俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい
大会の前に
あたし小野田美沙は今日県内の武道館に来ている。バスケ部員のあたしには無縁の場所だが何故来ているのかというと、仁がここの武道館で行われる弓道大会に出場するのでその応援のためだ。
仁は本当に不思議な人だ。あれだけの美しさを持ちながら、私達のような女にも優しくしてくれる。そんな仁に大会に誘われたんだ。来ないわけには行かないだろう。
「うわぁ、人がいっぱいですね〜。仁くんはどこでしょうか」
あたしの横でキョロキョロしてるこいつは神崎莉央、あたしの友達だ。
莉央は最近仁ととても仲が良い。毎日一緒に帰ってるという。羨ましすぎる。
「さ、あたしたちは観客席に行くよ。なんでも最前列に仁の家族の人たちが場所取りをしてくれてるらしい。私達が来ることは知ってるはずだから、挨拶してお邪魔しに行くよ」
「うっ...緊張します」
会場の案内に従ってあたし達は観客席に着いた。さて、仁の家族は...,
「お母さん、お兄ちゃんの勇姿を記録するためのカメラは準備した!?」
「ふふっばっちりだよ心愛ちゃん、任せて。ジンちゃんのかっこい〜い姿は映像媒体として世に残す必要があるんだから!帰ったら皆んなで鑑賞会しましょう!」
「さすがね母さん。あ〜早く仁でてこないかな」
....あれだな。最前列に一際声が大きい3人組の女性達。仁の家族だけあって皆んな美形だ。
「ふぅ...よ、よし行くよ莉央」
「は、はい!」
何故かすごく緊張する。一度息を吐き、ガチガチになってる莉央を連れて仁の家族の元へ向かう。
「あの、すいません」
「それでねお兄ちゃんの袴姿を.....あなたは?」
うっ...それまで楽しそうに話してた美少女が声をかけた瞬間鋭くこちらを見てくる。
「あ、あたしは仁のクラスメイトの小野田美沙と言います」
「私はっ、仁くんのクラスメイトの神崎莉央と申します!仁くんにはいつもお世話になってます!」
チラッと3人を見ると、無言でこちらを品定めしてるみたいな鋭い目をしている。怖いな...。
「へぇ...あなたたちが。呼び方も『仁』に『仁くん』か。ふーん....」
「話は聞いてるよ。ジンちゃんと仲良いみたいだね、まあ立ち話もなんだし座りなよ」
仁の家族怖い。どちらも笑顔だけど目が笑ってないよ。
「し、失礼します」
あたしと莉央は仁の家族に挟まれるようにして座る。
「あなたが莉央ちゃんかあ。よくお兄ちゃんが話題に出すんだよね。...へぇ綺麗な髪してるんだね」
1番年下の恐らく妹の心愛ちゃんが、無表情で莉央の髪を撫でながら言う。...この子中学生だよね?迫力がすごいんだけど。
莉央なんかビクビクしてもう泣きそうじゃん!許してあげて!
「ふぁ、ふぁい!仁くんはこんな私にもとても優しくしてきゅれて、いっぱい良い人でしゅ!あんな素敵な男性、今後一切生まれ落ちることはないでしゅ!」
噛むし日本語おかしいし、莉央あんたやばいよ!
「「「.....」」」
3人無言やめてぇえええ!莉央これやらかしちゃったんじゃないの?私達、こ、殺されるのか?あたしが戦慄していると、
「あなた....」
「ふぁ、ふぁいっ!」
「わかってるじゃない!」
「...ほぇ?」
えっ?あたしたち殺されないのか?
多分仁の姉の茄林さんが、笑顔で莉央の背中を叩く。機嫌がよさそうだ。
「そう、仁ほどの男なんてこれまでもこれから先も生まれないの。仁は奇跡の結晶。私達女の希望を凝縮させたのが、仁という天使よ。それが分かってるとはあなた中々見込みが良いわね」
「あ、ありがとうございます!」
なん...だと!?莉央が茄林さんに気に入られただと?
2人は仲よさそうに仁について語り始めた。
「それで、あなたが美沙さんね?」
仁のお母さんらしき人があたしに言ってくる。うっ、ついにあたしにも話が回ってきたか。
「は、はい」
「ジンちゃんのことについてどう思ってるのかな?」
いきなりか...。莉央みたいに気に入られたいが、嘘をついても仕方ないだろうな。正直に言おうか。
「それは...正直分からないです」
「....分からない?」
「はい。今までも男性は何人も見てきましたが、仁はどの男性とも全然違います。かっこいいし、紳士的で優しいし、笑顔をいつも向けてくれるし、何より一緒にいて心地良いです。あたしは仁を見てると何故か胸がキュンとしてしまうんですが、この感情が何なのか分かりません。愛情なのか友情なのか親情なのか。でも、他の男性では絶対に覚えない感情を仁に抱いてるのは確実です」
よ、よし上手くまとめられてないけどなんとか言い切った。
「....なるほど、ね」
「.....」
何か思案するような仁のお母さん。うぅ...失敗したかな。
「うん、あなたは良いね」
「えっ?」
「ジンちゃんは男の子でしょ?ただ男の子ってだけで、自分のステータスの為に寄っていく女が良くいるんだよ。ましてやジンちゃんのあの美貌。女が寄ってこない方がおかしいよね。だから私はジンちゃんに「男の子だから」という理由で寄ってくる女は絶対許さないけど、あなたみたいに「ジンちゃんだから」というジンちゃん個人のことをちゃんと想ってくれる人は許容しようと思っていたの。うん、美沙ちゃんはその点大丈夫だよ」
「ありがとうございます...」
なるほど、そんな考えを....。
仁の家族は怖い人たちばっかりかと思ってたけど、そんなことはないみたいだ。みんな仁のことをきちんと想って考えて行動してる。とても良い人たちだ。
この人たちとはもっと仲良くなりたい。
あたしと莉央は大会が始まるまで、仁の家族と会話を楽しむのだった。
仁は本当に不思議な人だ。あれだけの美しさを持ちながら、私達のような女にも優しくしてくれる。そんな仁に大会に誘われたんだ。来ないわけには行かないだろう。
「うわぁ、人がいっぱいですね〜。仁くんはどこでしょうか」
あたしの横でキョロキョロしてるこいつは神崎莉央、あたしの友達だ。
莉央は最近仁ととても仲が良い。毎日一緒に帰ってるという。羨ましすぎる。
「さ、あたしたちは観客席に行くよ。なんでも最前列に仁の家族の人たちが場所取りをしてくれてるらしい。私達が来ることは知ってるはずだから、挨拶してお邪魔しに行くよ」
「うっ...緊張します」
会場の案内に従ってあたし達は観客席に着いた。さて、仁の家族は...,
「お母さん、お兄ちゃんの勇姿を記録するためのカメラは準備した!?」
「ふふっばっちりだよ心愛ちゃん、任せて。ジンちゃんのかっこい〜い姿は映像媒体として世に残す必要があるんだから!帰ったら皆んなで鑑賞会しましょう!」
「さすがね母さん。あ〜早く仁でてこないかな」
....あれだな。最前列に一際声が大きい3人組の女性達。仁の家族だけあって皆んな美形だ。
「ふぅ...よ、よし行くよ莉央」
「は、はい!」
何故かすごく緊張する。一度息を吐き、ガチガチになってる莉央を連れて仁の家族の元へ向かう。
「あの、すいません」
「それでねお兄ちゃんの袴姿を.....あなたは?」
うっ...それまで楽しそうに話してた美少女が声をかけた瞬間鋭くこちらを見てくる。
「あ、あたしは仁のクラスメイトの小野田美沙と言います」
「私はっ、仁くんのクラスメイトの神崎莉央と申します!仁くんにはいつもお世話になってます!」
チラッと3人を見ると、無言でこちらを品定めしてるみたいな鋭い目をしている。怖いな...。
「へぇ...あなたたちが。呼び方も『仁』に『仁くん』か。ふーん....」
「話は聞いてるよ。ジンちゃんと仲良いみたいだね、まあ立ち話もなんだし座りなよ」
仁の家族怖い。どちらも笑顔だけど目が笑ってないよ。
「し、失礼します」
あたしと莉央は仁の家族に挟まれるようにして座る。
「あなたが莉央ちゃんかあ。よくお兄ちゃんが話題に出すんだよね。...へぇ綺麗な髪してるんだね」
1番年下の恐らく妹の心愛ちゃんが、無表情で莉央の髪を撫でながら言う。...この子中学生だよね?迫力がすごいんだけど。
莉央なんかビクビクしてもう泣きそうじゃん!許してあげて!
「ふぁ、ふぁい!仁くんはこんな私にもとても優しくしてきゅれて、いっぱい良い人でしゅ!あんな素敵な男性、今後一切生まれ落ちることはないでしゅ!」
噛むし日本語おかしいし、莉央あんたやばいよ!
「「「.....」」」
3人無言やめてぇえええ!莉央これやらかしちゃったんじゃないの?私達、こ、殺されるのか?あたしが戦慄していると、
「あなた....」
「ふぁ、ふぁいっ!」
「わかってるじゃない!」
「...ほぇ?」
えっ?あたしたち殺されないのか?
多分仁の姉の茄林さんが、笑顔で莉央の背中を叩く。機嫌がよさそうだ。
「そう、仁ほどの男なんてこれまでもこれから先も生まれないの。仁は奇跡の結晶。私達女の希望を凝縮させたのが、仁という天使よ。それが分かってるとはあなた中々見込みが良いわね」
「あ、ありがとうございます!」
なん...だと!?莉央が茄林さんに気に入られただと?
2人は仲よさそうに仁について語り始めた。
「それで、あなたが美沙さんね?」
仁のお母さんらしき人があたしに言ってくる。うっ、ついにあたしにも話が回ってきたか。
「は、はい」
「ジンちゃんのことについてどう思ってるのかな?」
いきなりか...。莉央みたいに気に入られたいが、嘘をついても仕方ないだろうな。正直に言おうか。
「それは...正直分からないです」
「....分からない?」
「はい。今までも男性は何人も見てきましたが、仁はどの男性とも全然違います。かっこいいし、紳士的で優しいし、笑顔をいつも向けてくれるし、何より一緒にいて心地良いです。あたしは仁を見てると何故か胸がキュンとしてしまうんですが、この感情が何なのか分かりません。愛情なのか友情なのか親情なのか。でも、他の男性では絶対に覚えない感情を仁に抱いてるのは確実です」
よ、よし上手くまとめられてないけどなんとか言い切った。
「....なるほど、ね」
「.....」
何か思案するような仁のお母さん。うぅ...失敗したかな。
「うん、あなたは良いね」
「えっ?」
「ジンちゃんは男の子でしょ?ただ男の子ってだけで、自分のステータスの為に寄っていく女が良くいるんだよ。ましてやジンちゃんのあの美貌。女が寄ってこない方がおかしいよね。だから私はジンちゃんに「男の子だから」という理由で寄ってくる女は絶対許さないけど、あなたみたいに「ジンちゃんだから」というジンちゃん個人のことをちゃんと想ってくれる人は許容しようと思っていたの。うん、美沙ちゃんはその点大丈夫だよ」
「ありがとうございます...」
なるほど、そんな考えを....。
仁の家族は怖い人たちばっかりかと思ってたけど、そんなことはないみたいだ。みんな仁のことをきちんと想って考えて行動してる。とても良い人たちだ。
この人たちとはもっと仲良くなりたい。
あたしと莉央は大会が始まるまで、仁の家族と会話を楽しむのだった。
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