裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚

葉月二三

177話



俺らが村の門の前に着いたときにちょうど門からアリアが出てきて、既に夕食の準備は終わっていると教えてくれた。
ちょうどいいタイミングだったから良かったが、俺らがもっと遅かったら門の外で待ってるつもりだったのか?

まぁでも、夕食の準備が終わったのもついさっきみたいだからセーフだろう。いや、待たせたことは申し訳ないけど、これなら部屋にいて呼ばれるのも今から向かうのも時間的には誤差の範囲内だろう。

「フレドたちは汚れてるからかるくシャワーを浴びて着替えてから食堂に行け。他にも血や泥がついてるやつは着替えるなりシャワーを浴びるなり好きにしろ。俺は先に行って食事を始めるけど、遅れてかまわないからな。今日は食べ終わったやつから解散させるから気にするな。そのまま食堂に向かうやつも手だけは洗っておけよ。」

「「「「「「「「「はい。」」」」」」」」」

フレドたち5人は走って屋敷に向かい、イーラたちは俺と同じペースで歩き始めた。イーラたちは全員そのまま食堂に向かうつもりみたいだな。

今日の夕食が終わったらそのまま食堂で反省会をするのがよさそうだな。なんかてきとうにつまめる物でも用意しておけばフレドたちも気負わずに意見をいえるかもしれねぇし。

「…どこに行っていたのですか?」

てきとうなツマミを食事係に用意してもらえないかをアリアに聞いてみようと思ってアリアを見たら、先にアリアから話しかけられた。

「フレドたちの仕事の見学で王都の南側の森というか山に行ってきた。」

「………そうですか。」

どこか落ち込んだような感じに聞こえるが、行きたかったのか?

アリアもイーラやサーシャと同じ戦闘狂なのか?…いや、アリアの場合は行ったことがないところに行ってみたいって感じか。知識欲旺盛だからな。

「アリアは忙しそうだったから声をかけなかったんだ。すまんな。今度暇なときにでも行くか?」

「…ごめんなさい。そういうつもりではなかったのですが、せっかくなので行きたいです。」

「じゃあとりあえず村づくりが終わったらだな。」

「…はい。」

俺は忘れちまいそうだけど、アリアが予定を忘れることはないだろうから、しばらく先でも大丈夫だろう。

「それで、俺らは食後に食堂で今日の反省会をするつもりなんだが、食事係に適当なツマミを用意してもらうことってできるか?」

「…はい。何か欲しいものはありますか?」

「しょっぱいものと甘いものをてきとうに頼む。」

「…はい。伝えておきます。」

欲しいものといわれてもこっちのお菓子がわからないから、てきとうに答えたんだが、大丈夫そうだな。

「………リキ様にお願いがあるのですが。」

話が一区切りして、少し無言で歩いていたところでアリアが話しかけてきた。

アリアからお願いとは珍しいな。

「なんだ?」

「…新しく村人となった方々を一度リキ様の奴隷にしてもらえませんか?」

「なんでだ?」

「…今日の午後は新しい村人の方々のレベル上げを行ったのですが、前回のリキ様の奴隷であった村人の方々の方がステータスの上がりが平均的に良かったので、念のためです。」

たまたまじゃ………あぁ、奴隷使いのジョブについてるスキルで奴隷補強ってのがあったな。ん?でもあれって奴隷のステータスを少し上げるだけで成長とは関係なかった気がするが、アリアが頼んでくるってことは意味があるんだろう。

「俺はかまわないが、念のためで奴隷になりたいやつなんていないだろ。」

「…大丈夫です。全員納得しています。」

「は?」

「…大丈夫です。全員納得しています。」

聞き間違いかと思ったが、全く同じことをいわれてしまった。

「ならいいんだが、一応強制はしないぞ。」

「…ありがとうございます。」




アリアと話しているうちに屋敷に着き、手を洗ってから食堂に向かった。

食堂の扉を開けた瞬間、食欲をそそるようなスパイスの香りが鼻腔をくすぐった。

懐かしいような初めて嗅ぐような不思議な香りがし、近場のテーブルを見ると、パンとサラダとソーセージと赤黒いスープが並んでいた。
ここで出てくるソーセージにも胡椒とかの香辛料を使ってはいるっぽいが、いつもとあからさまに香りが違うから、初めて見る赤黒いスープが香りの正体だろう。香りは美味そうなんだが、見た目が…。

「アリア。あのスープはなんだ?」

「…先日リキ様が食べたいといっていた『カレー』というものを作ってみました。美味しくはできたと思うのですが、もとがわからないので、味が違っていたら教えてもらえれば改良します。」

マジか…見た目が違すぎてわからなかった。

というより一昨日話したばかりなのにもう完成させたのかよ。

「アリアが作ったのか?」

「…作り方はわたしが考えましたが、今日のカレーを作ったのは料理担当の方々です。」

ということは1日でレシピを作り上げたってことか?凄いな。いや、凄すぎるだろ。

「アリアは天才だな。」

「…ありがとうございます。でも、今回はたまたま1度目の試作で良いものが出来上がったので、微調整が楽だっただけです。ただ、もとがわからないからこそ納得できた味かもしれませんが。」

「そうか。楽しみにしてる。」

「…はい。」

アリアと話しながら自分の席に着き、周りを見る。ガキどもは食欲をそそる香りのせいで我慢が辛そうだ。

「待たせて悪いが、先に連絡事項がある。今日は食べ終わったやつから先に出てってかまわない。俺はこのあとここでフレドたちと反省会をやるから最後まで席を立つ気はない。だから、気にせず退室してくれ。あと、新しく村人になったやつで、少しでもステータスを上げるために一時的に俺の奴隷になりたいってやつがいたら、飯を食い終わったやつから俺のところにこい。強制はしないし、戦闘訓練が終わったら奴隷解放はする。ただ、一度奴隷になったら家名が消えるから、奴隷になるかはちゃんと自分で考えろよ。以上だ。いただきます。」

「いただきます!」

ガキどもは今か今かと待っていたからか「いただきます。」がかなりうるさかった。これじゃ今の話を聞いてたか怪しいとこだな。

まぁ聞いてなくて困るのは自分たちだからいいか。

俺も久しぶりのカレーを楽しむとしよう。

スプーンでカレーをすくうと、ほどよいとろみがあり、俺の知ってるカレーに近い。ただ、当たり前だが赤黒いのは表面だけではなかった。中までしっかり赤黒い。

まぁけっきょくは食べるんだから躊躇するだけ時間の無駄か。アリアが美味いっていうんだから間違いないだろ。

スプーンで目一杯すくったカレーを口に運んだ瞬間、スパイスの香りが鼻を突き抜けた。むせずにはすんだが、油断していたせいで目が潤んできた。

味がわかってからもう一口食べると、たしかに俺がいったとおり数種類の香辛料を使ったとろみのあるスープだな。

ただ、俺の予想を上回るほどのかなり強烈なスパイスだ。辛さよりも香りが強いが慣れればかなり美味いなこれ。間違いなく俺の知ってるカレーじゃないが、これはこれで美味い。三口、四口とカレーとパンを交互に食べ進めるが、食べても食べてもスパイスが食欲をそそるせいでいくらでも食べれてしまいそうだ。

「…どうでしょうか?」

アリアが恐る恐るといった感じで確認を取ってきた。

「俺の知ってるものとは全くの別物だが、かなり美味い。もうこの国のカレーはこれでいいんじゃないかと思うくらいにな。」

「…ありがとうございます。香辛料の量は他の方でも食べれるように合わせてしまったので、もしもっと辛い方が良かったらこれを足してください。もっと香りが強い方が良かったらこれを使ってください。」

アリアが瓶に入った赤い粉と黒い粉を差し出してきた。

香りは十分だが、もう少し辛さが欲しいと思い、赤い粉を付属の小さなスプーンで一杯すくってカレーに入れた。それを混ぜてから口に運ぶ。

いい感じだ。

「美味しいけど、凄く贅沢にゃスープだね。」

俺が満足していると、セリナがカレーを食べながら話しかけてきた。

「そうなのか?」

俺には材料費のことはわからないから、アリアに確認を取った。

「…はい。珍しい香辛料も使用しているので、贅沢なスープであることは間違いないです。ですが、今回使用した香辛料の中で高価な物のほとんどはローウィンス様の領内にあった物なので、予算の範囲内です。もちろんローウィンス様には許可を取っています。」

ローウィンスの領土はほとんどが山と森だから、そういうのには困らないのかもな。スパイス類がどこにどんな風に生えてるのかなんて俺は知らないが。

というか、予算って…俺は必要な分はいえとはいったが、いくら以内で抑えろなんていってないはずだ。つまりアリアの中で食費はどれくらいまでとかちゃんと決めてるってことか。

この前のセリナの言葉でより気になるようになっちまったが、やっぱりアリアは異常になんでも出来すぎだ。もちろん優秀なのはいいことだが、無理していつか壊れたりしないように見ててやらねぇとな。

「へぇ〜。この辺に香辛料にゃんて自生してるんだね〜。売ったらお金ににゃるんじゃにゃい?」

なるほど、それはいいことを聞いたな。

「…お金にはなりますが、貴重な香辛料を売るなんてもったいないです。お金ならすぐに稼げますが、珍しい香辛料はいつでも手に入るとは限りません。」

ん?貴重な香辛料ってことはそれなりに高く売れるってことだろ?でもアリアはその程度はすぐに稼げるっていってるのか?

アリア以外のやつがいったらお金を稼ぐ大変さもわからないくせにといいたくなるが、よくよく考えたらアリアはなぜかけっこうな金を持ってるんだよな。俺が金を渡すまでは村のこととかをアリアの所持金でいろいろしてたみたいだし。

薬草採取ってそんなに金になるのか?

いや、違うな。薬草採取だけで金貨を稼げるとは思えない。しかもアリアの所持金は金貨1枚とかではない。間違いなくもっと持ってる。

そういやセリナが魔物を討伐したりとかで稼いでるっていってたからアリアもそんな感じか?でもそれだけではない気がする。だってセリナはアリアの手伝いをして稼いでるともいっていたから、アリアは仲間になにかを頼んで金を支払うくらいには稼いでるはずだ。

これはアリアに稼ぎ方を聞いて、俺も真似して稼いだ方がいいかもな。

「ずっと気にはなってたんだが、アリアってどうやって金を稼いでるんだ?」

「…主な収入源は加護を付与したアクセサリーを売ることです。あとは討伐した魔物の素材を売ったり、薬草を売ったりしています。」

あぁ、真似できないことだったわ。

そういや宝石屋でセリナがいってたけど、身代わりの加護つきのアクセサリーは安くても金貨1枚はするっていってたし、付与師って稼げるんだな。

今度加護なしなのに反応する装備やアクセサリーがあったら手に入れなきゃな。そして俺も付与師になって荒稼ぎだ。

といってもそんなアクセサリーは今までで2回しか見てないから期待薄だけどな。

…あれ?アリアが薬草以外を売ってるところを見たことねぇけど、どこで売ってるんだ?

セリナはフレドたちに頼んでるっていってたし、アリアも同じ感じか。

というか、その辺はどうでもいいな。俺の金になるわけじゃねえし、俺が真似出来ることでもなかったしな。




アリアたちと話しながら飯を食べ終えると、タイミングを見計らっていたようにぞろぞろとガキどもが近づいてきた。

なんだ?

あぁ、奴隷契約をするんだったな。

「並べ。」

「はい。」

俺が指示すると、一列に並んだ。思ったより新しい村人が多いな。
一人一人やるのは面倒だ。

「二列になれ。」

「はい。」

二列でも面倒だが、俺には手が2つしかないからな。

それからは順番に2人ずつ、ちゃちゃっと契約を終わらせた。

その頃にはほとんど食堂に残っているやつはいなかった。いるのは俺とアリアたち、あとはフレドたちだけだ。

食べたやつから退室するときでも食べ終わったら「ごちそうさま。」と全員いっていたのは偉いと思う。

「アリアたちも部屋に戻っていいぞ。」

「…いたら邪魔ですか?」

「いや、そういうわけじゃない。好きにしてかまわないが、俺がいるから出られないのかと思っただけだ。今日、オーク討伐に参加してないやつは部屋に帰っていいからな。」






けっきょく残ったのは俺とアリアとイーラとセリナとテンコとサーシャとヒトミとニアとフレドたちだ。

ウサギとヴェルは門番で、カレンとサラとガルネはお眠の時間だったようだ。アオイとガルナはその付き添いだ。ソフィアも疲れてたみたいで出ていった。

食堂の真ん中のテーブルにフレドたち5人と俺たち7人が向かい合って座っている。テンコはデフォルメ狐形態で俺の膝で丸まっている。…ここに残った意味あんのか?まぁ撫で心地が気持ちいいからいいんだが。

テーブルにはいろんな味つけをされた一口サイズの餅がピンに刺さって大量に置いてある。あと果物もいくつかあるな。想像と違ったが、まぁいいか。

「それじゃあ反省会を始めるか。まぁ反省会っていってもサーシャくらいしか反省するべきとこはなさそうだったがな。だから何か良いとこ悪いとこがあったり、聞きたいことがあったらいってくれ。」

「我も反省することはなかったと思うが?」

「嘘だろ…もう忘れたのか?」

さすがに馬鹿すぎるだろと呆れながらサーシャを見ていたら、セリナの苦笑いが視界に入った。

「サーシャ、頑張って思い出した方がいいよ。リキ様が怒るのを通り越して呆れちゃってるからね。」

「サーシャはちゃんとリキ様にいわれたことを覚えてないとダメだよ。」

セリナとイーラにいわれてサーシャは少し慌てだした。

「ぐっ…すまぬ。少し時間をおくれ。すぐに思い出す。………そうじゃ!仲間を巻き込む攻撃はするなじゃろ?大丈夫よ。既に学習しておるから、次の戦闘で同じことはせん。ただ、さっきいわれたことだというのを忘れてしまっただけよのぅ。」

さすがにその言い訳は無理があるだろ。…まぁいい。本人がそういうなら、同じことをしたときに罰を与えればいいだけだ。

「じゃあ次やったらぶん殴るからな。」

「やらぬから問題ない。」

どうせ馬鹿だからまたやらかすくせに随分自信有り気に答えるな。
まぁサーシャは顔以外なら本気で殴って弾けても死にはしないから、やらかしたら本当に殴ってやろう。

「とりあえずサーシャのことはいい。セリナからフレドたちに何かあるか?」

「う〜ん。とくににゃいかにゃ。出来立てのパーティーにしてはほぼ完成してると思うよ。強いていうとしたら、アリアみたいにゃ支援に特化してる人がいるといいんじゃにゃい?みんにゃ回復とかは自分でしてるからいにゃくても問題はにゃさそうだけど、いた方が強い敵と戦うときに安心できるかにゃ。もしくはフレドが支援魔法を覚えるとかね。」

「ありがとうございます。支援は僕たちも欲しいと思っていたのですが、なかなか見つからなくて。とりあえずは僕かラルムかカーフが支援魔法を覚えるという方向で話し合ってみます。」

なんかまともな感じだな。この後にイーラやサーシャはないだろ。アリアはあの場にはいなかったし、ニアが妥当か。

「ニアからは何かあるか?」

「自分は仲間との戦闘経験がほとんどなく、連携については何もいえません。ただ、フレドさんの負担が多すぎるように見えました。」

たしかにフレドはリーダーだからといっても負担が多すぎる。しかもその分担のまま出来てしまってるから周りも気づいてな………いわけではないみたいだな。

ニアにいわれてフレドたちは全員俯いてしまった。

「まぁこのパーティーは出来たばかりだ。これから成長すれば問題はないだろ。成長する前に無理をしなければ、すぐに強くなるだろうしな。もちろんフレドが他に足並みを揃えるんじゃなく、ドラ、ラルム、ムスカ、カーフがフレドに追いつくように努力するんだぞ。」

「「「「「はい!」」」」」

成長しきる前に無理して死ぬようなことがなければ、こいつらなら案外すぐにSランクくらいにはなれるかもな。
あの武術クラブや魔術組合のやつらですらSランクがいたみたいだし。まぁ個人の強さを知る前に死なれたからよくわからないっちゃよくわからないが、フレドたちが追いつけないほどではないだろ。Sランクっていってもロリコンみたいに異常に強いやつもいるんだけどな。

そういや冒険者ランクの制度が変わったんだったか?…まぁフレドたちなら審査が厳しくなってても、もうちょい成長したらたいして問題なく受かるだろ。

「アリアからは何かあるか?」

「…わたしは見ていないからわかりません。なので、わたしの意見より、フレドさんたちからリキ様やセリナさんに聞きたいことがあると思うので、今のうちに聞いておいた方がいいと思います。」

そりゃアリアは見てないのに意見なんてねぇよな。アリアなら俺らの話を聞いただけでアドバイス出来るんじゃないかと思ったが、さすがにそれはねぇか。

「なにかあるか?わかる範囲でなら答えるぞ。」

「はい!」

挙手制なのか。ちなみに一番最初に手を挙げたのはカーフだ。

「なんだ?」

「リキ様は相手の攻撃を避けながらどうやって反撃してるんですか?」

俺への質問か。
どうやってといわれても、観察眼のおかげってのが八割くらいを占めてそうだが、それじゃなんの参考にもならねぇよな。

「他のやつも俺以外に質問があったら待たずにどんどん聞いてっていいからな。」

「「「「はい!」」」」

返事をするとすぐにアリアやセリナに質問を始めた。意外にもヒトミとニアも質問されていた。

さて、カーフの質問にはなんと答えればいいのか…日本にいた頃はどんなことを考えながら喧嘩してたっけな?ほとんど感覚なんだけど、カーフとの違いはなんだ?

「そうだな。まずは目を戦闘に慣らさなきゃ避けることもままならないだろうな。それに関しては徐々に強い敵と戦ってれば自然に慣れてくるだろ。ただ、今日の戦闘を見る限り、カーフは目で追えてないってわけではなかったから、隙を見つけてそこを突けばいいだけだ。もし隙を見つけられなかったら作ればいい。せっかく魔法があるんだから、威力がなくても魔法名が短い魔法を1つ覚えておけば一瞬の隙を作るくらいは出来るだろ。あとは………そういやカーフが鎧を着たオークと戦ってるとき、ハナから攻撃は捨ててただろ?あれは戦力差からしても仕方がない気もするが、常に隙をうかがっているという素振りだけでもしておかなければ、相手は守りを捨てた攻撃を仕掛けてくるかもしれないから余計に反撃しづらくなるんじゃねぇの?相手が守りを捨てるのを狙ってやるならいいんだけど、そのつもりがないならあからさまに攻撃を捨てるのは良くないと俺は思う。」

「ありがとうございます!」

とりあえず思いついたことをそのまま答えたら、カーフは真剣にメモを取り始めた。
そんなメモするほど立派なことはいえてないからやめてほしいんだが、少しでもタメになってるんだと信じよう。

その後もフレドたちは俺らに質問をし、俺らがそれに答えるのが続き、気づいたらけっこうな時間が経っていた。ドラとムスカが眠そうだ。

ちょうど切りが良さそうだし、ここまでにしとくか。

「じゃあこのあたりで反省会は終わりだ。明日もクエストを受けるつもりならしっかり寝て、体力を回復させておけよ。」

「「「「「はい!ありがとうございました!」」」」」



フレドたちが立ち上がって頭を下げたあと、食堂を出て行ったからこれで終わりかと思い、俺もテンコをどかしてから立ち上がって、座り続けて固まってた体を伸ばした。



「やっと戦えるね!」




………は?



いきなり隣のイーラがニコニコしながら意味がわからないことをいってきた。

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