クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!
148話 妖精との絆
「ってなわけで、レヴィアタンと一戦交えることになる。」
今は、僕達のキャンプ地に戻ってきて、皆にヒスイの気持ちとヒスイを連れて島を出ることを説明した。
まさかレヴィアタンと戦う必要が出てくるとは………。
一度ヒスイに対して、「島から連れ出してやる」と言ったのに、今さらレヴィアタンが怖いからやっぱなし。とはとても言えない………。
可能限り、戦闘は避ける方向で行こうとは思っているが、戦闘無しでこの島を出れると思って行動するのは、なかなか危ういだろう。
何事にも、準備は万全にしておくべきだ。
「私にとっては、ヒスイは既に仲間ですからね。仲間の為に多少命を張るのに反対はありません。」
「ニキスも今更マスターと離れて一人で暮らしていくなんて堪えられないと思う。一緒に着いてくるべき。」
「ムギュ」
リリア、ニキス、ラズリは賛成してくれている。
リリアやニキスは、初めはヒスイの事を警戒していたが、この数日間の間にしっかり信頼を育めたようだ。
勿論、僕も初めは警戒していたが、今は当然仲間だと思っている。
だからこそヒスイを連れてこの島から出るつもりだしな。
だが、問題はエミリアさんかな?
「エミリアさんは、それで大丈夫ですか?」
「私は皆さんにお世話になっている身ですし、ヒスイさんも親しくさせていただいてますから異論はありません。ですが、レヴィアタンは最強クラスの強さだと思います………。確かに美月さんやリリア達は強いですが、格上相手に不利な海上戦を強いられるのでは?」
まあ、それが問題だが。
「まあ、エミリアさんの言う通り、その懸念は確かにある。………だが、レヴィアタンはあくまでも、ここがナワバリだから攻撃してくるだけに過ぎない筈だ。それなら防御に専念してナワバリを抜ければいい。それなら格上相手でもなんとかなるかもしれない。詳しい作戦は今後詰めていくとしよう。じゃ、その方針で大丈夫か? 」
「「了解です(ムギュ)(分かりました)!」」
「ありが……とう………。危険なのに皆………ありがとう。」
ヒスイが感謝の言葉を皆に伝えている。
「因みに、ヒスイの昔の姿というのは、どんな感じなのですか?」
昔の姿というのは、さっきヒスイが自分で語った僕達がこの島に来る前の姿の事を言っているのだろう。
確か、僕達がこの島に来て、人間の信仰や思いを受けたから姿が人よりの物になったって話だったが………。
確かにきになるかな?
「え………言わないとダメ?」
「いえ、別に嫌と言うなら大丈夫ですよ?気になるって程度ですし………。」
リリアの質問に対してヒスイは悩むように下を向く。
数秒間悩むようにしていると、前を向き話をしだす。
「皆は、私を仲間だと言ってリスクを背負ってくれているし、隠し事はしたくない。それに過去の私のことも知って欲しい。…………ちょっと待って。」
そう告げると、ヒスイは集中するような動作をしている。
「どうしたんだ?」
「妖精は、まだ存在が安定してないから妖精本人が意識すれば、見た目くらいは変化させれるのよ。精霊になったら流石に無理だけどね。」
ヒスイが話を終えると、突然姿が景色に溶け込むように掻き消えた。
どうやら昔の姿とやらに、変身してくれるらしい。
「人の姿に比べると、かなり体積が大きいからもうちょっと待ってて。」
何処かより声が聞こえた。
この感覚は、ジェネラルオーガと戦っていたときに、初めて聞いたヒスイの声の感覚にそっくりだ。
しばらく待つと、周囲からヒスイが先程までいた場所に、木の葉が集まってきた。
一分程掛けて木の葉は集まり続け、昔のヒスイの形を型どる。
「こんな感じかな?」
ヒスイの昔の姿とは、何本もの木の幹が複雑に絡まり創られたような木龍だった。
元の世界の言葉で分かりやすく表現するなら、西洋のドラゴンとは違い、日本や中国での龍に似た見た目をしている。
「随分格好いい姿じゃないか?」
「ちょっと輝夜!私は女なんだから格好いいとか言われても嬉しくないわよ?」
そう言いながらも、ヒスイは安心したように話している。
恐らく人間からかけ離れた姿を見て、自分の事を嫌われるかもしれないと思っていたんだろう。
「今更見た目ごときで、ヒスイの事を遠ざけたりしませんよ。何せ私達は誰一人として同じ種族は居ないのですから。」
「私も見た目は対してきにしてませんよ。」
どうやら同じように考えたのは、僕だけでは無かったようでリリアとエミリアさんかヒスイにそう告げた。
でも、そういえば確かに僕らのパーティーには、同じ種族はいないな。
ニキスとラズリは同じ魔物という枠組みではあるが、スライムと猫では、種族として違いが大きすぎるからな。
「それにしても、なんてを龍なんだ?」
見た目が違うのは、ヒスイの説明を聞いて理解した。
だけど龍の見た目ってのが理解出来ない。
普通なら世界樹に関係してトレント等のような木の化け物って見た目じゃないのか?
「それはこの島で世界樹に最も影響の大きな信仰や思いの元がレヴィアタンだからよ。この島付近でも次元の違う強さを持った生き物だから、その分、信仰等の影響も強力だったのよ。因みにレヴィアタンの姿は私の海バージョンってところよ。」
なるほどレヴィアタンの姿が大体分かったのは、都合が良い。
これである程度、対策参考に出来る。
「そういえば、[魔物キラー]とか[バトルホリック]とかの称号は何で手にいれたんだ?何か理由があったのか?」
初めて出会ったときに、気になった称号二つ、ずっと気にはなっていた。
これ等は、後日ヒスイに許可をとって詳しく[高位鑑定]した時に、簡単な取得条件を理解できた。
[魔物キラー]は魔物を膨大な数倒すこと、[バトルホリック]は膨大な数の戦闘をすることが条件のようだ。
都合がいいし、今のうちに聞いておくべきだろう。
「そ、それは………、先代の死因の影響かな?先代はレヴィアタンとの戦闘に敗れて、願いが叶わなくて死んだわけで、強さを求めて死んだんだと思う。その記憶や思いが私に引き継がれたわけだから、私が若い頃は特に影響を大きく受けていたと思うの。だから、その辺にいた魔物に片っ端からケンカを売ってた気がするわ。運が良いことにこの島では世界樹の妖精である私が死ぬことなんて、早々ないわ。だから順調に強くなっていってその称号を手にいれたわけよ。勿論、今は輝夜達がいるから、過去の記憶なんかに振り回されたりしないわ。」
なるほど………。ヒスイも色々大変だったんだな。
それにしても、見た目は僕とそれほど歳の変わらないヒスイが若い頃なんて言ってるのを見ると、背伸びして大人振っている子供のようで微笑ましい。
今は、僕達のキャンプ地に戻ってきて、皆にヒスイの気持ちとヒスイを連れて島を出ることを説明した。
まさかレヴィアタンと戦う必要が出てくるとは………。
一度ヒスイに対して、「島から連れ出してやる」と言ったのに、今さらレヴィアタンが怖いからやっぱなし。とはとても言えない………。
可能限り、戦闘は避ける方向で行こうとは思っているが、戦闘無しでこの島を出れると思って行動するのは、なかなか危ういだろう。
何事にも、準備は万全にしておくべきだ。
「私にとっては、ヒスイは既に仲間ですからね。仲間の為に多少命を張るのに反対はありません。」
「ニキスも今更マスターと離れて一人で暮らしていくなんて堪えられないと思う。一緒に着いてくるべき。」
「ムギュ」
リリア、ニキス、ラズリは賛成してくれている。
リリアやニキスは、初めはヒスイの事を警戒していたが、この数日間の間にしっかり信頼を育めたようだ。
勿論、僕も初めは警戒していたが、今は当然仲間だと思っている。
だからこそヒスイを連れてこの島から出るつもりだしな。
だが、問題はエミリアさんかな?
「エミリアさんは、それで大丈夫ですか?」
「私は皆さんにお世話になっている身ですし、ヒスイさんも親しくさせていただいてますから異論はありません。ですが、レヴィアタンは最強クラスの強さだと思います………。確かに美月さんやリリア達は強いですが、格上相手に不利な海上戦を強いられるのでは?」
まあ、それが問題だが。
「まあ、エミリアさんの言う通り、その懸念は確かにある。………だが、レヴィアタンはあくまでも、ここがナワバリだから攻撃してくるだけに過ぎない筈だ。それなら防御に専念してナワバリを抜ければいい。それなら格上相手でもなんとかなるかもしれない。詳しい作戦は今後詰めていくとしよう。じゃ、その方針で大丈夫か? 」
「「了解です(ムギュ)(分かりました)!」」
「ありが……とう………。危険なのに皆………ありがとう。」
ヒスイが感謝の言葉を皆に伝えている。
「因みに、ヒスイの昔の姿というのは、どんな感じなのですか?」
昔の姿というのは、さっきヒスイが自分で語った僕達がこの島に来る前の姿の事を言っているのだろう。
確か、僕達がこの島に来て、人間の信仰や思いを受けたから姿が人よりの物になったって話だったが………。
確かにきになるかな?
「え………言わないとダメ?」
「いえ、別に嫌と言うなら大丈夫ですよ?気になるって程度ですし………。」
リリアの質問に対してヒスイは悩むように下を向く。
数秒間悩むようにしていると、前を向き話をしだす。
「皆は、私を仲間だと言ってリスクを背負ってくれているし、隠し事はしたくない。それに過去の私のことも知って欲しい。…………ちょっと待って。」
そう告げると、ヒスイは集中するような動作をしている。
「どうしたんだ?」
「妖精は、まだ存在が安定してないから妖精本人が意識すれば、見た目くらいは変化させれるのよ。精霊になったら流石に無理だけどね。」
ヒスイが話を終えると、突然姿が景色に溶け込むように掻き消えた。
どうやら昔の姿とやらに、変身してくれるらしい。
「人の姿に比べると、かなり体積が大きいからもうちょっと待ってて。」
何処かより声が聞こえた。
この感覚は、ジェネラルオーガと戦っていたときに、初めて聞いたヒスイの声の感覚にそっくりだ。
しばらく待つと、周囲からヒスイが先程までいた場所に、木の葉が集まってきた。
一分程掛けて木の葉は集まり続け、昔のヒスイの形を型どる。
「こんな感じかな?」
ヒスイの昔の姿とは、何本もの木の幹が複雑に絡まり創られたような木龍だった。
元の世界の言葉で分かりやすく表現するなら、西洋のドラゴンとは違い、日本や中国での龍に似た見た目をしている。
「随分格好いい姿じゃないか?」
「ちょっと輝夜!私は女なんだから格好いいとか言われても嬉しくないわよ?」
そう言いながらも、ヒスイは安心したように話している。
恐らく人間からかけ離れた姿を見て、自分の事を嫌われるかもしれないと思っていたんだろう。
「今更見た目ごときで、ヒスイの事を遠ざけたりしませんよ。何せ私達は誰一人として同じ種族は居ないのですから。」
「私も見た目は対してきにしてませんよ。」
どうやら同じように考えたのは、僕だけでは無かったようでリリアとエミリアさんかヒスイにそう告げた。
でも、そういえば確かに僕らのパーティーには、同じ種族はいないな。
ニキスとラズリは同じ魔物という枠組みではあるが、スライムと猫では、種族として違いが大きすぎるからな。
「それにしても、なんてを龍なんだ?」
見た目が違うのは、ヒスイの説明を聞いて理解した。
だけど龍の見た目ってのが理解出来ない。
普通なら世界樹に関係してトレント等のような木の化け物って見た目じゃないのか?
「それはこの島で世界樹に最も影響の大きな信仰や思いの元がレヴィアタンだからよ。この島付近でも次元の違う強さを持った生き物だから、その分、信仰等の影響も強力だったのよ。因みにレヴィアタンの姿は私の海バージョンってところよ。」
なるほどレヴィアタンの姿が大体分かったのは、都合が良い。
これである程度、対策参考に出来る。
「そういえば、[魔物キラー]とか[バトルホリック]とかの称号は何で手にいれたんだ?何か理由があったのか?」
初めて出会ったときに、気になった称号二つ、ずっと気にはなっていた。
これ等は、後日ヒスイに許可をとって詳しく[高位鑑定]した時に、簡単な取得条件を理解できた。
[魔物キラー]は魔物を膨大な数倒すこと、[バトルホリック]は膨大な数の戦闘をすることが条件のようだ。
都合がいいし、今のうちに聞いておくべきだろう。
「そ、それは………、先代の死因の影響かな?先代はレヴィアタンとの戦闘に敗れて、願いが叶わなくて死んだわけで、強さを求めて死んだんだと思う。その記憶や思いが私に引き継がれたわけだから、私が若い頃は特に影響を大きく受けていたと思うの。だから、その辺にいた魔物に片っ端からケンカを売ってた気がするわ。運が良いことにこの島では世界樹の妖精である私が死ぬことなんて、早々ないわ。だから順調に強くなっていってその称号を手にいれたわけよ。勿論、今は輝夜達がいるから、過去の記憶なんかに振り回されたりしないわ。」
なるほど………。ヒスイも色々大変だったんだな。
それにしても、見た目は僕とそれほど歳の変わらないヒスイが若い頃なんて言ってるのを見ると、背伸びして大人振っている子供のようで微笑ましい。
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