女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
52話 お別れと再会
「・・・なぁ」
俺はしびれを切らし、2人に話しかけた。
「「なに?」」
「俺、そろそろあっちに戻りたいんだが・・・」
あっちとはもちろん、理子たちのいる世界のことだ。こっちも居心地はいいんだが、所詮他人の家。ホームシックになりそうだった。
「・・・そう。」
ヴィーちゃんが悲しそうな顔をする。
「そりゃそうよね・・・ごめんなさい、話し込んじゃって・・・。」
アフロディーテ・・・略してアフロちゃんが申し訳なさそうに、ぺこりと謝る。
でもやっぱ、どこか悲しそうだった。
「アフロちゃんはやめてくれない!?せめてディーテちゃんにして!!」
「お静かに」
「あっはい」
ショボーンとしてしまった。
かわいそうだから、ディーテちゃんと呼んであげよ。
「それで、どうやってたら帰れるんだ?」
「私たち2人で、貴方を元の世界に飛ばすことが出来るわ。」
そもそも、そうやって連れてきたし。と、ヴィーちゃんは言葉を続けた。
「そか。じゃ、早速頼めるか?」
「えぇ。・・・でもその前に、一つだけ、たった一つだけでいいから、叶えてほしいことがあるの・・・」
ディーテちゃんがそう言う。
「ん?なんだ?」
一つだけならまぁいいか、と思って、そう尋ねた。
「わ、私も一つだけ・・・」
ヴィーちゃんが言う。
「ヴィーちゃんも?まぁいいけど。」
そう俺が言うと、2人は深呼吸をした。
そんなに大事なことなのか?と俺が思った時、2人が口を開いた。
「キス・・・して」byディーテ
「オーガニズム手伝って」byヴィー
「よし、ディーテちゃんはいいぞ。ヴィーちゃん、お前はダメだ。」
「なんで!?なんでよ!?」
「ダメに決まっとるだろうが!!なんでそんなもん手伝わなきゃならんのだ!」
「ふふ、バカなヴィーナス。」
「なんですとーー!」
「2人とも喧嘩はやめろ。」
「「はい」」
なんかとても素直だった。
「じゃあ・・・ディーテちゃん。キス・・・って、これどこにすればいいんだよ?」
ディーテちゃんは山姥メイクをしているため、キスできそうなところなんて見当たらなかった。
「あぁ、それなら」
と言って、ディーテちゃんは
おもむろに服を脱いだ。
「!?!?」ブッ
俺は思わず吹き出す。
「ここに・・・」
と言いながらブラを外そうとしていた。
「わーっ!!そんなとこにするか!!」
「えっ!?」
「おかしいだろうが!!ええぃ、ままよ!」
俺は
鎖骨の下あたりにキスをした。
「!?」ゾクゾクッ
ディーテちゃんが震える。
「ふう、これでいいだろ?」
「・・・え、あ、うん。」
どうやら、別世界にいたらしい。
「む~~・・・。」
ヴィーちゃんが頬を膨らまして、抗議してきた。
「・・・はぁ、仕方ないな。」
俺はヴィーちゃんに近づき
頭を撫でてやった。
「!?・・・~~♪」
ヴィーちゃんが気持ちよさそうに目をつぶる。
「・・・よし、これで許せよ?」
「・・・うん♪」
ヴィーちゃんはうきうきしながら答えた。
「・・・さて、それじゃあなたをあっちに帰します。少しの間、動かないでね。」
「おう。」
「じゃあね。」
2人が俺に手をかざす。
その瞬間、なにかに吸い込まれるかのような感じになった。
目を覚ますと、そこは見しらぬ白い天井だった。
「おじゃましま・・・。」
理子が入ってきた。俺がそっちを見ると、理子は止まってしまった。
すると、すぐに理子が泣きそうな顔・・・いや、涙をボロボロと流しながら突っ込んできた。
「うおっ!?」
「大和!!大和!!がえっでぎだんだね~」
「・・・あぁ。」
「ひぐっ、も、もうだめかと思っだよ~!!」
「・・・ごめんな。心配かけて。」
理子の頭を撫でる。
後で聞いた話だが、俺は通り魔に刺されたことにされたらしい。
ま、幽霊がなんていっても、誰も聞いてくれないだろうしな。
ま、ともかく。
俺は無事、戻ってきたのだった。
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