机に落書きしたのは彼女らとしか思えないから。
まったく机に落書きってガキの苛めかよ。
「その机に、低能で愚かな下らない落書きにすら及ばないモノを書いたのは、どなたかしら?」
私の言葉に、振り返った同級生のうち3人が顔を真っ赤にして――。
――文句を言ってくるが……私は一切取り合わないし、そんな時間がもったいない。
そんな風に考えていると、後ろから成人男性の声が聞こえてきた。
「席につけ!」
廊下側から担任であるタフネス先生の声が聞こえてくる。
先生が教室に入ると私以外の全員が席に座る。
「ユウティーシア、どうかしたか?」
私が座らない事に気がついた先生が、話しかけてくる。
私は頷きながら――。
「はい、まずは人の机に下らない下賤な落書きをした人物を特定しませんと……それまでは席に座る気がありませんわ」
私の言葉に教室内から文句が上がるが、それこそ私の知った事ではない。
「先生、一つお伺いしますが……。かりに学院内苛めなどが発覚した場合。容疑者つまり犯人が見つかった場合、貴族学院は、犯人にはどう言った対応をとられますか?」
私の10歳とは思えない発言にタフネス先生は、しばらく思案した後に口を開いた
「悪質だと退学、軽くても1カ月から2カ月の停学と言ったところだな」
さすがに貴族が通う学院だと、リースノット王国の警備隊への引き渡しはないか。
まああったらあったで大問題だしね。
「わかりましたわ。タフネス先生。まずは私の机を見て頂けますか?」
タフネス先生は、私の机を見て眉元を顰めた。
そして――。
「ユウティーシアの机に落書きをしたのは誰だ? 名乗り出なさい」
先生の言葉が教室内に響き渡る。
だけど誰も手を上げたりはしない。
それはそうだろう。
先ほど、停学になる可能性があると示唆されたばかりだから。
ここで手を上げられる人はかなり度胸があるか、おバカのどっちかだと思う。
「先生、全員の執筆が書かれている羊皮紙はお持ちですよね?」
私の言葉に先生は何を言っているんだ? という目を向けてくる。
そして、同級生の連中も私が何を言っているのか理解していないようだけど。
君達は覚えていないのかな?
自分達が私の机に書いた落書きという文字とがある事に。
そして授業後に提出した羊皮紙に書いた文字が存在していることに。
右往左往したが結局、1時間後。アンネローゼ・フォン・メイヤーの取り巻き3人の2カ月停学が決まった。
最後まで、「シュトロハイム公爵家の陰謀です」「この学院はシュトロハイム家から多額の援助を受けているから私達を追放しようとしている」などなど言い訳をしていたけど、意味はなかった。
私は、貴族学院から去っていく彼女らを見て――。
筆跡鑑定はすごいなと思いつつも。
体は幼女だけど中身はオヤジ! その実態は! 名探偵ユウティーシア! と心の中で呟いていた。
落書きされた机と停学になった人の机と交換した後、休み時間に次の授業の用意をしていると突然、教室の扉が力任せに開かれた。
そこには顔を真っ赤にしたヒロインであるアンネローゼと、私の婚約者であるクラウス様が立っており――。
「ユウティーシア・フォン・シュトロハイム! 君は、アンネローゼを傷つけた。謝罪をしてもらいたい」
――と。突然、私に向けて言ってきた。
貴族学院内の敷地を歩きはじめた。
歩いてから10分ほどで、私の教室が入っている中等部の建物が見えてくる。
私は、ローファーを履いたまま建物の中に入り教室に向かう。
基本、日本では、上履きなどがある。
だけど、中世に模したこの国ではそういうモノが存在しない。
そのため、建物内は極めて不衛生であり私の頭を痛める要因ともなっている。
日本の学校教育制度で一番、すばらしいと思うのは上履き、げた箱と言った制度や慣習がある事だと思う。
建物内を清潔に保つために仕える案だと思うし実用的だとも思う。
ただ……貧しい国はできない。
何故なら貧富の差が激しい国、もしくは礼儀やルールを重んじられない国だとそういう事が浸透せず破たんするのは目に見えているから。
だから前世でも、日本以外の国では上履きや下駄箱と言った風習や慣習を実践できる国は無かったはず。
ふーむ。そうすると、女子寮には下駄箱と上履き制度を実装した方がいいかもしれませんね。
女子寮指定の上履きを、女子寮側で用意すれば問題ないと思いますし……。
廊下を歩いていくと、周囲の視線が私に向けられている事に気がつく。
これは明らかによろしくない目線ですね。
厄介事の匂いが、プンプンします。
私は廊下を歩き、教室の扉を開けると案の定というか何と言うか……。
「私の机の前で何をしていらっしゃるのかしら?」
私の言葉に数人の同級生がこちらへ視線を向けてくる。
その笑みを見て、私は溜息を洩らす。
どうみても、私の机に落書きしたのは彼女らとしか思えないから。
まったく机に落書きってガキの苛めかよ。
「その机に、低能で愚かな下らない落書きにすら及ばないモノを書いたのは、どなたかしら?」
私の言葉に、振り返った同級生のうち3人が顔を真っ赤にして――。
――文句を言ってくるが……私は一切取り合わないし、そんな時間がもったいない。
そんな風に考えていると、後ろから成人男性の声が聞こえてきた。
「席につけ!」
廊下側から担任であるタフネス先生の声が聞こえてくる。
先生が教室に入ると私以外の全員が席に座る。
「ユウティーシア、どうかしたか?」
私が座らない事に気がついた先生が、話しかけてくる。
私は頷きながら――。
「はい、まずは人の机に下らない下賤な落書きをした人物を特定しませんと……それまでは席に座る気がありませんわ」
私の言葉に教室内から文句が上がるが、それこそ私の知った事ではない。
「先生、一つお伺いしますが……。かりに学院内苛めなどが発覚した場合。容疑者つまり犯人が見つかった場合、貴族学院は、犯人にはどう言った対応をとられますか?」
私の10歳とは思えない発言にタフネス先生は、しばらく思案した後に口を開いた
「悪質だと退学、軽くても1カ月から2カ月の停学と言ったところだな」
さすがに貴族が通う学院だと、リースノット王国の警備隊への引き渡しはないか。
まああったらあったで大問題だしね。
「わかりましたわ。タフネス先生。まずは私の机を見て頂けますか?」
タフネス先生は、私の机を見て眉元を顰めた。
そして――。
「ユウティーシアの机に落書きをしたのは誰だ? 名乗り出なさい」
先生の言葉が教室内に響き渡る。
だけど誰も手を上げたりはしない。
それはそうだろう。
先ほど、停学になる可能性があると示唆されたばかりだから。
ここで手を上げられる人はかなり度胸があるか、おバカのどっちかだと思う。
「先生、全員の執筆が書かれている羊皮紙はお持ちですよね?」
私の言葉に先生は何を言っているんだ? という目を向けてくる。
そして、同級生の連中も私が何を言っているのか理解していないようだけど。
君達は覚えていないのかな?
自分達が私の机に書いた落書きという文字とがある事に。
そして授業後に提出した羊皮紙に書いた文字が存在していることに。
右往左往したが結局、1時間後。アンネローゼ・フォン・メイヤーの取り巻き3人の2カ月停学が決まった。
最後まで、「シュトロハイム公爵家の陰謀です」「この学院はシュトロハイム家から多額の援助を受けているから私達を追放しようとしている」などなど言い訳をしていたけど、意味はなかった。
私は、貴族学院から去っていく彼女らを見て――。
筆跡鑑定はすごいなと思いつつも。
体は幼女だけど中身はオヤジ! その実態は! 名探偵ユウティーシア! と心の中で呟いていた。
落書きされた机と停学になった人の机と交換した後、休み時間に次の授業の用意をしていると突然、教室の扉が力任せに開かれた。
そこには顔を真っ赤にしたヒロインであるアンネローゼと、私の婚約者であるクラウス様が立っており――。
「ユウティーシア・フォン・シュトロハイム! 君は、アンネローゼを傷つけた。謝罪をしてもらいたい」
――と。突然、私に向けて言ってきた。
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