イセカマジックストーリー《異世界×オカマ×魔法》
24逃亡再び
ウィルが街を回っていると、軍人の集まりがあったらしい。会話を盗み聞きしてみると、どうやら指名手配犯の似顔絵ができたというような内容だったらしい。
「早く逃げないと!」
真剣なウィルの表情を見て、ネロとサラも事の深刻さを理解した。
「とりあえず、入ってきた門とは別のところから出ましょう。そっちにはサラの顔を知ってる軍人もいるかもしれないし。」
「そ、そうだね。私着替えないと。」
さっき買ったズボンとシャツを見せる。
「急いで!」
路地裏に入りネロの見張りの下で着替える。脱いだメイド服はクシャクシャにしてバッグにしまい、ファスナーを閉じる。スカートとセーター、そして硬貨が入っているためかなりの重量になった。
「ネロ。この世界には重力を変化させる魔法ってある?」
「ええ。でもそれはSランク魔法で…。」
ネロの忠告の中、サラはイメージを完了させて、既にバッグには重量がなかった。サラはバッグを片手で持ち上げ、ネロに対してウィンクする。
「はぁ。あなた、異世界してるわね。」
3人は入ってきた門とは逆の方角へ向かって走っている。人通りが多いため、他人と肩をぶつけることもあり、かなりの迷惑行為であるのは3人も承知だ。
まだ広まってないといいけど…。ていうかフード被りながら走るのって難しいな。向かい風で捲れそうだ。
「きゃっ!」
前だけを見て走っていたので、小さい女の子が前まで来ているのに気づかなかった。彼女もまたフードを被っている。女の子は手が汚れてしまったのか、両手を擦っている。
「ご、ごめんね。大丈夫?立てる?」
「立てる。」
そう言って立ち上がると、フードの下から可愛い顔が見えた。右目は青、左目は緑のいわゆるオッドアイであった。
「もう行かないと。じゃあね、お姉さん。」
無機質な声に色は感じられない。怒ってしまったのだろうか。女の子は下を向いて歩き出す。それを見て3人も行き先へ顔を向けた。
別の門に辿り着くと、やはり軍の見張り役がおり、簡単には通してくれなさそうだ。サラはフードを深く被り直して進む。二人も緊張した面持ちで門を出ようとした。
その時、
「おい、止まれ。お前、フードをとれ。」
や、やばい!バレたか?でも早すぎないだろうか?ウィルが似顔絵の話を聞いてから5分ほどしか経っていないはずだ。大丈夫、きっと大丈夫。
サラがフードをとると、見張りは顔をしかめてサラの顔を覗きこむ。
「お前はぁ…。」
数秒の間はサラにとってとても長く感じた。だがその不安とは裏腹に、見張りは歯を剥き出しにして笑った。
「疑ってすまなかった。最後に1つ協力願いたい。この顔に見覚えはないか?」
そう言って出した1枚の紙には先ほどぶつかった小さなオッドアイの少女の顔が描いてある。その上にはWANTEDと書いてあり、ワン○ースみたいな感じだ。
3人は顔を合わせ、目で合図する。
「見てないです。ごめんなさい。」
3人の出した答えはこれであった。
「いや、いいんだ。じゃあ、良い旅を。」
見張り役は笑顔で敬礼し、3人が門を出るのを見守った。
「早く逃げないと!」
真剣なウィルの表情を見て、ネロとサラも事の深刻さを理解した。
「とりあえず、入ってきた門とは別のところから出ましょう。そっちにはサラの顔を知ってる軍人もいるかもしれないし。」
「そ、そうだね。私着替えないと。」
さっき買ったズボンとシャツを見せる。
「急いで!」
路地裏に入りネロの見張りの下で着替える。脱いだメイド服はクシャクシャにしてバッグにしまい、ファスナーを閉じる。スカートとセーター、そして硬貨が入っているためかなりの重量になった。
「ネロ。この世界には重力を変化させる魔法ってある?」
「ええ。でもそれはSランク魔法で…。」
ネロの忠告の中、サラはイメージを完了させて、既にバッグには重量がなかった。サラはバッグを片手で持ち上げ、ネロに対してウィンクする。
「はぁ。あなた、異世界してるわね。」
3人は入ってきた門とは逆の方角へ向かって走っている。人通りが多いため、他人と肩をぶつけることもあり、かなりの迷惑行為であるのは3人も承知だ。
まだ広まってないといいけど…。ていうかフード被りながら走るのって難しいな。向かい風で捲れそうだ。
「きゃっ!」
前だけを見て走っていたので、小さい女の子が前まで来ているのに気づかなかった。彼女もまたフードを被っている。女の子は手が汚れてしまったのか、両手を擦っている。
「ご、ごめんね。大丈夫?立てる?」
「立てる。」
そう言って立ち上がると、フードの下から可愛い顔が見えた。右目は青、左目は緑のいわゆるオッドアイであった。
「もう行かないと。じゃあね、お姉さん。」
無機質な声に色は感じられない。怒ってしまったのだろうか。女の子は下を向いて歩き出す。それを見て3人も行き先へ顔を向けた。
別の門に辿り着くと、やはり軍の見張り役がおり、簡単には通してくれなさそうだ。サラはフードを深く被り直して進む。二人も緊張した面持ちで門を出ようとした。
その時、
「おい、止まれ。お前、フードをとれ。」
や、やばい!バレたか?でも早すぎないだろうか?ウィルが似顔絵の話を聞いてから5分ほどしか経っていないはずだ。大丈夫、きっと大丈夫。
サラがフードをとると、見張りは顔をしかめてサラの顔を覗きこむ。
「お前はぁ…。」
数秒の間はサラにとってとても長く感じた。だがその不安とは裏腹に、見張りは歯を剥き出しにして笑った。
「疑ってすまなかった。最後に1つ協力願いたい。この顔に見覚えはないか?」
そう言って出した1枚の紙には先ほどぶつかった小さなオッドアイの少女の顔が描いてある。その上にはWANTEDと書いてあり、ワン○ースみたいな感じだ。
3人は顔を合わせ、目で合図する。
「見てないです。ごめんなさい。」
3人の出した答えはこれであった。
「いや、いいんだ。じゃあ、良い旅を。」
見張り役は笑顔で敬礼し、3人が門を出るのを見守った。
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