妹はこの世界でただ一人の味方

さらだ

夢と現実

ギルドで聞きたかったことも終わり、店もやってないので宿に帰ることにした。その際、落ち込んでた俺にずっと励ましの言葉をかけてくれた結衣には感謝の言葉しか出でこない。なんだよオカマに気に入られるとか。ふざけるなよ。どうせなら結衣に好かれたいよ。無理なのは分かってるけどさ。

「なぁ結衣。俺って女より男に好かれる運命なのかな・・・?女に一度もモテたことないよ。」

あれ?自分で言ってて悲しくなってきた。

「だ、大丈夫だよ。お兄ちゃんは世界で一番カッコいいよ! ねえカラカラ?」

 「そうですよ。この世界の人たちはみんな見る目がないですね。魔物の僕がこう言うんですから間違い無いですよ。」

「2人ともありがとうな・・・。別にモテないことはいいんだけど、男に好かれるのだけは嫌だ・・・。」

慰めてくれる2人は優しいな。それに結衣は一番カッコいいって言ってくれたなぁ。

「ほら。早く宿に帰って寝よう。そして明日の朝に向けて気持ちを切り替えよう。ね?」

「そうだ・・・な。うん。帰ろうか。」





「あ、ベッドが1つしかなかったな・・・結衣が使っていいよ。俺は床で寝るから。」

「ダメだよ。一緒に寝よ。お兄ちゃんを床には寝させられないよ。」

「いやいや、俺も男だから。結衣は特に美人なんだから自分を大事にしろよ。」

「じゃあ私も床で寝る。カラカラがベッド使って。」

「いえ・・・僕はそこのクローゼットで寝るのでお構いなく。それではお休みなさい。」

そう言うや否やクローゼットに入ってしまった。
残された学たちはしばらく無言でいたが、結衣の口が開いた。

「ねえ・・・ちゃんと2人でベッドに寝ようよ。体冷えちゃうよ。」

「うっ・・・分かったよ。じゃあ2人で寝ようか。」

2人でベッドに入ってから数十分経った頃、またもや結衣が口を開いた。

「お兄ちゃん起きてる?」

「起きてるぞ・・・。」

そこでまたしばらくの間が空いた。

「お兄ちゃん・・・私・・・。」

「結衣?」

「私お兄ちゃんのことが好きなの!」






みたいな想像をしていたがそんなこと現実にあるわけなく、お互いに向き合っているとはいえお約束展開はなかった。当然だな。兄妹が両想いなど小説の中だけだ。俺が現実というものを教えてやろう。

時は2人がベッドに入る前に遡る。
「じゃあ結衣寝ようか。」

「うん。カラカラは?」

「僕はクローゼットで寝ます。」

「じゃあ結衣。カラカラ。おやすみ。」

「「おやすみ(なさい)」」


まあこんな感じだよ。あれからもう2時間は経ってる。俺はまだまだ寝れなそうだ。何故かって? あの受付の顔が頭から離れないんだよ。このまま寝たら夢に出てきそうだ。もう完全に悪夢だな。

そう考えている学だったが不意に結衣が話しかけてきた。

「お兄ちゃん・・・まだ起きてる?」

驚いた学だったがしっかりと問いに答えた。

「まだ起きてるぞ・・・。多分今日は寝れないな。悪夢を見そうで恐ろしい。」

いざ口にすると現実味増してさらに怖いな。

「そっか・・・。今日はごめんね。」

「どうしたんだよ・・・。今気分悪いからあんまりマイナスなこと言わないでくれ。」

「じゃあやめる・・・。」

えぇー・・・。そこまで言って言わないのか。逆に気になるんだけど・・・。

「結衣。やっぱり教えてくれ・・・。気になるし時間つぶしにもなるから。」

「2つ・・・。」

「何が?」

「謝りたいこと。」

「謝りたいことか・・・。」

特に思い浮かばないな。最近で謝られるようなことは何もしてないような・・・。

「1つ目は買い物の時腕を組んでたじゃん。それを謝りたくて・・・。歩きづらかっただろうし、私なんかと組んでて嫌だったと思うし。」

・・・。

「歩きづらかったけど、嫌ではないぞ。結衣はな、自己評価が低すぎるんだよ。もっと自分に自信を持てって。結衣は可愛いんだから腕を絡ませて嬉しくない男なんていないよ。・・・それに恋人役をしてたんだろ?」

そうだ。自分でっておいてなんだが、それしかない。

「・・・恋人役?」

「ああ。ほら。昔どっかの貴族と話した時に愛人って話しただろ?それが嘘だとバレないように念には念を入れてそう振る舞ってただけだろ?」

我ながら完璧だ。これだったらお互いが傷つかない。

「・・・うん。そういう事にしておいて。・・・2つ目なんだけど、私が死ぬって言ったことを許してほしい。お兄ちゃんが死ぬって言って私も何が何だか分からなくなっちゃって・・・冗談っていうのも分からないままムキになっちゃって・・・それで・・・それで・・・。」

あ、これ俺が悪いやつだ。それよりも結衣さん。同じベッドに寝ていて、なおかつ向かい合っているとより泣いてる表情が見えて罪悪感でいっぱいなんですが。

学は罪悪感を抱きながらも、目の前にある結衣のサラサラの髪を撫でた。結衣は一瞬驚いたものの、すぐに落ち着いて頭を撫でられていた。それがとてつもなく嬉しくて、悲しくもなっていた。
撫でられるたびに自分が弱いような気がして・・・冗談の1つも通じないで自分が兄になにができるのだろうかと・・・また深く考え込むのだった。

「・・・寝たか。今日は結衣に悪いことをしてしまったな・・・。」

静かに寝息をたてる結衣の髪をまだ学は撫でていた。

「俺ってなんのために生きてるんだろうな・・・。結衣なんかは俺といたって何にも感じないだろうな。・・・いや、それどころか不快感もあるかもしれない。俺のあの言葉が原因なんだもんな。」

やっぱり死ぬの単語はダメだな。特に関係者の人についての死は。時々無意識で自分も死ぬと言うからな。・・・結衣がああなったのは一体いつだっただろうか・・・?

そして学はその思考を最後とし、眠りに落ちた。




その日の夢
「待って〜。ちょっと待ちなさいよぉ〜。」

あの受付の男がそう言いながら学を追いかけてきた。舞台は海。夕日に照らされた砂浜で走っている。

「来るんじゃねぇ! 魔法撃つぞ!」

こちらはもう堪忍袋の尾が切れかかっている。しかし、男はさらに追い討ちをかける。

「あなたに撃たれるのなら本望よ。ドンときなさい!」

「よーし分かった。《この手に宿る火の神よ 焼却の業火を纏い 今こそ力を解放せよ 爆炎業火》死ねやぁぁぁぁぁ!」

学の手から放たれた魔法はしっかりと男に命中し、その後ろの砂浜も全て消し去った。
しかし、煙が晴れても男は立っていた。全裸で。

「なっ!」

「あらやだ。服がボロボロね。あなたってなんて大胆なんでしょう・・・。」

男は顔を赤らめてそう言った。その言葉を聞いた瞬間学は血の気が引いた。そして心から気持ちを込めてこう言った。

「お願いします。もう付きまとわないでください。心がもたないんです。」

土下座までして謝る相手は全裸の男という光景はまさに珍光景だ。その夢で学はその男に似た男が嫌いになったとか、ならなかったとか。

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以下作者のコメント
9日は始業式です。実は宿題が終わってません。ここであれ?となった人は正しいです。二話前に宿題は初日に終わらせたと書きましたが、誤字がありましたね。
「友達の」宿題を作者が終わらせました。
まあお金もらって友人の宿題をしてあげたんですよ。それを自分のだと思い込んでて今日の8時くらいに気がつきました。そこで慌てないのが作者流。その時間帯から映画のバックド◯フトを見ました。そしてこの話を書いて12時くらいですかね。学校まであと8時間。オールナイトで頑張ります。
それでは時間がないのでここら辺で失礼させていただきます。

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あと、急いで書いたのでおかしな点が多々あると思います。もしあったらコメントでお知らせください。お願いします。

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コメント

  • さらだ

    先ほど終わらせました! もう疲れました。お金は3千円もらってるからいいのですが、自分のを忘れるって・・・。

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  • TNTの部屋

    金払って友達に宿題やらせるってどんだけ宿題嫌いなんだよw
    あと作者さん宿題頑張ってください!

    1
  • さらだ

    計算100問 漢字ドリル5ページ 習字 英語ノート14ページ 英語問題集18ページ 社会問題集28ページ 調べ物だけだったのでなんとかなりそうです。

    1
  • たーくん

    終わらなくても終わらせる努力をするべきだと思います。宿題を進めておいて損することは無いと思いますし。

    1
  • さらだ

    宿題・・・結局まだやり始めてないんですよね。終わるでしょうかね(笑)

    0
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