そのゴーレム、元人間につき
開戦
「オォォォォォォォ!」
角率いるオーガ達がまだ薄暗い空へと叫び声が木霊しながら向こう側に見えるゴブリン、オークの群れに突撃していく。
オーガ達は肉弾戦が主で武器の類いは角やその部下である親衛隊以外は持っていない。
それでもこの森で無類の強さをもつ種族だ、たとえゴブリンやオーク達がこん棒や槍を持っていようとオーガ達は負けることは無いだろう。
数はあっちの方が多いが質で言えば圧倒的にこっちだと思う、いや、贔屓は良くないな。
そうは思うがこの短時間でじわじわ押していってるんだよな。
自分の防衛地点を離れ、俺は森の西側から草原へとでる境目の木に登って戦況を見ている。
「ランドさん、なんでこんなところいるべ?」
「あぁ、暇だからな」
「持ち場は離れたら行けねぇべよ、オラでも分かる」
うん、確かに持ち場を離れるのは正直良くはないだろうな、でもな基本的に自由にしても良いと言ったのは尻尾だ俺は悪くない。
ガケトカゲと喋っていると後方から尻尾が俺のいる木に登ってくる。
「ランド君、早速無視したねぇ、協調性って大事だよぉ」
「いやいや、戦況が判らなかったら無暗に防衛しても意味が無いだろ? 嫌だぞいつ終わるか分からない戦いなんて」
等と愚痴っているとオーガとゴブリン達がぶつかっている境目からゴブリンが大量に吹き飛んだ。
あんな飛び方あり得るか? 初めて見たけど知識的には分かる。
うーん、しかし角の攻撃力で彼処まで出来るのだろうか。
「あら、角ったらスキル使ったねぇ、恐らくテンション上がりまくってるね。ちゃんと考えて欲しいよ、これだから脳筋は……」
やれやれと首を振る尻尾。
やっぱりあれスキルなのか、俺との戦いでもスキル使ってた様だが一体どんなスキル何だろうな。バ怪力?
今のところオーガを突破して進んでくる様子はない、対応に終われている様だし、グラスウルフの遊撃をしてさらに押すチャンスじゃね?
「そろそろ牙をいれるか?」
「そうだね、さっさと終わらすのが得策だね」
牙に合図するために、俺はポケットから小石を取りだし、牙達グラスウルフが待機している場所へと投げる。
実はこの小石、俺のスキル『付与』の[音]で突撃の合図を録音した素晴らしい発明品だ。
これにより情報伝達が早くなった……一方通行なのがネックだ。
まぁ何かあれば伝令用グラスウルフがいるし、合図でも突撃しなければ何かあることくらい分かるしな。
っと、伝わったみたいだなグラスウルフの群れが戦場から離れた場所から素早く移動して二手に別れて片方はゴブリンオークの群れに、もう片方は森へと入っていく。
これ、俺の出番いるかね?
今グラスウルフがオーク達に噛みついて戦場が余計に慌ただしくなった。
向こうは対応に追われている様だが指揮官なんてものはいないのかね? もしかして力任せの進軍とか言わないよな? こっちは拙いけどちゃんと作戦は建てたんだぞ、こっちよりも時間があるはずの隣の森が作戦を建てない筈がないよな。
「うーん、上手くいってるねぇ、これは彼方はやっぱり作戦は建ててないねぇ」
「何度も衝突してるんだろ? 毎回そうなのか?」
「うん、あの頃は私達も今よりは弱く頭も使ってなかったからねぇ、基本的に殴り合いだねぇ実力も拮抗してたし、ランド君が来て初めて作戦なんて建てたよぉ」
「……お前、一応頭脳派だよな」
「あの頃は私も若かった……」
尻尾は遠くを見つめて話は終わりだと言わんばかりだ、若い若くない関係無しに頭は使えよ自称頭脳派。
「おっと、なんか拮抗し始めたね恐らく向こうのボスクラスが出てきたかな?」
尻尾が指差した方を見ると確かに進む速度が遅くなっている、と言うか徐々にオーガやゴブリン達が円を作っている。
そんでその中央にゴブリンの親玉かな、多少デカイだけで知性の欠片もない奴がいる、勝てると思って一騎討ちでも挑んだか、それを受ける角も角だ。
あほ脳筋め。
「これは、角が受けたね、全く自分の欲を優先してほしくはないよぉ」
「お前も長年苦労が絶えなさそうだな」
「そりゃあ、何十年も変わらない友人だよ? もう諦めてるよ」
1年もせずに角の面倒臭さを理解できたが、尻尾は俺の何十倍も苦労してるだろう。
牙の奴は……そう言えば代替わりしたのは最近だったらしいな、先代は殺されたとか言っていたがこんな平和な森でそんなこと起こるかね。
「っと、ランド君、そろそろ行っても良いかもねぇ、こっちまで漏れてきそうにないし、畳み掛けようか」
尻尾からの指示が出たので俺は足場にしている木を曲げ、飛んでいく準備を開始する。
俺の隣に立っていた尻尾は巻き込まれないように飛び降り手を振ってくる。
「行ってらっしゃーい」
「そうだ、大将は殺すのか?」
「いや? 降伏するならそれで良いけどすぐにはしないと思うしある程度ボコボコにしてから話を聞いてよ」
「分かった、じゃあ行ってくる」
操作を解放して、その反動で俺は空高く飛んでいく。
うわ、早! ちょっとこれは思ってたよりも早いわ。
あとこれ着地どちらかするんだ、これ発案した奴ちゃんと考えてくれよ。
俺だな。
到着まで一時間位か? 流石にすぐ到着とは行かないものだし、というかこれ高くあげすぎたな、そりゃ直ぐには着きませんわ。
真下には角とゴブリンの親玉が一騎討ちしている光景が見える、正直ゴブリンの親玉よりその辺のおーくの方が強そうなんだけどな。
おっと、殆どの魔物が俺を見上げているじゃないか、羨ましそうだな、今度やってあげるとするか。
小一時間程経ったか、もう高度も落ちてきてそろそろ着陸という名の墜落の時間である。
正直石の体でも粉々になるのでは無かろうか、と言うわけで『付与』[防御小up]の3段重ねだ。
これなら死ぬ心配はあるまい……多分だけどな。
墜落秒読み、3、2……ドゴォォォォォン!!
読み間違えた、難しいなこれ。
んで、体は……問題ないな無事だ。
「敵か! 一人で来るとはな、余程の命知らずだな」
「私達2人に向かってくるなんてよっぽどおバカさんね、いたぶってあげるわよ」
いやお前ら人じゃねぇだろ、魔物じゃん。
しかし、ちょうど良いところに落ちたものだ、早速大将かよし直ぐ終わらせよう。
角率いるオーガ達がまだ薄暗い空へと叫び声が木霊しながら向こう側に見えるゴブリン、オークの群れに突撃していく。
オーガ達は肉弾戦が主で武器の類いは角やその部下である親衛隊以外は持っていない。
それでもこの森で無類の強さをもつ種族だ、たとえゴブリンやオーク達がこん棒や槍を持っていようとオーガ達は負けることは無いだろう。
数はあっちの方が多いが質で言えば圧倒的にこっちだと思う、いや、贔屓は良くないな。
そうは思うがこの短時間でじわじわ押していってるんだよな。
自分の防衛地点を離れ、俺は森の西側から草原へとでる境目の木に登って戦況を見ている。
「ランドさん、なんでこんなところいるべ?」
「あぁ、暇だからな」
「持ち場は離れたら行けねぇべよ、オラでも分かる」
うん、確かに持ち場を離れるのは正直良くはないだろうな、でもな基本的に自由にしても良いと言ったのは尻尾だ俺は悪くない。
ガケトカゲと喋っていると後方から尻尾が俺のいる木に登ってくる。
「ランド君、早速無視したねぇ、協調性って大事だよぉ」
「いやいや、戦況が判らなかったら無暗に防衛しても意味が無いだろ? 嫌だぞいつ終わるか分からない戦いなんて」
等と愚痴っているとオーガとゴブリン達がぶつかっている境目からゴブリンが大量に吹き飛んだ。
あんな飛び方あり得るか? 初めて見たけど知識的には分かる。
うーん、しかし角の攻撃力で彼処まで出来るのだろうか。
「あら、角ったらスキル使ったねぇ、恐らくテンション上がりまくってるね。ちゃんと考えて欲しいよ、これだから脳筋は……」
やれやれと首を振る尻尾。
やっぱりあれスキルなのか、俺との戦いでもスキル使ってた様だが一体どんなスキル何だろうな。バ怪力?
今のところオーガを突破して進んでくる様子はない、対応に終われている様だし、グラスウルフの遊撃をしてさらに押すチャンスじゃね?
「そろそろ牙をいれるか?」
「そうだね、さっさと終わらすのが得策だね」
牙に合図するために、俺はポケットから小石を取りだし、牙達グラスウルフが待機している場所へと投げる。
実はこの小石、俺のスキル『付与』の[音]で突撃の合図を録音した素晴らしい発明品だ。
これにより情報伝達が早くなった……一方通行なのがネックだ。
まぁ何かあれば伝令用グラスウルフがいるし、合図でも突撃しなければ何かあることくらい分かるしな。
っと、伝わったみたいだなグラスウルフの群れが戦場から離れた場所から素早く移動して二手に別れて片方はゴブリンオークの群れに、もう片方は森へと入っていく。
これ、俺の出番いるかね?
今グラスウルフがオーク達に噛みついて戦場が余計に慌ただしくなった。
向こうは対応に追われている様だが指揮官なんてものはいないのかね? もしかして力任せの進軍とか言わないよな? こっちは拙いけどちゃんと作戦は建てたんだぞ、こっちよりも時間があるはずの隣の森が作戦を建てない筈がないよな。
「うーん、上手くいってるねぇ、これは彼方はやっぱり作戦は建ててないねぇ」
「何度も衝突してるんだろ? 毎回そうなのか?」
「うん、あの頃は私達も今よりは弱く頭も使ってなかったからねぇ、基本的に殴り合いだねぇ実力も拮抗してたし、ランド君が来て初めて作戦なんて建てたよぉ」
「……お前、一応頭脳派だよな」
「あの頃は私も若かった……」
尻尾は遠くを見つめて話は終わりだと言わんばかりだ、若い若くない関係無しに頭は使えよ自称頭脳派。
「おっと、なんか拮抗し始めたね恐らく向こうのボスクラスが出てきたかな?」
尻尾が指差した方を見ると確かに進む速度が遅くなっている、と言うか徐々にオーガやゴブリン達が円を作っている。
そんでその中央にゴブリンの親玉かな、多少デカイだけで知性の欠片もない奴がいる、勝てると思って一騎討ちでも挑んだか、それを受ける角も角だ。
あほ脳筋め。
「これは、角が受けたね、全く自分の欲を優先してほしくはないよぉ」
「お前も長年苦労が絶えなさそうだな」
「そりゃあ、何十年も変わらない友人だよ? もう諦めてるよ」
1年もせずに角の面倒臭さを理解できたが、尻尾は俺の何十倍も苦労してるだろう。
牙の奴は……そう言えば代替わりしたのは最近だったらしいな、先代は殺されたとか言っていたがこんな平和な森でそんなこと起こるかね。
「っと、ランド君、そろそろ行っても良いかもねぇ、こっちまで漏れてきそうにないし、畳み掛けようか」
尻尾からの指示が出たので俺は足場にしている木を曲げ、飛んでいく準備を開始する。
俺の隣に立っていた尻尾は巻き込まれないように飛び降り手を振ってくる。
「行ってらっしゃーい」
「そうだ、大将は殺すのか?」
「いや? 降伏するならそれで良いけどすぐにはしないと思うしある程度ボコボコにしてから話を聞いてよ」
「分かった、じゃあ行ってくる」
操作を解放して、その反動で俺は空高く飛んでいく。
うわ、早! ちょっとこれは思ってたよりも早いわ。
あとこれ着地どちらかするんだ、これ発案した奴ちゃんと考えてくれよ。
俺だな。
到着まで一時間位か? 流石にすぐ到着とは行かないものだし、というかこれ高くあげすぎたな、そりゃ直ぐには着きませんわ。
真下には角とゴブリンの親玉が一騎討ちしている光景が見える、正直ゴブリンの親玉よりその辺のおーくの方が強そうなんだけどな。
おっと、殆どの魔物が俺を見上げているじゃないか、羨ましそうだな、今度やってあげるとするか。
小一時間程経ったか、もう高度も落ちてきてそろそろ着陸という名の墜落の時間である。
正直石の体でも粉々になるのでは無かろうか、と言うわけで『付与』[防御小up]の3段重ねだ。
これなら死ぬ心配はあるまい……多分だけどな。
墜落秒読み、3、2……ドゴォォォォォン!!
読み間違えた、難しいなこれ。
んで、体は……問題ないな無事だ。
「敵か! 一人で来るとはな、余程の命知らずだな」
「私達2人に向かってくるなんてよっぽどおバカさんね、いたぶってあげるわよ」
いやお前ら人じゃねぇだろ、魔物じゃん。
しかし、ちょうど良いところに落ちたものだ、早速大将かよし直ぐ終わらせよう。
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