クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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159話 対レディア戦2

僕の隣まで戻ってきたリリアが躊躇いながら話す。

「………美月様……視線が………。嬉しくはあるのですが恥ずかしいです。」

ヤバい。
太腿を見すぎてた。
それにしても頬を赤らめながら小声で話すリリア可愛すぎ。

「コホン!……それにしても海にいられてはまともに手も出せません。初速が遅くなるので躱すのもギリギリとなってしまいますしなんとかしたいところですね。MPも無駄遣いできる相手ではありませんし。」

恥ずかしさを誤魔化すためか、咳払いをしたのちに早口でまくしし立てる。
リリアが言っている初速が遅くなるというのは、[エアロダッシュ]の話だ。
[エアロダッシュ]は風魔法を足に纏い空中でステップを踏める魔法。
その性質上、硬い土を踏みしめて走るのに比べて、気体である空気では踏ん張ることが出来ない為かなり初速が落ちる。
代わりに加速し始めれば、普通に走るよりも速く走る事ができる利点はあるのだが………。

「そうだね………。森で木を伐ってきて海に浮かべれば幾らかはましになるだろうけど………。」

海に木を浮かべれば、[エアロダッシュ]で空気を踏みしめるよりましにはなる。
だけどレディアが水魔法で木を何処かに押し流してしまえば、再び足場が無くなるし、足場が脆すぎて着地した途端へし折れて海に落ちてしまう可能性もある。

そこへ後ろから追い掛けて来ていたヒスイが話し掛けてくる。

「困ってるようね輝夜。私に任せなさい![プラントコントロール]!」

ヒスイの発動させた[プラントコントロール]により海中から植物の根のような物が何本か生えてきて、水面に沿って成長している。
太さは3m近い幹だ。
これならしっかりとした足場になるし、戦闘の幅も広がる。

「ふふ~ん♪どうよヒスイちゃんの実力は~?頼りになるでしょ?」

「ああ、本当に助かったよ。流石だ。」

「………そ、そんなにはっきり言われるなんて…。ま、まあ、私に感謝しなさい。」

初めの方は小声で恥ずかしがりながら話していたが、きっちり聴こえている。
僕は鈍感系主人公ではないのだ。

「足場ナイスです。」

そう言いながらニキスが木の幹に飛び乗り、レディアに駆け寄る。
ニキスはレディアに近付くとレディアの体に飛び乗り首筋に近付くと短剣を振り上げる

「[アサシンエッジ]!」

ニキスの短剣はレディアの体に傷をつける。
しかし、リリアの大剣よりも更に小さいニキスの剣では雀の涙程のダメージしか通っていない。

《煩わしい!!》

レディアはそう叫びながら体をくねらせている。
これにはニキスも堪えきれずヒスイの作った木の幹に飛び帰る。
レディアはニキスを自分の体から振り落とすと、そのまま周囲の木の幹を破壊する。

「あぁ~!!折角私が足場を作ったのに!………負けない!![プラントコントロール]」

ヒスイは負けじと再び木の幹を成長させてきっきよりも更に沢山の足場を造り出す。

《うぬ!キリがない。》

いくら破壊しても再生してくる木の幹に業を煮やしたのか、狙いをヒスイに切り替える。
ヒスイに向かって高圧の水のレーザーが飛んでくる。
ヤバい幾らヒスイでもあれを喰らったらかなりのダメージだ。

「ムギュキュ」

そんな気の抜ける声と共に、水のレーザーとヒスイの間に割り込んできた存在がいた。
そう、脳筋パーティーの僕らの中で唯一の防御役ラズリだ。

「ムギ![ムギュキュ][ムキュキキ]!」

今までは格上との戦いでいつも爆散していたラズリだが、今回は一味違う。
まずは[硬化]にて自分の体を硬化させ、[物質変化]にて体を綺麗なシルバー色の金属に変化させる。
[物質変化]で変えた体の材質は魔銀ミスリル
日本では当然存在しない異世界特有の金属だ。
何故ラズリがプラチナに体を変化させれるかと言うと、一週間位前にレディアに消し飛ばされた鉄を再び集めるために、様々な場所で採掘をしていたときに見つけた偶然発見したプラチナがきっかけだ。
元々は戦力強化の意味で僕の[鉄装撃]の次世代型として、魔鉄装撃の様なものを開発しようとして土魔法で操作する練習をしていたのだが、ある日、魔鉄ミスリルの芳醇な魔力の香りに牽かれてラズリが食べてしまったのだ。
するとラズリは[物質変化]でミスリルに体を変えることが出来るようになったので結果的に戦力アップに繋がったので万々歳だ。
因みにミスリルの性質は弾性や硬度は鋳鉄の二倍、魔法電導率や魔法吸収力は鋳鉄の8倍近い。
どちらかと言うと魔法系寄りの金属であるが、それでも鉄よりは遥かに良い素材なのだ。

そして、意気揚々と間に割り込んだラズリはレーザーが体に接触する瞬間もう一つスキルを発動させた。

「[ムギュ]」

恐らく発動させたスキルは[衝撃吸収]これは単純に衝撃を吸収するのスキルだ。
そして、遂にレーザーとラズリが接触した。

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