ヘタレ魔法学生の俺に、四人も美少女が寄ってくるなんてあり得ない!
学園祭の準備はワクワクである
「今日から準備期間か……」
「ああ。女子と大っぴらに触れ合えるチャンスだな」
井藤。間違っちゃいないが何かを勘違いしてるな。
「今日は夜まで備品の搬入。そして看板作りか」
「男子は軒並み備品に回されるだろうよ……」
だって男だもの。_______あまみや。
……どっかの詩人みたいになった。まあ良いや。
「そのショーケースそっちね。ガラスだから落とさないでよ。落としたらタイキック」
「タイキックだなんてひでえ事言いやがる。……パンツ見えるかもしんないから良いかな」
「井藤、お前ってヤツは!」
 欲望の塊かよコイツは!
俺達がショーケースを搬入し、一休みしていると、
「えっと、君が雨宮君で良いんだっけ?」
金髪碧眼の美少女。誰あろう彼女は現在クラス内で人気上昇中のイギリス人魔導師エマ・クリハラさんだ。
「ん?ああ。俺が雨宮だよ。雨宮暁。個別だと初めましてかな?」
「うん。初めまして。前にも言ったけど、私はエマ・クリハラ。気軽にエマって呼んでよ」
……実質初対面の子を呼び捨てとかめっちゃハードル高いんですけど。
「あー、エマ。どうしたの?女子は向こうで飾り付けじゃなかった?」
「男手が欲しいから、雨宮君に連れてきてって」
「男手なら俺でも良いじゃん!いつでもウェルカム!」
「……井藤君は、下心見え見えだからやめとけって言われたんだけど……」
燃え尽きたボクサーみたいに真っ白になる井藤。エマって笑顔でしれっと毒吐くタイプか。
「……分かった。なるべく邪魔しないように協力するよ」
「ありがとう!」
金髪の子って笑うと皆かわいいのかな。
「おー。雨宮来たよ」
「助かったよ。何せ女子だけじゃ力仕事がはかどらないしね」
やっぱり力仕事要員かよチクショウ。いや、分かってて受けたんだけどね。
「で、どうよエマ。雨宮と二人っきりは」
「え?雨宮君と?うーん……。特に何とも」
俺と二人っきり?何で?どう思われてるんだ俺って……。
「雨宮君。そっちの教卓どかしてくれる?」
「オッケー。よい……っしょ。この辺かな?」
「うん。その辺でオッケー。あとは……そこの机全部お願い」
うへ……。超重労働じゃん。
俺は早くもゲンナリしつつ、机を運び出した。
「お、終わった……」
腰が……腰が爆発する……。
四十個のうち十二個くらい異様に重いの無かったか?
「お疲れ様。自販機でお茶買ってきたから、置いとくよ?」
「た、助かる……」
気配り出来る子って素晴らしい。こういう人が将来立派な紳士淑女になるんだろうね。
「……雨宮君ってさ、先輩に告白されたんだって?」
なぜそれを知っている!?あなたまさか某国の諜報機関さんですか?
「九条さんから聞いたんだよ。で、どうなったの?」
「えっと、とりあえず友達から始めましょうって事になった」
これ、優柔不断の回答な。
「へえ。……四人の人から好かれるなんて、モテモテだね!」
「いや、意外と疲れるよ。そう言うエマはモテたりしなかったのか?」
何かこう……可愛いしね。
「うーん……。向こうじゃ大人しいタイプだったし、あんまりね」
イギリス人って皆こういう感じなのかな。何か日本人みたいだ。シャイなところが。
「ん?エマのフルネームって『エマ・クリハラ』だよな?日系イギリス人とか?」
「ああ、それ?お父さんが日本人で、お母さんが日系イギリス人らしいけど」
結構日本と縁があったりするのか。
「母方のお祖父ちゃんがイギリス人で、お祖母ちゃんが日本人。お母さんは日本人の血が入ってるんだけど、生まれてこの方イギリス暮らしなんだって」
あれか。日本人だけど母国語が喋れない……で合ってるのか?
「私はイギリス国籍。その内日本国籍取るかもしれないけど」
「何だっけ。永住権だけだと色々制限があるんだろ?」
「そうそう。選挙とかね。それも考えて日本国籍にしようかなって」
色々大変なんだなあ。
そんな事を考えつつ、俺は教室に戻った。
「ああ。女子と大っぴらに触れ合えるチャンスだな」
井藤。間違っちゃいないが何かを勘違いしてるな。
「今日は夜まで備品の搬入。そして看板作りか」
「男子は軒並み備品に回されるだろうよ……」
だって男だもの。_______あまみや。
……どっかの詩人みたいになった。まあ良いや。
「そのショーケースそっちね。ガラスだから落とさないでよ。落としたらタイキック」
「タイキックだなんてひでえ事言いやがる。……パンツ見えるかもしんないから良いかな」
「井藤、お前ってヤツは!」
 欲望の塊かよコイツは!
俺達がショーケースを搬入し、一休みしていると、
「えっと、君が雨宮君で良いんだっけ?」
金髪碧眼の美少女。誰あろう彼女は現在クラス内で人気上昇中のイギリス人魔導師エマ・クリハラさんだ。
「ん?ああ。俺が雨宮だよ。雨宮暁。個別だと初めましてかな?」
「うん。初めまして。前にも言ったけど、私はエマ・クリハラ。気軽にエマって呼んでよ」
……実質初対面の子を呼び捨てとかめっちゃハードル高いんですけど。
「あー、エマ。どうしたの?女子は向こうで飾り付けじゃなかった?」
「男手が欲しいから、雨宮君に連れてきてって」
「男手なら俺でも良いじゃん!いつでもウェルカム!」
「……井藤君は、下心見え見えだからやめとけって言われたんだけど……」
燃え尽きたボクサーみたいに真っ白になる井藤。エマって笑顔でしれっと毒吐くタイプか。
「……分かった。なるべく邪魔しないように協力するよ」
「ありがとう!」
金髪の子って笑うと皆かわいいのかな。
「おー。雨宮来たよ」
「助かったよ。何せ女子だけじゃ力仕事がはかどらないしね」
やっぱり力仕事要員かよチクショウ。いや、分かってて受けたんだけどね。
「で、どうよエマ。雨宮と二人っきりは」
「え?雨宮君と?うーん……。特に何とも」
俺と二人っきり?何で?どう思われてるんだ俺って……。
「雨宮君。そっちの教卓どかしてくれる?」
「オッケー。よい……っしょ。この辺かな?」
「うん。その辺でオッケー。あとは……そこの机全部お願い」
うへ……。超重労働じゃん。
俺は早くもゲンナリしつつ、机を運び出した。
「お、終わった……」
腰が……腰が爆発する……。
四十個のうち十二個くらい異様に重いの無かったか?
「お疲れ様。自販機でお茶買ってきたから、置いとくよ?」
「た、助かる……」
気配り出来る子って素晴らしい。こういう人が将来立派な紳士淑女になるんだろうね。
「……雨宮君ってさ、先輩に告白されたんだって?」
なぜそれを知っている!?あなたまさか某国の諜報機関さんですか?
「九条さんから聞いたんだよ。で、どうなったの?」
「えっと、とりあえず友達から始めましょうって事になった」
これ、優柔不断の回答な。
「へえ。……四人の人から好かれるなんて、モテモテだね!」
「いや、意外と疲れるよ。そう言うエマはモテたりしなかったのか?」
何かこう……可愛いしね。
「うーん……。向こうじゃ大人しいタイプだったし、あんまりね」
イギリス人って皆こういう感じなのかな。何か日本人みたいだ。シャイなところが。
「ん?エマのフルネームって『エマ・クリハラ』だよな?日系イギリス人とか?」
「ああ、それ?お父さんが日本人で、お母さんが日系イギリス人らしいけど」
結構日本と縁があったりするのか。
「母方のお祖父ちゃんがイギリス人で、お祖母ちゃんが日本人。お母さんは日本人の血が入ってるんだけど、生まれてこの方イギリス暮らしなんだって」
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「何だっけ。永住権だけだと色々制限があるんだろ?」
「そうそう。選挙とかね。それも考えて日本国籍にしようかなって」
色々大変なんだなあ。
そんな事を考えつつ、俺は教室に戻った。
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