不器用プラトニックラブ

風吹雪華

4話 想いをのせて

それから日に日に過ぎていき-

どうしたらいいのだろうか…

穂架に相談しようと思い、放課後を空けてもらった。



「はるちゃん、相談って?」

優しい垂れ目で微笑しながら、尋ねてきた。

穂架は聞き上手なので、相談するのに楽だった。

「うん、実はね…」



「…そっか〜。
  確かに、急に言われたら戸惑っちゃうよね〜。」

「穂架ならどうする?」

「穂架は…」

少し考え込み、私は出した答えに驚いた。

「やりたい、やりたくないも大事だけど、挑戦するっていうのはど〜かな?」

挑戦…

私は、何がきっかけで吹奏楽部に入部したんだっけ…

「何ではるちゃんは、吹奏楽部に入ったの?」

答えに困った。

真剣にやってきてる穂架に、失礼な返事を返すことになるからだ。

「…穂架ね、元々楽器なんて弾けなかったんだ。
  続けられるかも分からなかったし…。
  でもね、先生に何事にも挑戦しないと、何も始まらないって言われて。
  その時ね、胸が熱くなったんだ。
  自分ならやれば出来るんじゃないかって。」

そっか… 

だから穂架は、積極的だったんだ。

穂架は、抜けているところがあるから、何となく頼りないなって正直思った。

何故頼られる存在なのか、今更分かった。



私は穂架のアドバイスを聞いて、自分はどうしたいのか、結生達に伝えようと、慌てて飛び出した。

「…良かったね、はるちゃん。」



教師の注意なんて聞こえなかったくらい、目の前を突っ走った。

息を切らしながら、音楽室の扉を開けた。

結生達は、驚いて思わず身を起こしていた。

「私!
  吹奏楽部に入るーっ!」

「そっか。」

「そりゃあ良かった!
  琴嶺ならそう言ってくれるって信じてた。」

「僕も嬉しいよ。
  有難う。」

3人の顔に笑みが溢れた。

私は嬉しくて、溜まっていた涙が溢れていることに、気付かなかった。

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