クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!
142話 王女の恋心
おお、やっぱりエミリアさんみたいな人でも、恋の話となれば、戸惑うものなのかな?
エミリアさんは、たどたどしくはあるものの、話を始めた。
「まあ、なんと言うか…、私が勇義様に……ほ、惚れた理由は、………一目惚れに近いものだと思います。」
一目惚れに近いものねぇ。
「私が一目惚れした理由は、私が幼少期に読んでいたある本が大きく影響しています。ガイドミル王国を中心に拡がっている一つの童話と言うか、伝記の様な物なのですが、その物語の名前は勇者物語と言います。」
「あ!その物語は知ってますよ。ガイドミル王国は言わずもがな、その他近隣諸国に伝わる三百年前の実話を物語にしたものだったはずです。」
エミリアさんの言った勇者物語に反応して、リリアが答えた。
三百年前の実話か………三百年前にも僕らと同じように異世界から召喚された地球人の話ってことかな?
三百年前と言えば、西暦1700年台位か………あの時代って何があったっけ、歴史と英語は得意じゃないんだよなぁ。
「はい。勇者物語は三百年前に召喚された勇者が魔族との戦争を終結させるまでの実話のお話なのです。」
「三百年前の魔族との全面戦争後期、ガイドミル王国も魔族達に滅ぼされる間際でした。その最中に行われた異世界人召喚魔法により、異世界から現れた勇者とその仲間6人は、それぞれが様々な才能に秀でており、僅か5年でガイドミル王国の戦争の前線を押し返し始めるほどの強さがありました。そして勇者は強さだけでなく性格も優れ、時には市民を救い、時には商人を守り、仲間達を大切にしていました。勇者の回りには、平民・貴族・冒険者、そして当時の王女様、様々な人が勇者を慕い集まっていたそうです。勇者様は最終的に魔王の住まう城まで、前線を押し進めます。すると勇者は魔王とは一対一で勝負すると言い、一人で魔王城に行き、そして勇者は帰えってきませんでした。しかし、それ以降、魔族が襲ってくることはなくなり、戦争は終結したのです。………これが勇者物語の大雑把な内容です。」
うーん。
この物語通りなら魔王は三百年に倒されたってことか?
じゃあ、今回召喚された僕らが倒せって言われた魔王は何者なんだ?
「魔王は世襲制の存在なのか?」
「すいません。詳しいことは何も分かってないのです。ただ魔王は個人の名前を表しているわけではなく、魔族達の長の事を表しているようですね。」
「なるほど………。あともう一つ気になるのは、勇者は魔王と戦いに行ったあと帰ってこなかったって話みたいだけど、魔王と相討ちしたってことですか?それとも………元の世界に帰る方法を魔王に聞き元の世界に帰ったのか?」
「すいません。それはどちらとも言えないです。当時の詳しいことは何一つ分かってないのです。何しろ勇者は一人で戦いに挑んだのですから。ですが、世論的には魔王を倒したあと、元の世界に帰った説が有力です。」
ガイドミル王が魔王が帰還魔法を知ってるかもって言ってたのは、ただのデマカセかと思ってたけど、この話を聞く限り、一度は魔王ってのに会ってみないといけないのかなぁ。
魔王は敵性の存在なの不安だが、帰還の方法は知っておきたい。
「まあ、そんなわけで勇者物語というお話は、私が幼少のころから何度も読んでいた言わば憧れのお話なのです。力を持っていて、性格も勇気も全て持ち合わせた素晴らしい人格者、この国の子供全ての憧れです。そして物語の中には王女様との淡い恋の話もありました。そんな本の中の勇者に憧れて幼少期を過ごし、この年になって実際に勇者様を召喚する機会にも恵まれ、恥ずかしながら物語の様な恋に私は、期待を寄せていたのです。」
なるほど………勇者は憧れの存在ねぇ。
まあ、勇者という存在に恋い焦がれていて、やっとの思いで勇者を召喚、そして、自分は王女という勇者に最も近い位置にいる女性、更に三百年前の王女は実際に勇者と淡い恋をしていた。
物語の王女にエミリアさんは自分を重ねてたのかな?
一見、勇義はリーダーシップを持っていて、仲間の事を大事にしていて、物語の勇者にとても良く似ている………。
だけど、ある程度冷静に第三者視点で、勇義とその周囲を見ていると勇義の欠点はたくさん見えてくる。
僕らのクラスメイトは殆どの人間が気付いてなかったが、エミリアさんは、その欠点に気付いてたはずだと思うけど………。
「でも、勇義は物語の勇者に似てはいますが、本質は大きく違うように思いますが?欠点もありますし………物語の勇者との違いに気付いて恋が冷めたりはしなかったんですか?」
「そうですね。確かに勇義様は物語の勇者とは違いますが、私は本質は一緒だと思いますよ?困っている人を助けたい。だたそれだけだと思います。勢いにやる気が空回りして、周囲の声が届いていないところはありますが、隣で支えてくれる人が居れば、勇義様は物語の勇者にも負けない素晴らしい人になれると思います。」
うぅ…………勇義のあれが困っている人を助けたいなんて生易しいものには思えないけどなぁ。
ただ目の前で、ほんのり頬を赤らめながら話すエミリアさんを見ていると、そう言って彼女の恋を邪魔するのは気が引けた。
「私は勇義様に恋をしたことを何一つ後悔してませんよ?ライバルが多くても、勇義様に想い人が居たとしても、私は勇義様を好きになって良かったと思ってます。」
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コメント
ノベルバユーザー152942
面白いんだけど、誤字脱字があまりに多い
TNKt_k
皆さん、コメントありがとうございます
【そういう】は使わず【そういった】とか使っていきますね♪
【ステータス】の誤字、いつもながら誤字のご指摘ありがとうございます。
誤字の箇所を見つけて修正させてもらいます。
あと、応援コメントありがとうございます。
私は他の小説投稿サイトでは、いつも言ってるんですが、偏頭痛持ちで時々更新が遅れます。
仕事も一応あるので、中々………。
かなりのマイペースですが、一応普段は隔日更新です。
ゆっくりですが、美月君行く末をにこれからも一緒に見守って貰えると嬉しいです。
あと、Twitterも一応やってます。
TNKt_k(趣味)で出てきますね。
特に小説については告知したりとかはしないのであんまり皆さんは興味湧かないかも知れませんが暇なら(。>ω<)ノ見に来てください。
まあ、ツイートなんて滅多にしないんですけどね。
TNKt_k
遅くなってすいません。
一週間前に夕勤からの八時間残業で体調を崩してしまいました。
夏バテですかね。
今日は休みなので体調を治して更新頻度を元に戻して行きたいと思ってます。
本編については、私は恋愛経験ほぼゼロなので勝手な予想で恋心を考えてます。