ゼロからは始めないチーター生活

チャカギ高木

6話 城の中へGO

ユウタはメルの後をついて行き、城の中へと入っていった。
扉は結構画期的で、メルが扉の何箇所かをタップすると、
何重にもなっていた扉が一気に開いた。
万が一1、2枚目扉が壊されても中に入れない仕様だろう。


そう言えばここまで何にも困らずに、むしろ城になんか入れて
運が良すぎる気がする。

微かに漂うチート臭……

いや、ここではまだ無い。
(無いんかい…)

扉を抜けていよいよ城の中に進むと、そこは案の定豪華で
めちゃめちゃ広くて、中心に長い階段がある。
レッドカーペットが敷かれた綺麗な階段だ。
つい見とれてると階段の上でメルが、

「階段登ったら向こうに応接間があるからそこへ行きましょう!」

「おう!」

長い廊下を歩きその中間辺りにある部屋へと入っていった。
中には、最後の晩餐の様な配置で長いテーブルと椅子が置かれていた。
 
「お父様とお母様を呼んでくるので、椅子に座って待ってて下さい!」

「おう!分かった!」

ふかふかの椅子に腰を下ろした。

(そう言えば会ってまだそんなに経ってないのにもう次期王女様に対してタメ口だな〜)
まー近頃の高校生なんてそんなもんよね。

すると急に部屋のドアが開いた。
ちょっとビクついた。
バレない様にすぐに態勢を立て直して入ってきた人を見ると、
メルが両親を連れて来たと思ったら白髪のおっさんが1人こっちを見て、

「わたくしこのお城の執事をやらせてもらっているヒツジと申します。
ユウタさんですね?さっきメルお嬢から話は聞いております。どうぞよろしく。
こちらお茶を淹れましたので、来るまでゆっくりしていて下さい。」

「あっ、ありがとうございます。急に来たりしてすいません。」

「メルお嬢が連れて来たのですし、お気になさらず。」

「あっ、はい。」

ユウタは意外に人見知りであった。

(それにしてもヒツジって名前の執事とかややこし過ぎるだろ…)






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