女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
49話 ホワイト・ワールド
俺は妙な浮遊感の中にいた。
死後の世界ってこんな感じなんだな・・・と、目を瞑りながらに思った。
どんな世界なんだろう?
やっぱ鬼とかいるのかな?
目の前に閻魔がいたりしてw
そんなことを思いながら、目を開けた。
そこは、予想に反して
真っ白な世界だった。
「な、なんだよここ・・・!?」
俺はいろんなことに驚いていた。
目を開けたら、1面真っ白だったこと。
言葉が喋れること。
そして
実体があること。
死んだら魂だけになるんじゃないのかよ?
あれか?某漫画みたいに、選ばれた人間は肉体を持ったままいれるってやつか?
などと考えていると、奥にぼんやりと何かが見えた。
ここからじゃよく見えない。
俺はいつの間にか、なにかに導かれるように、そこへ歩を進めていた。
近くまでいくと、それがなんなのか、はっきりと分かった。
「・・・机?と、椅子?」
そこには、何の変哲もない、木でできた机と椅子があった。机は1つだが、椅子は2つある。
しかも、どうぞくつろいで下さいと言わんばかりに、お茶っ葉に湯のみ、急須ポット、お菓子などがあった。
「・・・とりあえず、お茶作るか・・・。」
俺はなんとなく、急須にお茶っ葉とお湯を入れ、お茶をつくって湯のみに入れた。これもなんとなく、2人分つくった。
ついでに、お菓子を適当に漁り、1つを掴み取った。
『ゴリラの行進』
お茶菓子にこれかよ!と、思いながらもそれを開け、1つを口にほおりこんだ。
・・・向こうと全くおなじ味だった。
俺は椅子に座り、お茶を飲んだ。
その時だった。
突然、空いていた椅子に天使の輪っかを付け、白い服を身にまとった人が現れた。
「!?!?」
危うく、お茶を吹きこぼしそうになる。
「あ、お茶つくってくれたんだ。気が利くね。」
といい、ズズズと音を立てながら、そのお茶を飲んでいた。
「えっと、どちら様で?」
俺はその人に問いた。
「んーと、簡単に言うと、神様。」
「はぁ。」
「難しくいうと、女神ヴィーナス」
「えっ!?」
俺はとても驚いた。
「め、女神?」
「そこ?てか、君は僕が女の子に見えないってのかい?」
・・・はっきり言って見えなかった。
「い、いえ、そういうわけじゃ・・・」
軽く嘘をつくと、
「嘘ついても無駄だよ?心が読めるから。」
「え?そうなんですか?じゃあ・・・」
ヴィーナスって、俺の中ではボンキュッボンの高身長なんだけどな・・・。と、心で思うと、
「・・・君、僕のことをそんな容姿だと・・・?」
と、何故か若干泣きそうになりながら言っていた。
僕っ子か・・・いいね。
「やっぱ、俺って死んだんですか?」
「いんや、ギリで生きてるよ。今は生死の境目ってことかな。」
気になっていたことを聞くと、そう返してくれた。・・・何故か、顔を赤くしていたけど。
「ここからは、君が決めることだよ。」
ヴィーナス・・・長いからヴィーちゃんで。ヴィーちゃんが真面目な顔になって言う。
「・・・人が真面目な話をしようってのに・・・君ってやつは・・・。まぁいい。」
また顔を赤くした。
「君には選択肢がある。現実に戻って生きるか、もしくは・・・」
ヴィーちゃんが1度止まって深呼吸をする。
そして、顔を赤くしてこういった。
「僕の夫となって、ここで一生暮らすか、だ。」
☆ちょこっとメモ☆
大和が食べた『ゴリラの行進』は、箱のやつじゃなくて、6個くらいずつ小袋に入ってるタイプのやつです。用意がいいね!(適当)
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