転生先は異世界学園

猫宮&宮藤みほ

少女が人殺しになる前に彼女は現れた (凪咲視点後編)

壁の塗装は熱により剥がれ、
街灯は飴細工のようにひしゃげ
更には街灯のライトなどは熱により
滴り落ちている。
そんな炎と灼熱の地獄の中心に
自分のパートナーである
ナビイルムを抱き抱えた1人の少女
黒野凪咲は傷一つなく立っていた。
しかしその少女はさっきまでのクラスメイトの
敗北とパートナーの現状にただ怖がり
おどおどとした雰囲気など微塵もなかった。
まるで別人のようになっていた。
黒野凪咲を中心に炎は未だに円を描き
凪咲を包囲するかのように
燃え盛っていた。
そんな中凪咲が行った事は1つだけである。
『崩壊せよ』
凪咲がそう言った瞬間炎は弾け飛んだ。
跡形も残らず
そして凪咲凪咲は目の前の妖狐三倉を見た。
その女は目の前の予想外イレギュラー対して
ただ狼狽えていた。
それもそうだろうなぜなら自分の術は
完璧だったと確信していたから。


妖狐三倉は目の前の想定外イレギュラーに対し
危うく後ろへと足を進めるところだった。
先程までの状況的に自分が威力を弱めて
打ったとは考えられない。
ならばあの少女は生身の状態で人など容易に
燃やし尽くす炎を防ぐ程の魔法を
体に宿したのか?
いやそんなことが出来るのは、
高レベルの魔法士ぐらいだしかし目の前の
少女はただの素人同然なのに
なぜ生きてる。


黒野凪咲は三倉の構想など知らない
凪咲は地面に視線を移す。
そこはまだ熱を帯び若干ながら溶けてもいた。
そんなところにナビの体を横たえる
訳にはいかない。
そんな中彼女は考えこう言った。
『創造』
途端地面に水が降り注いだ。
凪咲は地面にナビの体を横たえて
三倉に向き直り1歩を踏み出さない。・・・・・・
三倉はそれを見て不自然に思った。
(なぜ、こちらに向かって来ない・・・何か
思惑が、)
と三倉がそこまで考えた直後、
凪咲はいきなり自分の影に腕を突っ込んだ・・・・・
決して地面に腕を打ち付けた訳ではなく
文字通り影に手を突っ込んだ。
そして再び腕を抜くとそこには
黒い鞘に収まったひと振りの刀だった。
「刀?まさかそんなものでわっちがやられる
とでも思ったのかの?」
と三倉が嘲笑うしかしその余裕は崩れた。
『イクスピアリ』
と凪咲は刀を鞘に収める。
三倉がその行動に疑問を覚えるよりも先に
見えない斬撃が三倉の肩口を切り裂き
数秒後血が飛沫となり吹き出す。
そしてまた数秒経ってから
三倉は自分が傷を負ったことを認識し
絶叫する。
「っああああああああああああぁぁぁ!!」
と叫びながら三倉は地面をのたうち回る。
そして「原初の象徴よ魔女狩りの名を持ちし
武器を今ここに化現せよ」
と同時に三倉の手に炎の十字架が出現する
しかしそれを見てもなお凪咲の
表情は変わらない。
「今度こそ焼け死ぬがいい」
と言い三倉が十字架を凪咲に叩きつける。
しかし十字架は凪咲に到達する前に掻き消えた。
「なっ!」
三倉は武器を消されて呆然とする。
そんな中場に少女の声が響く
『これは、3人の分よ、食らっとけ狐
黒野流刀技一の型、イクスピアリ』
と同時刀の剣筋が煌めき三倉を斬った。
そして三倉の目の前をクルクルと回りながら
腕が地面に落ちた。
無論それは三倉の片腕だ。
それを見て三倉は
「あっ、あああぁぁぁあああぁぁぁあああ」
と叫び地面に倒れるそして自分の元にゆっくりと
歩いてくる。
凪咲の姿を見ると
「やめ、やめて謝るからもうやめて」
と幼い少女の如き声を出す。
しかしそんなことで凪咲は、いや
復讐の化け物と化した1人の少女は止まらない。
『ユルサナイだからコロス』
といい少女は刀を振り下ろす。
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
と三倉は絶叫する。
そんな1人の女に向かいひとつの刀は
振り下ろされる。
しかし三倉に復讐の刃が届く事はなかった。
なぜならそれを受け止めた乱入者がいたからだ。
「こらこらいくら憎いからって殺したら
ダメよ?黒野凪咲ちゃん」
凶刃を受け止めたその人影は
髪に黒い花を付けていた。
その人物の髪は黒くそして肌が白い中
目やセーラー服など全てが黒かった。
(リボンの色は赤だったけど)
その少女は三倉に向き直ると
「妖狐三倉学園の入口に私の仲間がいるから
そこまで自分で行きなさい・・・・・・・・
そしたら助けて上げるわ。
今行けばその腕も間に合うわよ」
三倉は少女の言葉に頷きながらも
残った左手で体を起こすと学園の入り口に向け
必死に走り出す。
もちろん三倉を殺したい凪咲がそれを見逃す
はずもなく凪咲は少女を弾き飛ばし三倉に
追い打ちをかけようとする
しかし次の瞬間凪咲は逆に弾き飛ばされ
アスファルトをバウンドし、転がってゆく
『なに?』
そんな凪咲に対して少女は
「無駄よ無駄まだ目覚めたばかりのあなたが
一番早く目覚めた私に勝てるわけないわ」
と少女は意気揚々と語る。
『お前は、一体何者だ!!』
と凪咲がアスファルトに倒れながら言うと
少女はこう名乗った。
「私は魔法学園アヴィリオンハーツにある
事務所、黒猫魔法探偵事務所の所長であり
創造の魔術結社カーディナルスの
団長宮藤みほよ」
と宮藤みほが名乗ると
『その宮藤みほがなんで邪魔をするの
三倉はみんなを・・・だから私は、
三倉を殺すって』
と凪咲がそこまで言いかけると
「そんなことであなたの友達が喜ぶ訳ない」
と言う
『黙れ!貴方に何が分かる?この場に
いなかった癖に何を言う!!』
「分かるわよなぜなら私も仲間を、
失いかけたもの」
と宮藤みほはいい
手のひらを回転させ凪咲に向ける。
「スリープアラウンド」
途端凪咲は急激な眠気に襲われる。
『こしゃくな』
「あら?完全には効いていないみたいね、なら
しょうがない」
といい宮藤みほは凪咲の後ろを見てこういった。
「とっとと気絶させてクロネコ・・・・
凪咲が咄嗟に後ろを振り返ろうとする前に
首筋に衝撃が走り気絶してしまう。
意識が遠のく中
自分を見下ろす宮藤みほの顔が見えそこで
凪咲の意識は途絶えた。


ー少女が人殺しになる前に彼女は現れたー
(終)


宮:さてー凪咲ちゃん視点終わりっと
サ:今回ウチ出番なかったやん(´;ω;`)
ク:疲れたー
宮:次回は私視点
ク:さりげなくネタバレすな
宮:でもタイトルに凪咲視点って書いてあるから
ある程度の人は予想してたと予想((๑✧ꈊ✧๑))
ク:さて、次回に続かないけど次回は
みほ視点
サ:お楽しみにやで

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