そのゴーレム、元人間につき
日向
「ランドさん、あれは正当防衛ではないと私は思うんですが」
「攻撃を仕掛けられたんだぞ? やり返して何が悪い」
「過剰防衛だと思います……」
やれやれ五月蝿い奴だな、勘違いして攻撃してくる奴が悪いのではないか?
安心してほしい、手加減はした……多分。
ゴブリンか、辺境ファンにいた頃は良く討伐していた物だ。
ゴブリンの奴らと来たらこっちが姿を見せた途端に攻撃してくるからな、もう少し考えて行動してほしいものだ。
しかしこの森でゴブリン久しぶりに見たな、最初のお隣さんを知っている様だったから友人か何かで引っ越して来たんだろう。
それでいざ死んでいると聞かされてパニックになったんだろう、同情はしないけど。
恨むなら犯人を恨むんだな。
なんの変哲もない森の西側を探索しようやく端の方に着いた。
そこから森を出てみるとやはりだだっ広い草原になっております、向こう側に森が霞んで見える。
向こうの森には何かいるんだろうか。
その他には大した物もなく、所々に岩や、木があり、ちょくちょく魔物が居たりするが特に害がありそうなこともないので放置だ。
「さて、探索も終えたし、帰るか」
「え、もう少しゆっくりして行きましょうよ、祠じゃ見れない景色ですよ?」
まぁ確かにそうなんだけどな、祠では祠を中心として広さがあり、後は木に囲まれていたりするので遠くを見ることは出来ない。
たがここはもうすぐそこが平原となっており、空も大地も果てしなく見える。
祠とはまた違う良い景色だ。
「……仕方ない、少しゆっくりしていこう」
「良かったです、気分転換になりますし!」
落ち着く為に、そこらの木の根本で木を背もたれがわりに座る。
エマは俺の隣に来る……いや退けよ邪魔だ。
ぐぅぅぅ~
腹の虫がなる音が聞こえるが、俺は腹が減らないので恐らく隣のエマだろう。
「すみません、お腹空きました……」
申し訳なさそうに顔を赤くして俯いている。
そこに羞恥するのか、俺と会ったときには平気で全裸で川に飛び込んだと言うのに。
さっぱりわからん。
「……何か食べられる物でも探してくるか」
「はい! 行きましょう! 直ぐに行きましょう!」
そんな訳でエマと共に食べられるものが有るかどうか探すことにして近場を散策してみる。
あまり周りを見ていなかったが、意外と木に実が成っている物などがある……食べれるのかは分からないが。
「一応手当たり次第採っているが食べられるのか?」
「どうなんでしょうね、あまり見たことない実ですし……1度牙さん達に見てもらいましょう」
時間はたっぷり有るので、1度牙達の元へと戻る事にし、集落へと向かっている。
「おい! さっきは良くもやってくれたな!」
また先程のゴブリンが俺の前に立ちはだかる、ボロボロだけど。
「さっきのは油断しただけだ、今度は殺す!」
そう言うや否や飛びかかってくるゴブリンを一蹴して突き進む、エマは苦笑いをしていた。
牙の集落へ行き、色んな種類の果物らしき実を見せ、安全かどうかを聞くと。
「問題ない、全部食べられるのである」
と言っていた、その後にこの実はどんな味でだとか風味がどうたらこうたら言われたがエマには伝わらないし俺は食べることが無いので、不毛だった。
話が終わるまで30分ほどかかって漸く気づいてくれた。
コイツは話し出すと止まらないタイプだな、話すのが好きらしい、最初にガケトカゲと打ち解けたのもコイツだった気がする。
懐に入るのがうまい奴だ、ただ、話すと止まらないのを幾らか直して欲しい所。
「さぁ、戻りますよ! 端に!」
「帰らないのか……」
「当たり前ですよ! 折角来たのに帰ってたまりますか!」
ちっ、そんなに居たいのなら1人で行ってほしいものだ。
「どうせ暇ですよね?」
いや、一概にして暇と言う訳じゃあ無いんだがな……
あ、ダメだこれは、絶対に曲げないな。
大人しく着いていこう。
「み、見つけた、ぞ。」
端に戻っている途中にまたゴブリンに遭遇した。
正直しつこい、ほら見ろ、俺よりもエマが鋭い目付きになっている。
「しつこいんですよ!」
「え? なんだこのにんげ……ぶへ!」
エマが俺もかくやと言う程の蹴りを御見舞いし、ゴブリンは消えた。
俺はゴブリンが消えた方向へ行き、立ち上がりかけのゴブリンの首根っこを掴み、端までもう少しなので引きずる。
「ランドさん、それどうするんですか?」
「ちょっとな」
ゴブリンをもうそれ扱いだ、ドンマイ、ゴブリン、同情はしないぜ。
じたばたもがくが一切掴むのを緩めない、寧ろ強く絞めると大人しくなる。
最初から大人しくしてほしい。
端まで連れていった俺は草原に出て、ゴブリンに『付与』[防御小up]を付与してその辺の木にくくりつけ、『物質操作』[木]で木をギリギリまで曲げる。
まぁどうするかと言えばこのまま発射するわけだ。
「ちょ、これ、なんだ!?」
「安心しろ、星になるだけだ」
「え──」
──バシュンッ!
勢い良く向こうの森へと向き飛ばし、ゴブリンは星になった。
ありがとう、君の事は忘れるまで忘れない。
「ランドさん、鬼ですね」
「鬼は角だろ?」
何を言っているんだ、俺はゴーレム、オーガじゃない。
そんな違いも分からなくなるとは、知能はどうやらゴブリン並みになったらしいな、エマよ。
「あれ、バカにされた気がします、何か分かりますか?」
「いや何も」
勘の鋭い奴は嫌いだよ。
さて、五月蝿いのもいなくなった事だし、そこらに腰をおろして暫く日向ぼっこと良い景色を眺めてゆっくりすることにした。
エマは果物を食べた後、直ぐに寝息を立てた、コイツはここのところ食っちゃ寝してるだけだ、欲望に忠実になっていると思います。
さて、あのゴブリンは何故こんな所に居たんだろうな。
思い出せば尻尾に聞いてみるかな。
「攻撃を仕掛けられたんだぞ? やり返して何が悪い」
「過剰防衛だと思います……」
やれやれ五月蝿い奴だな、勘違いして攻撃してくる奴が悪いのではないか?
安心してほしい、手加減はした……多分。
ゴブリンか、辺境ファンにいた頃は良く討伐していた物だ。
ゴブリンの奴らと来たらこっちが姿を見せた途端に攻撃してくるからな、もう少し考えて行動してほしいものだ。
しかしこの森でゴブリン久しぶりに見たな、最初のお隣さんを知っている様だったから友人か何かで引っ越して来たんだろう。
それでいざ死んでいると聞かされてパニックになったんだろう、同情はしないけど。
恨むなら犯人を恨むんだな。
なんの変哲もない森の西側を探索しようやく端の方に着いた。
そこから森を出てみるとやはりだだっ広い草原になっております、向こう側に森が霞んで見える。
向こうの森には何かいるんだろうか。
その他には大した物もなく、所々に岩や、木があり、ちょくちょく魔物が居たりするが特に害がありそうなこともないので放置だ。
「さて、探索も終えたし、帰るか」
「え、もう少しゆっくりして行きましょうよ、祠じゃ見れない景色ですよ?」
まぁ確かにそうなんだけどな、祠では祠を中心として広さがあり、後は木に囲まれていたりするので遠くを見ることは出来ない。
たがここはもうすぐそこが平原となっており、空も大地も果てしなく見える。
祠とはまた違う良い景色だ。
「……仕方ない、少しゆっくりしていこう」
「良かったです、気分転換になりますし!」
落ち着く為に、そこらの木の根本で木を背もたれがわりに座る。
エマは俺の隣に来る……いや退けよ邪魔だ。
ぐぅぅぅ~
腹の虫がなる音が聞こえるが、俺は腹が減らないので恐らく隣のエマだろう。
「すみません、お腹空きました……」
申し訳なさそうに顔を赤くして俯いている。
そこに羞恥するのか、俺と会ったときには平気で全裸で川に飛び込んだと言うのに。
さっぱりわからん。
「……何か食べられる物でも探してくるか」
「はい! 行きましょう! 直ぐに行きましょう!」
そんな訳でエマと共に食べられるものが有るかどうか探すことにして近場を散策してみる。
あまり周りを見ていなかったが、意外と木に実が成っている物などがある……食べれるのかは分からないが。
「一応手当たり次第採っているが食べられるのか?」
「どうなんでしょうね、あまり見たことない実ですし……1度牙さん達に見てもらいましょう」
時間はたっぷり有るので、1度牙達の元へと戻る事にし、集落へと向かっている。
「おい! さっきは良くもやってくれたな!」
また先程のゴブリンが俺の前に立ちはだかる、ボロボロだけど。
「さっきのは油断しただけだ、今度は殺す!」
そう言うや否や飛びかかってくるゴブリンを一蹴して突き進む、エマは苦笑いをしていた。
牙の集落へ行き、色んな種類の果物らしき実を見せ、安全かどうかを聞くと。
「問題ない、全部食べられるのである」
と言っていた、その後にこの実はどんな味でだとか風味がどうたらこうたら言われたがエマには伝わらないし俺は食べることが無いので、不毛だった。
話が終わるまで30分ほどかかって漸く気づいてくれた。
コイツは話し出すと止まらないタイプだな、話すのが好きらしい、最初にガケトカゲと打ち解けたのもコイツだった気がする。
懐に入るのがうまい奴だ、ただ、話すと止まらないのを幾らか直して欲しい所。
「さぁ、戻りますよ! 端に!」
「帰らないのか……」
「当たり前ですよ! 折角来たのに帰ってたまりますか!」
ちっ、そんなに居たいのなら1人で行ってほしいものだ。
「どうせ暇ですよね?」
いや、一概にして暇と言う訳じゃあ無いんだがな……
あ、ダメだこれは、絶対に曲げないな。
大人しく着いていこう。
「み、見つけた、ぞ。」
端に戻っている途中にまたゴブリンに遭遇した。
正直しつこい、ほら見ろ、俺よりもエマが鋭い目付きになっている。
「しつこいんですよ!」
「え? なんだこのにんげ……ぶへ!」
エマが俺もかくやと言う程の蹴りを御見舞いし、ゴブリンは消えた。
俺はゴブリンが消えた方向へ行き、立ち上がりかけのゴブリンの首根っこを掴み、端までもう少しなので引きずる。
「ランドさん、それどうするんですか?」
「ちょっとな」
ゴブリンをもうそれ扱いだ、ドンマイ、ゴブリン、同情はしないぜ。
じたばたもがくが一切掴むのを緩めない、寧ろ強く絞めると大人しくなる。
最初から大人しくしてほしい。
端まで連れていった俺は草原に出て、ゴブリンに『付与』[防御小up]を付与してその辺の木にくくりつけ、『物質操作』[木]で木をギリギリまで曲げる。
まぁどうするかと言えばこのまま発射するわけだ。
「ちょ、これ、なんだ!?」
「安心しろ、星になるだけだ」
「え──」
──バシュンッ!
勢い良く向こうの森へと向き飛ばし、ゴブリンは星になった。
ありがとう、君の事は忘れるまで忘れない。
「ランドさん、鬼ですね」
「鬼は角だろ?」
何を言っているんだ、俺はゴーレム、オーガじゃない。
そんな違いも分からなくなるとは、知能はどうやらゴブリン並みになったらしいな、エマよ。
「あれ、バカにされた気がします、何か分かりますか?」
「いや何も」
勘の鋭い奴は嫌いだよ。
さて、五月蝿いのもいなくなった事だし、そこらに腰をおろして暫く日向ぼっこと良い景色を眺めてゆっくりすることにした。
エマは果物を食べた後、直ぐに寝息を立てた、コイツはここのところ食っちゃ寝してるだけだ、欲望に忠実になっていると思います。
さて、あのゴブリンは何故こんな所に居たんだろうな。
思い出せば尻尾に聞いてみるかな。
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