公爵令嬢は結婚したくない!
一度、信頼を失ったら取り戻すのは大変なんですよ?
私の言葉にウラヌス卿は歯ぎしりして――。
「分かった。取引に応じよう……」
私は、ニコリと微笑みながらも火球を上空に維持したまま頷く。
「それでは、私からの要望は……「待ってくれ! それは国王陛下と話をしてもらいたい」……別にいいですけど? でも、私の要望は変わりませんよ?」
私の言葉にウラヌス卿は頷いてくる。
そして、ウラヌス卿の指示の元、腰を抜かした貴族や魔法師は道端に移動させられていき馬車が近づいてくる。
目の前に停まった馬車に、ウラヌス卿は乗り込むと――。
「馬車に乗ってくれ。王城まで案内しよう」
――と。私に告げてきた。
私には頷くと、そのまま馬車に乗る。
そして反対側の席に座る。
すると馬車の扉が閉められる。
それと同時に馬車は走りだした。
「それで……ユウティーシア嬢。上空の魔法は解除してもらえないのかな?」
ウラヌス卿は、強張った顔をしたまま私に話しかけてくるけど。
私は、ウラヌス卿の顔を見て――。
「知っていますか? 一度、信頼を失ったら得られるまで時間が掛ると言う事を今の私ならあれを常時維持しておくくらい可能です」
お父様の治療を受けてから、無駄な魔力消費が減ってからなのか下級魔法の維持がかなり楽になっている。
上空に存在している火の玉を維持しておくくらいお手の物。
ウラヌス卿の表情は、こんなはずではという顔をしているけど……。
「そうそう、ウラヌス卿。つかぬ事を、お聞きしたいのですが……貴族学院の妖精さん達の事ですけど、もしかしてあれもケットシ―と同じ理由ですか?」
私の言葉に、ウラヌス卿は否定的な意味合いを込めて頭を振りながら口を開く。
「それは違う。ケットシ―以外は普通の妖精だろう。まぁ純粋な妖精かと言えば知らないが……」
私は、ウラヌス卿の言葉を聞いて、ホッと安心した。
つまり、ケットシ―以外は普通の妖精さんの可能性があると言う事だ。
それは良かった。
全部が仕組まれていたら人間不信だけじゃなくて妖精さん不信にもなりかねない大事態でした。
「そうですか。それはよかったです。下手したら今日でリースノット王国が消えていたかも知れなかったですね」
私は冗談気味に、ウラヌス卿へ笑いかける。
するとウラヌス卿は、顔を引き攣らせて、「あ、ああ。本当によかった」と私の冗談に付き合ってくださった。
そうして和気あいあいと話しをしている内に、馬車は王城へ到着した。
王城へ到着後、私は馬車から下りる。
そしてウラヌス卿が下りてきた後、ウラヌス卿は王城の中に入り歩きだした。
私はその後をついていく。
城内は、騎士達や魔法師達が慌ただしく走っている。
文官なども、いつもと違い通路で話しあっている。
誰もが王城上空に出現した巨大な火球であるファイアーボールを見上げて、噂をしていた。
私とウラヌス卿は、彼らを横目に見ながら王城内を歩き、執務室の前に到着した。
執務室の前には魔法師、小衛騎士を含めて20人近くが扉を護衛している。
まったく何を無駄な事をと私は思う。
上空に存在している熱量1000度近いファイアーボールが地面に着弾した時点で、王都は炎上し呼吸すら出来ずに全ての生物は死に耐えるというのに、何をしたいのか分からない。
私なら結界を幾つも展開して、ひたすら耐える。
そうしないと生きられないから。
でもそんなので耐えられるのはせいぜい数十人に過ぎない。
だから、上空のファイアーボールが着弾した時点で、この国はおしまい。
本当にひどい方法ですね。
国を丸ごと人質に取るなんてそんな事を実行できる人とか正気を疑ってしまいます。
そして、私が考えている間にも執務室の扉は開いていく。
そこには、リースノット王国の国王陛下であるグルガード国王陛下が、焦燥感を滲ませた顔で、私を見てきていた。
私は国王陛下を見た後に、カーテシーをしながら言葉を紡ぐ。
「おひさしぶりです。グルガード国王陛下。ユウティーシア・フォン・シュトロハイムです。只今、馳せ参じました。さて、ゆっくりとお話しをいたしましょう」
「分かった。取引に応じよう……」
私は、ニコリと微笑みながらも火球を上空に維持したまま頷く。
「それでは、私からの要望は……「待ってくれ! それは国王陛下と話をしてもらいたい」……別にいいですけど? でも、私の要望は変わりませんよ?」
私の言葉にウラヌス卿は頷いてくる。
そして、ウラヌス卿の指示の元、腰を抜かした貴族や魔法師は道端に移動させられていき馬車が近づいてくる。
目の前に停まった馬車に、ウラヌス卿は乗り込むと――。
「馬車に乗ってくれ。王城まで案内しよう」
――と。私に告げてきた。
私には頷くと、そのまま馬車に乗る。
そして反対側の席に座る。
すると馬車の扉が閉められる。
それと同時に馬車は走りだした。
「それで……ユウティーシア嬢。上空の魔法は解除してもらえないのかな?」
ウラヌス卿は、強張った顔をしたまま私に話しかけてくるけど。
私は、ウラヌス卿の顔を見て――。
「知っていますか? 一度、信頼を失ったら得られるまで時間が掛ると言う事を今の私ならあれを常時維持しておくくらい可能です」
お父様の治療を受けてから、無駄な魔力消費が減ってからなのか下級魔法の維持がかなり楽になっている。
上空に存在している火の玉を維持しておくくらいお手の物。
ウラヌス卿の表情は、こんなはずではという顔をしているけど……。
「そうそう、ウラヌス卿。つかぬ事を、お聞きしたいのですが……貴族学院の妖精さん達の事ですけど、もしかしてあれもケットシ―と同じ理由ですか?」
私の言葉に、ウラヌス卿は否定的な意味合いを込めて頭を振りながら口を開く。
「それは違う。ケットシ―以外は普通の妖精だろう。まぁ純粋な妖精かと言えば知らないが……」
私は、ウラヌス卿の言葉を聞いて、ホッと安心した。
つまり、ケットシ―以外は普通の妖精さんの可能性があると言う事だ。
それは良かった。
全部が仕組まれていたら人間不信だけじゃなくて妖精さん不信にもなりかねない大事態でした。
「そうですか。それはよかったです。下手したら今日でリースノット王国が消えていたかも知れなかったですね」
私は冗談気味に、ウラヌス卿へ笑いかける。
するとウラヌス卿は、顔を引き攣らせて、「あ、ああ。本当によかった」と私の冗談に付き合ってくださった。
そうして和気あいあいと話しをしている内に、馬車は王城へ到着した。
王城へ到着後、私は馬車から下りる。
そしてウラヌス卿が下りてきた後、ウラヌス卿は王城の中に入り歩きだした。
私はその後をついていく。
城内は、騎士達や魔法師達が慌ただしく走っている。
文官なども、いつもと違い通路で話しあっている。
誰もが王城上空に出現した巨大な火球であるファイアーボールを見上げて、噂をしていた。
私とウラヌス卿は、彼らを横目に見ながら王城内を歩き、執務室の前に到着した。
執務室の前には魔法師、小衛騎士を含めて20人近くが扉を護衛している。
まったく何を無駄な事をと私は思う。
上空に存在している熱量1000度近いファイアーボールが地面に着弾した時点で、王都は炎上し呼吸すら出来ずに全ての生物は死に耐えるというのに、何をしたいのか分からない。
私なら結界を幾つも展開して、ひたすら耐える。
そうしないと生きられないから。
でもそんなので耐えられるのはせいぜい数十人に過ぎない。
だから、上空のファイアーボールが着弾した時点で、この国はおしまい。
本当にひどい方法ですね。
国を丸ごと人質に取るなんてそんな事を実行できる人とか正気を疑ってしまいます。
そして、私が考えている間にも執務室の扉は開いていく。
そこには、リースノット王国の国王陛下であるグルガード国王陛下が、焦燥感を滲ませた顔で、私を見てきていた。
私は国王陛下を見た後に、カーテシーをしながら言葉を紡ぐ。
「おひさしぶりです。グルガード国王陛下。ユウティーシア・フォン・シュトロハイムです。只今、馳せ参じました。さて、ゆっくりとお話しをいたしましょう」
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