異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~

柑橘ゆすら

弱点強化



「キツイ……。疲れた……」


 レジェンドブラッド2人を相手にしての厳しい訓練は日が沈んでからも続いた。

 全身が痛い。
 疲労で体が重くなり、まともに歩くことすら出来はしない。

 異世界に召喚されて以来、これほどまでにハードな修行を行ったのは初めてのことであった。


(この訓練……オヤジにしごかれていた頃を思い出すな……)


 武人の『強さ』というものは潜ってきた地獄の数で決まる、というのが悠斗に武術を教えてき祖父の口癖であった。

 エルフの里に訪れたのは正解だった。

 ユナの課してくるハードなトレーニングは、何処となく近衛流體術を学んでいた時と共通する部分が多かった。


「よーし。風呂だ! 風呂!」


 こういう時は風呂に入るのが体の疲れを一番癒すことができる。

 厳しい修行の後に浴びる湯は格別のものがあった。

 ガラガラガラガラ。
 悠斗が道場の浴場の扉を開けた直後であった。


「よく来たな。ユートくん」


 あまりに衝撃的に過ぎる光景を目の当たりにした悠斗は、思わず瞼をパチパチと開け閉めしてしまう。

 どういうわけか全裸のまま仁王立ちしたユナの姿がそこにあった。

 改めて見るとやはり大きい。
 胸のサイズだけならシルフィアの方が勝っているだろうが、エルフ族特有のスレンダーな体はユナの胸サイズを一層強調するものがあった。

 バスタオルすら身に着けずに体の全てを曝け出すユナからは、ある種の男らしさすら感じられた。


「あの……師匠。1つ聞いて良いでしょうか」

「ん。なんだ」

「ここ男湯ですよね? どうして師匠がいるんですか」

「細かいことは気にするな。私はこれからキミに夜の稽古をつけなければならないのだ」

「夜の……稽古だと……!?」


 ユナの口から飛び出した卑猥な言葉によって、悠斗は頭の中でどんどん妄想を膨らませていく。


「勘違いするな。別にいやらしい意味で言っているわけではない」

「ハハッ。まぁ、そうですよね」

「まずはそこのマットの上にうつ伏せになってもらえるかな? この修行は幻鋼流を極める上では避けては通れない道なのだ」

「…………」


 修行と聞いたからには、いやらしい妄想に耽るわけにはいかない。
 悠斗は頭の中を戦闘モードに切り替えると、言われた通りにマットの上に横になることにした。


「光栄に思うが良い。本来、この修行は同性同士で行うことを推奨している。実を言うと、私も男相手に行うのは初めてなので少し緊張をしている」

「???」


 一体これから何を始めようと言うのだろうか?

 古今東西の様々な武術を習得してきた悠斗であったが、風呂場で修行を行うのは初めてのことであった。

 疑問に思って振り返ると、ユナの傍には、古びたツボが置かれていた。


 エルフの秘薬@レア度 ☆☆☆
(体に染み込ませることにより魔力の流れを活発にする薬)


 ツボの上に浮き上がった説明文を目にした悠斗は、朧気ながらも今回の修行の趣旨を理解することになる。


「それでは始めるぞ。最初の内は冷たいかもしれんが我慢するように」

「ひぐっ!?」


 悠斗の体にヌメヌメとした液体が付着する。
 そのあまりの冷たさに悠斗は思わず悲鳴を上げてしまう。


「あ、あの、これって本当に修行なんですかね?」

「無論だ。この液体を塗りたくらないことには、次のステップに進むことはできないぞ」

「…………」


 悠斗は混乱していた。
 武術の達人であると同時に健全な高校生である悠斗の興味は大きく分けて2つしかない。

 それ即ち、武術とエロ、である。

 現在、悠斗の置かれている状況は、そのどちらとも取れないものであり、頭の切り替えが上手く出来ないでいた。


「よし。次は薬の効果を最大限に発揮させるため、液体の温度を上げていくぞ」

「お、温度を上げる……?」

「ああ。エルフの秘薬は、液体の温度を高めることで体に対する浸透率が高まる効果があるのだ。少し重いかもしれんが、我慢してくれよ」


 ユナはそう前置きすると、裸のまま悠斗の体に覆いかぶさった。
 薬のヌメヌメとした感触&女体の柔らかい感触は、悠斗の中の冷静な思考能力を根こそぎ奪っていく。


(――な、なんだこれ。なんだこれ。なんだこれ)


 この瞬間、悠斗の頭に中は武術モードからエロモードに振り切れることになる。


「なんだキミ。先程までの研ぎ澄まされた集中力はどうした?」

「……め、面目ない」


 普段の小生意気な態度がウソのよう。
 初心なリアクションを見せる悠斗の姿は、ユナの嗜虐心を煽るものであった。


「ククク。どうやらキミは武術の方には精通していても、女性に対する経験値の方はまだまだと見える」


 ユナの言葉は一部事実であった。
 悠斗の中の経験値は、女性に対して攻める方面に偏っており、攻められる経験は皆無に等しかったのである。


「――覚悟しておくんだな。今夜はキミの未熟な部分を徹底的に鍛え上げることにしよう」


 ペロリと唇を舐めてユナは悪戯な笑み零す。
 ドSのユナにとって悠斗のような気の強い少年は、まさに好みの異性のタイプとしてドストライクであった。

 今回の修行はユナにとって、悠斗を鍛えるのと同時に、自らの性的欲求を発散させる一石二鳥のものだったのである。


(間違いない……。この人はドSだ……!)


 結論から言うと悠斗の悪い予感は的中していた。
 勢い付いたユナは、本来刺激する必要のない部分にまで手を伸ばし始める。


「師匠……? そこは……!?」

「ほら。どうした。ここか? ここがキミの弱いところなのだろう?」


 ヌルヌルとしたエルフの秘薬の感触が体の敏感なところを刺激する。
 浴室の中に悠斗の悲鳴が響くのであった。

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