魔法史

コッペ

プロロ-グ(夢の中での主人公)

「こんにちは」
小さな羽がついた中指くらいのサイズの妖精が目の前に突然現れた。
主人公は驚かず冷静にこう言った。
「君はどこから来たのかは聞かないけど、これが夢なのは自分でも承知である」
妖精は鼻で笑った。
「あなた、これが単なる夢だと思っているの?私はあなたを救うために異世界から来たのよ」
主人公は心の中でバカバカしくなったけど、我慢してこう言い返した。
「異世界?なんだよそれふざけるな。自分の夢の中までおかしくなっているなんて認めないぞ!まさか、最近学校で人間関係がうまくいかないから心理的に病んだのか」
主人公は最近学校である出来事があった以来クラスと友人や幼馴染と人間関係がうまくいかなかったのだ。
妖精は先日一週間そのことを知っていた。
なぜなら、一昨日から主人公を監視していたからだ。
「これから、あなたは最悪な事件に巻き込まれるから。忠告しといたわよ。」
そう言い放ったあと妖精がフィンガースナップ(指パッチン)をすると主人公の頭の上にコンクリートブロックが落ちて気絶した。
主人公は目の前が真っ暗になった。
起きたら、見覚えがある天井。
窓の外からは雀が鳴く音、近所の小学生くらいの児童が登校している声が自分の耳に響いていた。
その時、指に違和感があったので、右手の薬指を見ると小さなダイヤモンドの指輪がはめていた。
「あれ?こんな指輪をはめて寝てはいない。ってか、こんな指輪初めて見た。なんか、気持ち悪い」
主人公は恐怖のあまり指輪を外して机の上に置いた。
だが、気になってしょうがなかったのでゴミ箱に捨てた。
その後、下から母親の声が聞こえた。
「早く起きなさい!学校間に合わないよ」
本当は学校に行きたくないのに行けと言われたら無性に行きたくなくなる。
だが、ここで断ると母親が激情して学校に電話して、学級緊急会議が始まるとめんどくさいことになるので渋々今日のカバンに教科書を入れて制服を着用した。
階段を降りると母親がしわを寄せた顔で近づいて来た。
「早く、朝ごはん食べて行きなさい。」
母親は8:00に出勤だったので機嫌が悪かった。
テ-ブルの上を見ると、食パンと牛乳だった。
主人公の家の朝食はほぼ毎日パンである。
シワシワの絨毯に座って、起きた後に喉乾いていたので、牛乳を飲もうとした。
だが、手を滑らせて牛乳を全部こぼしてしまった。
日頃このようなことはないのだが、今日は珍しくこぼしてしまった。
主人公の制服のブレザーとズボンには牛乳がかかってしまい牛乳臭かった。
「何やってんの。ここはいいから制服脱いで自分の部屋で着替えて来なさい」
「臭いーー」
母親はブレザーとズボンの牛乳を拭いていたが、ブレザーとズボンが牛乳の白色と臭いが染みついていた。
主人公はこのまま遅刻するので、 母親に一言も言わず家を出た。



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