最弱が世界を救う。

しにん。

《暴食》1

 ケルベロス襲撃から30分。ようやくエクスたちは戦場についた。
「よし、では予定通り俺らは周りの雑魚敵を倒して警備隊の所に合流。解散!」
 合図と共に3人はそれぞれ別の方向に走った。


 東にエクス。西にレイン。南にリリー。
 1番敵が多い所を担当したレイン。
「私はなるべく敵を倒すことが目標だね。私は大丈夫だけどエクスくん大丈夫かな……」


 レインの心配をよそにエクスは悪魔と対峙していた。エクスの目の前にはざっと20体の悪魔がいた。
「もう昔の俺とは違う……頑張って修行したんだ。絶対に倒してやる……!」
 エクスは敵の中に突っ込んでいった。
 最初に2体攻めてきたがエクスは敵の攻撃を難なく避け反撃をする。
「はぁあああ!!!」
 エクスはたった一週間で見違えるほど強くなっていた。もうゴブリンに負けるエクスはいなかった。
「このまま押し切る!」


「私も遅れを取るには行きません。さぁ、屍たちよ敵を討ち滅ぼすのです。」
 リリーは死んだ人の魂を使い屍を扱う魔法を使った。リリーの前には屍が10体。ちょうど悪魔と同じ数だ。
「全軍。前へ。」
 リリーの合図で屍たちはいっせいに悪魔と戦う。


「皆やってくれてるみたいだね。私も負けないぞー!」
 レインの前にはざっと数えて50を超える悪魔がいた。それもそのはずレインが担当した西方向にはケルベロスが出たとされるゲートがあった。
「まずは少しだけでも敵を減らすか……な!」
 レインは無詠唱で炎のドラゴンを出す。
 ドラゴンは悪魔を一掃した。一瞬で50を超える悪魔は灰になって消えた。
「雑魚はどんだけ集まっても雑魚ってことだね。じゃ、とりあえずゲートは閉じないと。でもどうやって閉じればいいんだ……ぶっ壊す?」
 レインは悪魔を倒したあとゲートを閉じようとするがどう閉じるかわからない。
 するとゲートから1人の少年が現れた。
 見るからに人間ではない。悪魔だ。
「んん〜外の空気は美味しいねぇ〜。さてと、ケルベロスはどのくらい暴れてくれてるかな?おっ、いい感じいい感じ♪あはっ楽しくなってきた。」
「おいお前。一体何者だ?」
 レインは突如現れた人型の悪魔に話しかける。
「俺はベルゼブブ。《暴食》と言えばわかるかな?」
 人型の悪魔は七大悪魔の一角。《暴食》のベルゼブブだった。
「っ!ベルゼブブだと。何しに来たんだ。」
「軽い食事にと思ってね。恐怖する人間の魂ほど美味しいものはないんだぜ?」
 ベルゼブブは笑いながらレインの問に答える。
「ここから先には行かせないよ……」


 東のエクスと南のリリーは既に悪魔を倒してケルベロスの対処に向かっていた。
 一番近かったリリーが最初に着く。
「警備隊の皆様!アーネスト・リリーが応援に来ました!必ず勝ちましょう!」
 リリーに励まされケルベロスに気圧されていた兵士達が立ち上がる。

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