創造主は暇だったので冒険者になった。
26.
「…参ったな。」
この村は完全な自給自足をしていて、商業は全く発展していないようだ。宿は期待出来そうに無い。しょうがないので野宿できるいい場所でも無いかと村の中を歩き回ってみる。
「ん?」
足を止める。村外れの木の枝に、黒い羽の少年が座っていた。その目は広場で走り回る仲間達を眺めている。
「参加しないのか?」
声をかけると、少年は少しビクッとしたが、すぐに視線を戻した。
「入りたくても入れてくれないよ。」
「仲間はずれか?」
「そう。」
「何故だ?」
「何故って…僕の属性がヴォイドだからだよ。」
「ヴォイド?」
「虚無属のこと。発現率は低いらしいけど、いかにも縁起悪そうじゃん?」
「そんな事か?」
「そんな事。どうせ理性のある生命には第一印象が全てさ。」
─むう…─
その理性のある生命を創った者としては、少し悪いことをしてしまったような気もする。それがあるからこそ、フィアや地球の発展は予想外で面白いのだが…。
「で?おにいさんは僕を避けないの?」
「避ける必要は無いだろう。冒険者が属性聞いたって縁起なんか気にしないさ。」
「ふーん…。」
少年は少し驚いたようだったが、すぐに何でもない表情に戻った。
「今夜は野宿?」
「そのつもりだ。宿も無いしな。」
「うちに来てよ。一晩くらい話し相手がいる方がいいな。」
「いいのか?」
「うん。」
この村は完全な自給自足をしていて、商業は全く発展していないようだ。宿は期待出来そうに無い。しょうがないので野宿できるいい場所でも無いかと村の中を歩き回ってみる。
「ん?」
足を止める。村外れの木の枝に、黒い羽の少年が座っていた。その目は広場で走り回る仲間達を眺めている。
「参加しないのか?」
声をかけると、少年は少しビクッとしたが、すぐに視線を戻した。
「入りたくても入れてくれないよ。」
「仲間はずれか?」
「そう。」
「何故だ?」
「何故って…僕の属性がヴォイドだからだよ。」
「ヴォイド?」
「虚無属のこと。発現率は低いらしいけど、いかにも縁起悪そうじゃん?」
「そんな事か?」
「そんな事。どうせ理性のある生命には第一印象が全てさ。」
─むう…─
その理性のある生命を創った者としては、少し悪いことをしてしまったような気もする。それがあるからこそ、フィアや地球の発展は予想外で面白いのだが…。
「で?おにいさんは僕を避けないの?」
「避ける必要は無いだろう。冒険者が属性聞いたって縁起なんか気にしないさ。」
「ふーん…。」
少年は少し驚いたようだったが、すぐに何でもない表情に戻った。
「今夜は野宿?」
「そのつもりだ。宿も無いしな。」
「うちに来てよ。一晩くらい話し相手がいる方がいいな。」
「いいのか?」
「うん。」
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