最弱が世界を救う。

しにん。

作戦。

「ルールとかはなくただ私と軽く剣を交えて欲しいだけです。」


エクス達3人はゼノから剣を交えて欲しいと言われた。特に断る理由もなく受ける事にした。
リリーは観戦するだけになった。


ひとまず外に出ることにした4人。
それぞれ木刀を持ち対峙する。


「先程も言いましたがルールは特にありません。死ぬ攻撃等は無しで、魔法も有り。今後支障が出る様な攻撃もなしでお願いします。」
「わかりました。それじゃお願いします。」


4人は木刀を構える。
ゼルは目をつむり精神を研ぎ澄ませる。
3人は特に話し合い等せずに《暴食》と戦った時のように臨機応変だけが作戦だった。


「では、参ります。」


最初に出たのはゼノだった。
まずはエクスを標的にし、エクスと1VS1へと持ち込む。
ほかの2人も一歩遅れて攻撃に移る。
ゼノは二人の攻撃を難なく避け一旦距離を置く。


「《暴食》を倒したと言うのは嘘ではないようですね。とてもお強い。」
「そちらこそ、最強の『アテナ』の隊長に相応しい強さです。」


エクスとゼノが互いを褒め称えると周りの空気が変わる。
嫌な予感がし3人は後ろへ飛ぶ。
瞬間、先程までたっていた場所に雷が落ちる。


「っ!これは魔法?」
「申し遅れました。私、ゼノ・フェンルはラフィナでは、ライトニングという二つ名があります。」


ゼノは腕利きの雷魔法の使い手である。
自身のスピードを上げることを得意とし、光速の斬撃は防御不可とまで言われ、雷で様々な戦いをする。
近距離では負け無しである。


「だったら!」


エクスは剣術の記憶を取り戻して日が浅いが、熟練と言えるほど扱えていた。
ゼノの剣さばきとほぼ互角と言えるほどの速度だった。
レインは強くなったエクスに見惚れて棒立ちだった。そのスキを見てゼノはエクスと剣を交えながら雷で攻撃する。
もちろん油断はしていなかったため軽く避ける。
セレネは少し離れ詠唱を唱えていた。
《暴食》と戦った時に見せた光の剣は強力である。が、その反面取り出すための時間がかかり実戦向けとは言えない。
《暴食》の時使えたのはエクスとレインの息ピッタリなコンビネーションのおかげで詠唱する時間が取れたからである。


「やっぱり最強の名は伊達じゃない……」
「エクスくん!二人で行くよ!」


エクスとレインはアイコンタクトだけで作戦を立てる。
二人の攻撃は反撃の隙を与えぬように連続攻撃をする。それでもなおゼノは軽々と剣を避けさらには反撃をする。
二人はゼノを甘く見ていなかったため反撃されることを予想していた。
《暴食》の時のように一瞬のアイコンタクトで左右に飛ぶ。
少し動揺するゼノの目の前にいきなりセレネが現れる。
これも当然のように防がれる。
3人はひとまず後ろへ飛び体勢を立て直す。


「やっぱり通用しない……それじゃあれをするしかないね。」
「そうだねエクスくん。」
「サポートはお任せ下さい。」


3人は作戦を立て再度ゼノと剣を交える。

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