女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

37話 転機となった文化祭 その2




俺が目を覚ますと、あまり知らない天井てんじょうが目に入ってきた。

ここは・・・保健室ほけんしつ?なんでここに・・・?

俺はしばし考え、そして思い出した。

そうか、俺は倒れたんだったな。教室に向かう途中とちゅうで・・・。

理子と聖菜が運んできてくれたのか・・・?

そこで、俺の思考しこうは中断された。

保健室のドアが開かれたからだ。

「あら・・・目を覚ましたのね?」

若めの女の先生が、俺に話しかけてきた。 

「はい。・・・すみません、せっかくの文化祭で倒れてしまうなんて・・・。」

「何をして倒れたのかは知らないけど、あなた、このごろ寝てないわね?」

・・・図星ずぼしだった。なんでわかったのだろう・・・?

「舐めないでほしいわね。私は保健室の先生よ?そのくらい分かるわ。」

「そうでしたね、すみません。」

「あなた、あやまることしか能がないの?」

「・・・違います。・・・謝ることしか出来ないんです。多大な迷惑めいわくをかけて、時間を無駄にして・・・。今の僕には、謝るしか選択肢せんたくしがないんです・・・。」

俺がそういうと、

「・・・謝るとしても、そこの2人にしてちょうだい。」

「え?」

俺が先生の指さした先を見ると、ひょこっと理子と聖菜が出てきた。

「理子・・・聖菜・・・。」

「ここまで運んできたのは2人よ。倒れたあなたを抱えてきたのよ。」

「・・・そう、だったんですね・・・。ごめん、2人とも。本当に、迷惑かけたな・・・。」

そう言うと2人は、俺の方へと近づいてきた。

そして





バチンッ!!

思いっきりはたいてきた。

「っ!?」

激痛げきつうが、俺のほおに走る。

2人そろって、こういってきた。

「「バカッ!!!」」

俺は2人の目を見れず、うつむいた。

「なんでそう、1人で無理するの!?なんでこんなになるまで頑張るの!?」

「1人でかかまないでよ!なんでなんの相談もしてくれなかったの!?」

「・・・迷惑、かけたくなかったから・・・。」

「迷惑!?倒れられる方が迷惑だよ!!先生から聞いたけど、大和3日間くらい寝てないでしょ!」

「し、仕方ないだろ・・・どうやったらもっといいのになるか、どうしたらもっと楽しめるかとか考えたら・・・寝てるひまなんかなくて・・・」

「そんなのに睡眠すいみんをかく必要はないでしょ!!・・・お願いだから、無理はしないでよ・・・すごい不安だったんだからね?大和くんが目を覚ますまで・・・。」

「聖菜・・・。」

「大和・・・もっと自分を大切にしてよ・・・死んじゃやだよ・・・。」

「理子・・・。」

・・・俺は最低さいていなヤツだ。心底しんそこそう思った。

女の子をかせ、あらぬ心配をさせ、迷惑をかけ・・・。

つくづくゴミな野郎やろうだよ、俺は・・・。

でも

「でも、俺がやらなきゃ、やるヤツいないだろ。もう1人のクラス委員は前日まで風邪かぜで休んでたし・・・。」

「・・・それなんだけどね、大和。」

「・・・?」

「その、もう1人のクラス委員の子、風邪って言ってたけど・・・あれ、うそなんだって・・・。」

そんなことを、理子が言った。

「は・・・?」

「今日の事なんだけどね・・・」






「さーて、どうしよっかな~」

キャハハハッ

「ん?なんだろ?」

私、気になって見てみたの。そしたら、

「いや~それでさ~」

(あれは・・・クラス委員の子?昨日まで休んでたのに・・・今日からは来れるのかな?)

「私、クラス委員なんだけど~、めんどくさいから、5日間ズル休みしたんだ~www」

「え~風邪じゃなく?www」

「風邪なんてうそうそwwwそしたらさ、稲木のやつが1人でやっててさ~マジ得した気分www」

(そんな・・・ズル休み!?風邪は嘘!?)

「それいいの~?www」

「いいんだよ。稲木だしwww」

キャハハハッ

(そ・・・そん、な・・・。)





「・・・。」

「大和、私許せない。大和はこんなに苦しんでるのに・・・。」

「大和くん・・・。」

「・・・いや、いいよ。その子が居ようが居なかろうが、きっと俺はこうなってたさ。」

「大和・・・」「大和くん・・・」

「先生、俺、帰ってもいいですか?」

「えぇ。」

「わかりました。ほら、行こうぜ。」

「「でも・・・。」」

「いいから。」

「・・・うん。」

俺たちは家に帰り、明日にそなえることにした。


「女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く