血染めの館
第6話 蓄積
「…これからどうしましょうか。」
私は不安だった。かなめさんとはぐれてからというもの、嫌な予感しかしなかったから。腕時計の秒針のチクチクと刻む音さえ聞こえなくなっていた。ケータイも圏外で時間は進んでいない。ここのメンバーと連絡を取ることさえ不可能だ。助けは呼べない。
「相模先輩。僕達、多分もうこの屋敷の主に呪われています。」
淳くんが声をあげた。どうやら時間が止まっていることに気がついたようだ。
「ああ。分かっているさ。ずっと考えてるんだよ。どうすればいいか。」
「ね、ねえ先輩。あたし達さ、もうこの館から出れないの?」
りんごちゃんの声は震えていた。この暗闇では仕方ない。ケータイのライトで照らせるのは足元だけ。先の見えない不安がさらなる恐怖心を心の底から引っ張り出してくる。
ふと、あかりがひとつ消えた。
「…あ、あぁ、す、すみませんっ!で、電池切れです。」
私のケータイの電池が切れて、あかりが3つになってしまった。
周りがさらに暗くなり、先輩の顔がほとんど見えなくなってしまった。
「あぁ、あの、か、懐中電灯、わ、忘れてきてしまって…」
今更ながらとてつもなく大事なことを思い出した。
「大丈夫だぞにも。ほら、これ使え。」
りこさんが取り出したのは懐中電灯だった。非常用の少し大きめの。
「あ、で、でも先輩は…」
「あたしはケータイの電池は余裕があるから平気さ。気にするな。」
電源を入れると、オレンジ色の暖かな光が辺りを優しく照らし出した。心無しか少し暖かい。
「これで探索が再開できるな。じゃあ行こ…」
先輩の声が止まった。辛うじて見える先輩の顔は少し青ざめていた。視線の先には何も無い。
「相模先輩?どうされました?」
「…お前らはここにいろ。絶対に動くんじゃねえぞ。」
今まで聞いたことないぐらい低く、緊張した声だった。りこさんは視線の先に進んでいった。そっちを照らすと鍵のかかった1階の右の部屋だった。
「相模先輩、そこは鍵がかかって…」
「…ない。鍵が空いている。何が起こるかわからねえが私だけでいく。お前らは1歩も動くな。」
そう言って先輩は行ってしまった。
頼りになる先輩がいなくなり、ますます不安と恐怖が募っていく。それぞれの顔を照らすと、淳くんは至って冷静。りんごちゃんは涙を浮かべていた。
私も不安で潰されそうになった心を必死で抑えていた。
(カイトはもっと怖がってるんだ。私がビビってどうするの!)
心にそう叫んだ。
私は不安だった。かなめさんとはぐれてからというもの、嫌な予感しかしなかったから。腕時計の秒針のチクチクと刻む音さえ聞こえなくなっていた。ケータイも圏外で時間は進んでいない。ここのメンバーと連絡を取ることさえ不可能だ。助けは呼べない。
「相模先輩。僕達、多分もうこの屋敷の主に呪われています。」
淳くんが声をあげた。どうやら時間が止まっていることに気がついたようだ。
「ああ。分かっているさ。ずっと考えてるんだよ。どうすればいいか。」
「ね、ねえ先輩。あたし達さ、もうこの館から出れないの?」
りんごちゃんの声は震えていた。この暗闇では仕方ない。ケータイのライトで照らせるのは足元だけ。先の見えない不安がさらなる恐怖心を心の底から引っ張り出してくる。
ふと、あかりがひとつ消えた。
「…あ、あぁ、す、すみませんっ!で、電池切れです。」
私のケータイの電池が切れて、あかりが3つになってしまった。
周りがさらに暗くなり、先輩の顔がほとんど見えなくなってしまった。
「あぁ、あの、か、懐中電灯、わ、忘れてきてしまって…」
今更ながらとてつもなく大事なことを思い出した。
「大丈夫だぞにも。ほら、これ使え。」
りこさんが取り出したのは懐中電灯だった。非常用の少し大きめの。
「あ、で、でも先輩は…」
「あたしはケータイの電池は余裕があるから平気さ。気にするな。」
電源を入れると、オレンジ色の暖かな光が辺りを優しく照らし出した。心無しか少し暖かい。
「これで探索が再開できるな。じゃあ行こ…」
先輩の声が止まった。辛うじて見える先輩の顔は少し青ざめていた。視線の先には何も無い。
「相模先輩?どうされました?」
「…お前らはここにいろ。絶対に動くんじゃねえぞ。」
今まで聞いたことないぐらい低く、緊張した声だった。りこさんは視線の先に進んでいった。そっちを照らすと鍵のかかった1階の右の部屋だった。
「相模先輩、そこは鍵がかかって…」
「…ない。鍵が空いている。何が起こるかわからねえが私だけでいく。お前らは1歩も動くな。」
そう言って先輩は行ってしまった。
頼りになる先輩がいなくなり、ますます不安と恐怖が募っていく。それぞれの顔を照らすと、淳くんは至って冷静。りんごちゃんは涙を浮かべていた。
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心にそう叫んだ。
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