俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい
入り待ち
「そういえば仁昨日部活来なかったよね?どうしたの?」
「え〜休んだんですか〜?」
「あぁ〜、実は昨日学校を欠席しまして」
「えっ!そうなんだ。体調不良か何か?」
「えーと...そんな感じ、です」
俺は今二年生3人組の先輩方と登校している最中である。主に俺とすみれ先輩が会話をして合間合間に中川先輩が相槌を挟んでくるといったパターンが構築されている。ちなみに田島先輩は俺の顔を見ては顔を赤くさせて足をモジモジさせている。
仲良し3人組に割り入って話すのも悪いと思ったのだが、3人とも気にするなと言ってくれたのでこうして輪に入っているのだ。
「それにしてもスポ男の仁、無茶苦茶カッコ良かったよ!あれは人気出ると思うな〜」
「私も拝見しました〜さすが前原さんって感じですね〜」
2人が頬を赤らめながらそんな嬉しい事を言ってくれた。
「ありがとうございます」
こっちの世界に来てからは褒められる事が多くなったのだが、それでも美少女に持ち上げられるのはまだ少し照れてしまう。
ダメだな、もっと精進しなければ。
俺がそう意気込んでいると、
「あっ!!そういえば仁は学校に来てないから知らないかもしれないけど、昨日仁目当ての人達が朝校門に集まってたんだよ?」
すみれ先輩が突然何かを思い出したようにポンと手を叩くと、人差し指を立てながらそう言った。
....何ですと?
「えっ?そうだったんですか?」
「十数人ほど来ていましたね〜」
俺の驚きに中川先輩が返す。
田島先輩は「あのミーハー共....!」と憎らしげに呟いているが取り敢えず放置させてくれ。
...しかし、学校に来るか。いや、ちょっと考えればすぐに分かることか。スポ男には『春蘭高校の生徒である』と明記されていたし俺ほどの美少年がいる高校に訪れる事は想像に難くない。むしろ訪れない方が不自然と言えるほどだ。俺とした事がそんな事も想定できていなかったとは...。
「今日も来てるんじゃないかな〜。でも昨日車で8時間かけて来たって言ってた人もいたから仁が昨日休んじゃったのはちょっと気の毒だねー」
なに?車で8時間って...凄い執念だな。
だがそれよりも、それだけの時間を掛けて来たのに本人が欠席だったのか...。ちょっと...いや、かなり申し訳ない気持ちになってくる。
「それは...何というか申し訳ないです...」
先輩方に謝るのはお門違いだと頭の中では理解しながらもこう言うしかない。罪悪感を自らの中に押し込めるよりはこうして口から形として出してあげた方が少しは気が楽になる、気がする。
「あっ!ごめんね!仁を責めてるわけじゃないんだよ?」
「あぁこちらこそ気を使わせてすみません。仕方ないことですよね」
「そうそう!」
さてさて、そんな会話をしている間に段々と学校に近づいて来た。
いつも通りの並木道を4人で歩く。
そろそろ校門を確認できる位置に来たので、少し緊張しつつ目を向けてみる。
....いる。
遠目からでも春蘭高校の制服ではなく私服や他校の制服を着ている人達が20人ほど校門付近で屯している。
「今日も沢山いらっしゃいますね〜」
「ハイエナ共め....!」
中川先輩はあらあらと手を頬に当てながら微笑む。相変わらずおっとりしてますね。
田島先輩は何故かさっきから辛辣だな!新参者には厳しいタイプなのかもしれない。
「じゃあ先輩方ここらへんで失礼します。僕と一緒にいると皆さんまで騒ぎに巻き込んでしまうのかもしれないので」
校門まであと数十メートルという距離で俺は先輩方にそう提案する。20人とは結構な数でありその人数に囲まれてしまうと身動きが取れなくなってしまうのだ。それが先輩方にまで及ぶのはダメだろう。
「...あー、そっか仕方ないよね。じゃあまた部活でね」
「それは納得です〜。では私達は失礼しますね」
「...うぅ...わかった」
3人は概ね残念そうにしながらもそう言ってくれた。先輩方と早く別れるのは心惜しいが、ファン達を無下にするわけにもいかないのだ。
3人の先輩方が先に学校に向かっていく。
俺は少し待機だ。
....よし、もういいかな。俺も行こう。
先輩方が校門に入っていくのを確認した俺は、また歩を進め始める。
ヤバイ無茶苦茶緊張する。実物を見てガッカリされたらどうしよう。俺はどういう顔をして校門に行けばいいんだ?素知らぬ様子で行くのか、それとも笑顔で手を振りながら行けばいいのか?
前世でこんなたくさんのファンがいた経験なんてないから、対応の仕方が分からない。
俺は一般人なのだ。
臆しつつ少し足を小刻みに震わしながら歩く。
そしてついに校門まであと10数メートルといったところまで来た。
すると、
「...ねぇ、超絶美少年が向かって来てない?」「....あ、あれ?来た?前原くん来た?」「あぁ...間違いない...後光が見えるあのお方は仁様」「来たぁあああ!」「ふぉおおおおお!!」「ぼぇえええええ!!!」「ぉえぇえええええッ!!」
各々のお言葉が聞こえて来た。
ヤベェ叫びも耳に届くけど聞かなかったことにする。あと最後の人吐いてない?大丈夫?
...行きますか。
「え〜休んだんですか〜?」
「あぁ〜、実は昨日学校を欠席しまして」
「えっ!そうなんだ。体調不良か何か?」
「えーと...そんな感じ、です」
俺は今二年生3人組の先輩方と登校している最中である。主に俺とすみれ先輩が会話をして合間合間に中川先輩が相槌を挟んでくるといったパターンが構築されている。ちなみに田島先輩は俺の顔を見ては顔を赤くさせて足をモジモジさせている。
仲良し3人組に割り入って話すのも悪いと思ったのだが、3人とも気にするなと言ってくれたのでこうして輪に入っているのだ。
「それにしてもスポ男の仁、無茶苦茶カッコ良かったよ!あれは人気出ると思うな〜」
「私も拝見しました〜さすが前原さんって感じですね〜」
2人が頬を赤らめながらそんな嬉しい事を言ってくれた。
「ありがとうございます」
こっちの世界に来てからは褒められる事が多くなったのだが、それでも美少女に持ち上げられるのはまだ少し照れてしまう。
ダメだな、もっと精進しなければ。
俺がそう意気込んでいると、
「あっ!!そういえば仁は学校に来てないから知らないかもしれないけど、昨日仁目当ての人達が朝校門に集まってたんだよ?」
すみれ先輩が突然何かを思い出したようにポンと手を叩くと、人差し指を立てながらそう言った。
....何ですと?
「えっ?そうだったんですか?」
「十数人ほど来ていましたね〜」
俺の驚きに中川先輩が返す。
田島先輩は「あのミーハー共....!」と憎らしげに呟いているが取り敢えず放置させてくれ。
...しかし、学校に来るか。いや、ちょっと考えればすぐに分かることか。スポ男には『春蘭高校の生徒である』と明記されていたし俺ほどの美少年がいる高校に訪れる事は想像に難くない。むしろ訪れない方が不自然と言えるほどだ。俺とした事がそんな事も想定できていなかったとは...。
「今日も来てるんじゃないかな〜。でも昨日車で8時間かけて来たって言ってた人もいたから仁が昨日休んじゃったのはちょっと気の毒だねー」
なに?車で8時間って...凄い執念だな。
だがそれよりも、それだけの時間を掛けて来たのに本人が欠席だったのか...。ちょっと...いや、かなり申し訳ない気持ちになってくる。
「それは...何というか申し訳ないです...」
先輩方に謝るのはお門違いだと頭の中では理解しながらもこう言うしかない。罪悪感を自らの中に押し込めるよりはこうして口から形として出してあげた方が少しは気が楽になる、気がする。
「あっ!ごめんね!仁を責めてるわけじゃないんだよ?」
「あぁこちらこそ気を使わせてすみません。仕方ないことですよね」
「そうそう!」
さてさて、そんな会話をしている間に段々と学校に近づいて来た。
いつも通りの並木道を4人で歩く。
そろそろ校門を確認できる位置に来たので、少し緊張しつつ目を向けてみる。
....いる。
遠目からでも春蘭高校の制服ではなく私服や他校の制服を着ている人達が20人ほど校門付近で屯している。
「今日も沢山いらっしゃいますね〜」
「ハイエナ共め....!」
中川先輩はあらあらと手を頬に当てながら微笑む。相変わらずおっとりしてますね。
田島先輩は何故かさっきから辛辣だな!新参者には厳しいタイプなのかもしれない。
「じゃあ先輩方ここらへんで失礼します。僕と一緒にいると皆さんまで騒ぎに巻き込んでしまうのかもしれないので」
校門まであと数十メートルという距離で俺は先輩方にそう提案する。20人とは結構な数でありその人数に囲まれてしまうと身動きが取れなくなってしまうのだ。それが先輩方にまで及ぶのはダメだろう。
「...あー、そっか仕方ないよね。じゃあまた部活でね」
「それは納得です〜。では私達は失礼しますね」
「...うぅ...わかった」
3人は概ね残念そうにしながらもそう言ってくれた。先輩方と早く別れるのは心惜しいが、ファン達を無下にするわけにもいかないのだ。
3人の先輩方が先に学校に向かっていく。
俺は少し待機だ。
....よし、もういいかな。俺も行こう。
先輩方が校門に入っていくのを確認した俺は、また歩を進め始める。
ヤバイ無茶苦茶緊張する。実物を見てガッカリされたらどうしよう。俺はどういう顔をして校門に行けばいいんだ?素知らぬ様子で行くのか、それとも笑顔で手を振りながら行けばいいのか?
前世でこんなたくさんのファンがいた経験なんてないから、対応の仕方が分からない。
俺は一般人なのだ。
臆しつつ少し足を小刻みに震わしながら歩く。
そしてついに校門まであと10数メートルといったところまで来た。
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コメント
ショウ
ジャイアンとキーボード少年と吐いてる人がいる