僕と彼女の物語

りゅう

友達として







「えいと君ちょっといいかな〜」

ふうかが不気味に笑いながらえいとを呼び止める。ふうかの後ろではゆずがもじもじとしていた。

「ふうかさんか…ゆずさんのことだよね?」

「えぇ、そうよ、ゆずももじもじしてないでちゃんと話しなさい」

ふうかがゆずをえいとの前に送り出す。

「ちゃんと話すのよ」

ふうかはゆずにそう言い残してその場を立ち去る。

ふうかが居なくなった後しばらく沈黙が続いた。

「あの、えいと君、答えを聞かせてもらっていいかな?」

「あっ、うん。その、いろいろと考えたんだけど、僕、ほとんどゆずさんのことを知らないんだよね。だからいきなり恋人じゃなくてまずは友達からじゃだめかな?」

「そうだよね…じゃあ友達から始めよう」

ゆずは少し残念そうだったが嬉しそうでもあった。

ゆずはふうかの元に行き結果を報告する。

「そう、まあ良かったんじゃない」

「うん。ごめんね、ふうかちゃんの意見を無視して告白しちゃって」

「別にいいわよ。ゆずがそうしたかったなら」

「うん」

「まあ、今日はゆずのおごりで何処かで軽く寄り道しようかな」

「えー私今お小遣いすっからかんなのに…」

「冗談よ、冗談、まあ、今日は私がなんか奢ってあげるわ」

ふうかがそう言いながらゆずの方を振り向く。

「さあ、早く帰ろう!」

ゆずは久しぶりにふうかと帰った。






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