デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか【凍結】

決事

22 ルール確認は大切です

お腹いっぱい食べ過ぎたあと、学び舎兼寮を出たところにある平地へやって来ていた。
本当にまっさらで、そこかしこに短い木の枝や小石、枯れ葉が転がっている。
ここで、運動をするらしい。
なんでも、先生が生徒のために心を込めて草を抜いたり平らにしたりしたとか。
「はーい。こっち向け、お前ら」
パンパンと手を鳴らして注意を集める。
「今日はフークを加えた初めての運動の授業だ。だから、初日にもやった“魔物ごっこ”をもう一度やろうと思う。異論は……無いよな。じゃ、説明」
「はいっ、わたし!」
平常運転のシータは高々と片手を上げた。
「ほい、シータよろしく」
先生はシータとハイタッチをするとそそくさと木陰に入り座り込んだ。
真面目な先生なのかと思ったけど、授業放棄するとは何気に面倒臭がり屋だ。
「えーと、魔物ごっこっていうのは、もうそのまんま! 何人かが魔物になってキューショをこういう木の棒とか石とかで突いて、叩くの。やられた人はそこから動いちゃいけない」
足下に落ちている木の棒を右手に、小石を左手に持って説明してくれる。
が、右手にあったものが忽然と消えた。
「わたしも、解説」
取った犯人はアニセラ。
何か気に入らないことでもあっただろうか。
「うん! じゃああとはアニセラよろしくね!」
「……やられた人は自分を仕留めた魔物を目で追う。その魔物はまた別の人を襲いに行くから、自分から目を離した隙に人間に触れてもらう。そうしたら生き返ることが出来る」
「そうそう! けど、魔物が次の獲物をやっつけた後はもう生き返れないんだ!」
待ちきれないのか溢れんばかりの笑顔を浮かべていうシータに対してアニセラは終始不満顔。
あとで何が気に入らないのか、相談にのってあげよう。
「なんとなく、分かった。あとは実践した方が、いいと、思う」
生徒は先生を視線で、刺す。
欠伸をしている最中だった先生はうぐっと変な声を上げた。
ごほんごほん。
そう咳払いして、開始の合図を発した。

捕まえろ! 捕らえろ! 襲え、魔物ども!

〜*〜*〜*〜*〜
いつも次回予告詐欺してますね、俺。
鬼ごっこもどきの説明が入りました。
ドロケイと氷鬼、リアル鬼ごっこのミックスってイメージです。
今回も前回も沈黙していたツツラくんがどう動くのか……。
気になります←

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