僕と彼女の物語
部活
4月12日
-昼食の時間、僕は高校で入る部活を考えていた。
「しゅう君は卓球部に入るの?」
一緒に弁当を食べていた幼馴染の女の子はるかが僕に尋ねる。
「うーん、卓球部もいいけど吹奏楽とかやってみたいかも」
「似合わないからやめた方がいいよ」
 はるかが僕にそう言いながら笑う。
「じゃあ、バスケ部とかに…」
「無理無理、しゅう君卓球以外の球技まともにできないじゃん」
確かにそうだ…僕は卓球以外の球技…いや、卓球以外の運動はまともにできないのだ。
走るのも遅いし体も硬い、スポーツテストなどの結果もほとんどが下から数えた方が良いくらいだ。
「そういうはるかは部活どうするの?」
「私は卓球部だよ!だからしゅう君も卓球部入ろうよ。知り合いいないとなんか嫌だし」
「まあ、卓球部以外入れそうな部活ないし、卓球部にするか…」
「しゅう君卓球だけはかなり上手いからそうした方がいいよ」
その後僕とはるかは授業後に卓球部の見学に行った。
「やっぱり高校はレベル高いな…」
「そうだね」
 卓球部の練習を見て僕達は驚く。
中学とは比べ物にならないくらいレベルが高い。僕達が通う高校の卓球部は県で中堅くらいの強さらしいがとてもそうは思えなかった。
「あれ?見学?見学ならこっちに来なよ」
休憩していた部員の人が僕達に話しかけてきた。
「私は神谷心美、卓球部の部長をさせてもらってます。ここみ先輩って呼んでくれればいいよ」
僕達はここみ先輩に案内されて練習の見やすい場所に移動した。
「ところで2人は付き合ってるのかな?」
練習が終わり片付けを終えたここみ先輩が僕達に言う。
「「違います」」
「えっ?違うの?」
「しゅう君とは幼馴染ってだけで…それに私ちゃんとした彼氏いますし」
 「僕も彼女いるんで…」
「2人ともリア充なの?羨ましいな〜」
僕達はここみ先輩がリア充でないと察しそれ以上は何も言わなかった。
「何か質問ある?」
「えっと…ちょっと気になることがあるんですけど」
はるかが言う。
「何?」
「何で女子部員のほとんどが長いソックス履いてるんですか?」
確か僕も少し気になっていた。普通は短いのを履いているのが多いのだがここでは普段学校の制服を着てる時みたいに長いソックスを履いていた。
「あーそれね、この卓球場やけに滑るんだよね、転んだ時に擦りたくないからみんな長いの履いてるんだよ」
ここみ先輩が笑いながら答える。
確かに練習中転んでる部員がいたな…それって結構練習しづらいような…
「で、2人は卓球部に入る?」
「私は入ります」
ここみ先輩の問いにはるかが即決する。
「しゅう君はどうする?」
 ここみ先輩が僕に尋ねる。
 「僕も入ります」
 「了解、じゃあこれ入部届けね、明日書いて持って来てくれたら明日から練習に参加できるから是非来てね」
「「わかりました。これからよろしくお願いします」」
僕とはるかはそう言い頭を下げる。
こうして僕とはるかは卓球部に入部した。
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