公爵令嬢は結婚したくない!
不正を発見したよ
「そ、そうですか」
私はクルミさんの腕を右手で、ユーメさんの腕を左手で掴むと。購買部から出るとしばらく歩く。
誰もいないのを確認し二人の手を離した。
二人とも不思議そうな顔をしている。
「クルミさん、なるべく購買部では貴族の悪口は言わない方がいいです。貴族はプライドが高いのですから逆恨みされたら事ですよ?」
私はクルミさんを見上げながら注意をする。
「わかりました。次回から気をつけます」
10歳の子供とは思えないほど、簡単に承諾してくれたことに私は呆気に取られてしまった。
でも分かってくれるならそれでいい。
次にユーメさんの方へ向く。
「ユーメさん。前から気にはなっていたのですけど……貴族以外の方はどこで勉強をしていらっしゃるのですか?」
私の問いかけにユーメさんは目を背けてきた。
何か問題があるのだろうか?
「ユウティーシア様、ご覧になられますか?」
答えてきたのはクルミさんだった。
教えてくれるなら別に誰でもかまわないけど……。
「それでは時間もありませんし、急ぎましょう」
クルミさんを先頭に私達は廊下を歩いていく。
多目的室を越え、勉学などの資料を置く部屋に近づくに連れ不穏な空気を感じ取っていく。
そしてついた先は、小道具などを置くような部屋。
扉をあけると誰もいなかった。
窓の部分には板が張り付けてあり外からは見られないようにしてある。
照明は、魔力石を利用した照明器具。
机は40近くあるけど……。
私は、震える手を握り締めながら言葉を紡ぐ。
「クルミさん、ここでは何人ほど勉強していらっしゃいるのですか?」
私の言葉に、クルミさんは――
「80人くらいです」
――と。答えてきた。
「……そうですか。ほかの方は? 席に座れない方は?」
自分の浅はかさに苛立ってくる。
「立って勉強を……「そうですか……」……え?」
私は、お金だけ出して解決した気になっていた。
でもそれは大きな間違い。
なんて……愚かな……。
分かっていたはずなのに……前世の知識から人間はそういう存在だと言う事を……。
「クルミさん、ここに通っていらっしゃる方で、宿が決まっていてもお金に困窮されていらっしゃる方、それとまだ寮が決まって無い方は、私が管理している女子寮で受け入れますので」
私は、後ろに立っていたユーメさんの方へ視線を向ける。
彼女は視線を私から反らした。ああ……そういうことなのね。
「大丈夫ですわ、ユーメさん。あとは、私から学園長に話しておきますので。同じクラスの女生徒でしたら受け入れておいてください」
ユーメさんにそれだけ言うと、立ち去ろうとした私に――、
「ありがとうございます」
――ユーメさんとクルミさんがお礼を言ってきたけど、やめてほしい。
これは私が始めた事で、その事で誰かが居た堪れなくなるなんて……それは私の失態。
私はすぐに購買部に行き多めの食材を注文し女子寮に運んで頂くように手配をかける。
そして、貴族学園内にある馬車停留所に向かう。
馬車停留所には、貴族の子弟のための馬車がいくつも繋いである。
私は従者の方に近づく。
すると従者の方が私に気がつき、学生服をチェックしていく。
チェックする部分は、学生服の袖の縁の色。
金なら貴族。
平民なら白と規定しておいた。
だから従者の人は学生服の縁の色を見る。
「どちらまで行かれますか?」
と従者の方が聞いてくるのに頷きながら答える。
「大至急、ウラヌス公爵家までお願いします」
私の言葉に従者の方が頷いてくる。
馬車に乗ると同時に、動き出す。
10分ほどでウラヌス公爵邸の屋敷前に到着した。
「ありがとうございます。あとはこちらで対応いたしますのでお帰り頂いて結構です」
私は従者の方へ伝えお引き取りいただく。
ウラヌス公爵家の門の横2メートルほどの位置に設置されている王都警備隊詰所に近づく。
警備隊の方は、私の事をよく知っていた方だったこともあり即、館の中に通してくれた。
館の方へ歩いていくと、執事の方が館から出てきた。
「急なお越しですが、如何なさいましたか?」
私は彼を見て――。
「セバスチャン、大至急エルド・フォン・ウラヌス卿を呼んで頂けるかしら? パターン青と言えば分ってくれるはずよ?」
私が、貴族学院に出資したお金が金貨40000枚。
日本円にして4億円に達する。
そのお金を使って、80人の一般市民の方をあんな狭い場所で勉強させるなんて許さない。
学院長は徹底的に追及して退陣に追い込んでみせる。
私はクルミさんの腕を右手で、ユーメさんの腕を左手で掴むと。購買部から出るとしばらく歩く。
誰もいないのを確認し二人の手を離した。
二人とも不思議そうな顔をしている。
「クルミさん、なるべく購買部では貴族の悪口は言わない方がいいです。貴族はプライドが高いのですから逆恨みされたら事ですよ?」
私はクルミさんを見上げながら注意をする。
「わかりました。次回から気をつけます」
10歳の子供とは思えないほど、簡単に承諾してくれたことに私は呆気に取られてしまった。
でも分かってくれるならそれでいい。
次にユーメさんの方へ向く。
「ユーメさん。前から気にはなっていたのですけど……貴族以外の方はどこで勉強をしていらっしゃるのですか?」
私の問いかけにユーメさんは目を背けてきた。
何か問題があるのだろうか?
「ユウティーシア様、ご覧になられますか?」
答えてきたのはクルミさんだった。
教えてくれるなら別に誰でもかまわないけど……。
「それでは時間もありませんし、急ぎましょう」
クルミさんを先頭に私達は廊下を歩いていく。
多目的室を越え、勉学などの資料を置く部屋に近づくに連れ不穏な空気を感じ取っていく。
そしてついた先は、小道具などを置くような部屋。
扉をあけると誰もいなかった。
窓の部分には板が張り付けてあり外からは見られないようにしてある。
照明は、魔力石を利用した照明器具。
机は40近くあるけど……。
私は、震える手を握り締めながら言葉を紡ぐ。
「クルミさん、ここでは何人ほど勉強していらっしゃいるのですか?」
私の言葉に、クルミさんは――
「80人くらいです」
――と。答えてきた。
「……そうですか。ほかの方は? 席に座れない方は?」
自分の浅はかさに苛立ってくる。
「立って勉強を……「そうですか……」……え?」
私は、お金だけ出して解決した気になっていた。
でもそれは大きな間違い。
なんて……愚かな……。
分かっていたはずなのに……前世の知識から人間はそういう存在だと言う事を……。
「クルミさん、ここに通っていらっしゃる方で、宿が決まっていてもお金に困窮されていらっしゃる方、それとまだ寮が決まって無い方は、私が管理している女子寮で受け入れますので」
私は、後ろに立っていたユーメさんの方へ視線を向ける。
彼女は視線を私から反らした。ああ……そういうことなのね。
「大丈夫ですわ、ユーメさん。あとは、私から学園長に話しておきますので。同じクラスの女生徒でしたら受け入れておいてください」
ユーメさんにそれだけ言うと、立ち去ろうとした私に――、
「ありがとうございます」
――ユーメさんとクルミさんがお礼を言ってきたけど、やめてほしい。
これは私が始めた事で、その事で誰かが居た堪れなくなるなんて……それは私の失態。
私はすぐに購買部に行き多めの食材を注文し女子寮に運んで頂くように手配をかける。
そして、貴族学園内にある馬車停留所に向かう。
馬車停留所には、貴族の子弟のための馬車がいくつも繋いである。
私は従者の方に近づく。
すると従者の方が私に気がつき、学生服をチェックしていく。
チェックする部分は、学生服の袖の縁の色。
金なら貴族。
平民なら白と規定しておいた。
だから従者の人は学生服の縁の色を見る。
「どちらまで行かれますか?」
と従者の方が聞いてくるのに頷きながら答える。
「大至急、ウラヌス公爵家までお願いします」
私の言葉に従者の方が頷いてくる。
馬車に乗ると同時に、動き出す。
10分ほどでウラヌス公爵邸の屋敷前に到着した。
「ありがとうございます。あとはこちらで対応いたしますのでお帰り頂いて結構です」
私は従者の方へ伝えお引き取りいただく。
ウラヌス公爵家の門の横2メートルほどの位置に設置されている王都警備隊詰所に近づく。
警備隊の方は、私の事をよく知っていた方だったこともあり即、館の中に通してくれた。
館の方へ歩いていくと、執事の方が館から出てきた。
「急なお越しですが、如何なさいましたか?」
私は彼を見て――。
「セバスチャン、大至急エルド・フォン・ウラヌス卿を呼んで頂けるかしら? パターン青と言えば分ってくれるはずよ?」
私が、貴族学院に出資したお金が金貨40000枚。
日本円にして4億円に達する。
そのお金を使って、80人の一般市民の方をあんな狭い場所で勉強させるなんて許さない。
学院長は徹底的に追及して退陣に追い込んでみせる。
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