二重人格のいじめられっ子が転生されたら

TORN

4話「新たな出会い」

 学校はないのでのんびりしていようと思ったら兵士に起こされた。
 だと思ったよ。
 物騒な世の中で自宅警備員ならぬ寮警備員なんてできるはずないよな...。
 僕達はいっせいに食堂に行く。
 今日の朝飯は...魚のフレークと焼き魚、ムニエルに煮魚。
 あとご飯。
 今日魚率高!!
 ご飯のついで感凄いです。
 そう思っているとみんなもそう思ってそうな顔だった。
 なんか無理やり食わされてる感すごいです。
 そう思うと奥から

「今日から転生者の訓練が始まるらしいぜ?見に行くか?」
「そうだなー初日は行くだろ普通!」

 えーとー……訓練?聞かされてないんですが...

 「皆の者に今日から我々の訓練に参加してもらうことになる!心して取り組むように!以上!」

 うわー言うの忘れてた!っていうパターンだろ...。

 するとさっきこそこそしてた兵士が、

「団長さん自己紹介忘れてないか?」
「忘れっぽいよなー団長さん」
「////~!!」

 団長さん照れちゃってるじゃないですか!!やめてあげてください!!

「んーこほん!ちょっと聞いてくれ!自己紹介を忘れていたようだ!
 俺の名前はユギル・ファントム!国家特別軍団の団長だ!もとより忘れっぽい性格でな!すまんすまん。」

 開き直った...。
 ていうか この世界の人の名前かっこいい!
 なんだよファントムって!ずるいではないか!
 そんなことを思い朝食を終えて広場に集まる。
 じゃー俺も仮名として……`ベリアル´ なんてどうだ?悪魔の名前を拝借して……『ステータスにーベリアルーを追加します。
 ……追加しました』
 
 ん?ん!?誰かに話しかけられた?
 周りを見渡すが誰も話しかけてくる様子はない。
 あーもういいや。本当に俺ここのことなんも知らないな...ラノベいっぱい読んでたつもりだったんだが...

 そんなことをブツブツ言っていると後ろから声がかけられる。

「あの?もしかして困ってる?お兄さん。ドヤ」

 なんでドヤ顔?まぁそこは置いといて知らないこと教えてくれるのか?
 そう思い頷く。

「具体的には?」
「ステータスになんか追加されたって言われて何もわかんないんだ...」
「それはステータスに話しかけられたんだよ。頭の中でね?お兄さんしか聞こえないからそこまでオドオドする事じゃないよ!」
「そうなのか!?ステータスって……喋るの?」
「当たり前じゃないか!!」
「……知らん!」

 俺の一言で会話が終わる。
 ステータスって話すのか...。とりあえず確認だな。
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小バヤシ...Error
二重人格、仮名「ベリアル」
職業ー✕

筋力ー10
魔力ー0
知力ー20
瞬発力ー15
判断力ー15

固有スキル
「無限」
仮名スキル
「悪魔支配」「テレポート」
---------------------------------------------------------------------------

 仮名スキル?新しいの増えたな!テレポート?すごそうなの手に入ったぞ!?
 すると

「ステータス確認してたのか?それにしては長かったな。」
「あー一から開いてたもんで...待たしたね。」
「それならステータスに聞けばいいんだよ!『新しく増えたスキル確認』って」
 
 そうなの?
 試してみることにする。

『新しく増えたスキル確認』

 ……
マジだ!
何だろこいつ!いい人すぎる!
ここは友達とかになりたい!でも俺……いじめられっ子で友達いないからどうやったら友達になるのとかわからないわ。
 そう思いそわそわしてると

「友達にならないか?実は私うまく友達作れなくて……仲良くしてくれると良いんだけど……」

 チャーンス!
 恥欠かずに友達作りができるとは...な!!

「あーうん、全然大丈夫だよ?俺でよければ全然...!!」
 
 うわーさすが俺といったところかな。
 普通に下手だな。
 だけど喜んでるみたいで良かった。

「私の名前はアリシア・クラウン!これからも会えた時は宜しくね?」
「おう!」

 そう言って僕はアリシアと別れた。
 やはり異世界人の名前いい!
 まぁ俺も「ベリアル」というかかっこいい名前があるからな!スキル?も増えたしとりあえず満足!
 そう思っているとどつかれる。
 武田さんかー。今の俺はひときわ強くなったぜ?
 そう思い振り向くと、

「こいつやっば!あの時の無能じゃん!な?当たったろ?」
「マジじゃんキモくね?無能でよく頭おかしくなんねぇーよなー!尊敬レベル」

 だ、誰?
 知らない男二人が囲むように壁に追い込んでいく。
 
「あの?すいません誰ですか?」
「あ?誰ですかじゃねーよ。殺されてーのか?てめぇなんか片手だけで殺せんだかんな?」
「舐めた口聞いてると危うく殺しちゃうかもよー?」
「とりあえずこっち来いよ」

 そんなことを言われ広場と少し離れた場所に連れてかれた。
 すると男達が口を開く。

「お前転生者なのに転生者と仲良くないのか?」

 見事にハモる。
 吹きそうになったが今は脅されてる身だ。当然我慢する。

「前の世界で虐められてて...だから浮いているんです。」

 僕の言葉を聞いてキョトンとしてる2人。
 ん?何もしないのか?そう思い二人を見ていると、

「その気持ちすげー分かる。俺ら二人もそうだったから」
「もし良かったら俺らが訓練終わったあと鍛えてやろーか?」

 え!?どういう事?さっきのって演技だったのか?
 とりあえず、

「さっきのって演技だったんですか?」

 聞いてみた。
 すると、

「そうだ。俺らが昔やられてたふうにいえば怪しまれず来てくれるかなと思ってな」
「ごめんな?怖かったか?」

 今の聞いたらさっきの恐怖は無くなりましたよ。
 でもこの世界にもいじめとかあるのか...気持ち共有できそうな人がこの世界にいてくれて助かるー!
 というか転生者でこの世界の人と仲良くなったの俺が初なのでは?
 そう思い一人優越感に浸っているのだった。

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