最弱が世界を救う。

しにん。

結婚式。

式当日


「さて、行きますか!!」


三人は宿を出て城へと、戦場へと歩を進めた。
一般人に紛れるため変装をし、城へと潜り込む。


「作戦通りに、散っ!!」


エクスは正面を抑え、セレネとファントムは少し離れたところから様子を見ていた。


「お集まりの皆様、今日というこの日をお祝いして頂き誠にありがとうございます。」


司会者の案内で式が始まった。


「新郎新婦のご入場です。」


一斉に拍手が沸き起こり、会場が震えていた。
レインは普段と変わらないような白いドレスで入場してきた。


「レイン絶対に助けるから……待ってて。」


刻一刻こくいっこくと、作戦開始のリミットが迫る。
一度でも踏み間違えるとそれは失敗。
ミスが許されないという状況にエクスは少し震えていた。


「エクスさん……どうかレインさんを。」
「さぁ、作戦開始です。存分に暴れましょう。」


「貴方は生涯、新婦に愛を誓いますか?」
「あぁ」
「それでは誓いのキスを……」


国王とレインが誓いのキスをする直前、セレネの閃光弾が爆発する。
その一瞬の隙で、エクスはレインを取り戻す。


「まずは第一段階成功。レイン大丈夫か?」


レインは人形のように動かない。


「レイン……国王、貴様何をした。」
わしはただ娘が嫁になるように説得しただけだ。まぁ、手段は選ばなかったがな。」
「この、外道がっ!!」


エクスが国王へ剣を振りかざすと跳ね返された。


「王、無事ですか?」
「無事だ。トールこの者を殺せ。」


国王の秘書は化けの皮を剥ぎ、悪魔へと姿を変える。


「《強欲》の使い魔、トロール。お前らには勝ち目はない。諦めろ。」


式に来ていた国民は誰1人逃げようとせず、エクスへ視線を向けている。


「一体何が……」


すると突然国民がエクスへ襲いかかる。
一人また一人と攻撃を仕掛けてくる。
動きそのものは鈍いため、何とか対処するが多勢に無勢。
押し切られるのも問題、そう思った瞬間国民も化けの皮を剥ぎ悪魔へと姿を変える。


「ファントムさん、予想通りラズの国民全てが悪魔のようですね。」
「ふむ、ということは全員殺していいんだよね?」
殲滅せんめつします。突っ込みますよ!!」


二人は攻撃態勢に入りエクスに加勢する。


「エクスさん国民は全員悪魔です。存分に力を発揮してください。」
「なに、そうかわかった!!」


エクスは剣を生成し悪魔を倒していく。


「この悪魔は、ゴブリン?」
「単体では弱いですが、数が多いため厄介ですね。」
「それでは、私が行きます。」


ファントムが指を鳴らすと落雷。
半分以上のゴブリンは消滅した。


「よし、このまま押し切るぞっ!!」


国王の秘書、トロールは少し焦りを見せていた。
会場にいたゴブリンは約100体。
流石にこの量だと無理だろうと侮っていた。


「残すはボスのみ、勝ち目がないのはお前だっ!!」
「追い詰められた……ですか。いいでしょう、本気で行かせてもらいます。」


トロールはまた姿を変え巨躯へとなる。


「なんだこのでかさは……だけどやるしかない!!来い、リヴァイアサン!!」
光臨こうりんの矢!!」


セレネは今までとは違い、剣ではなく弓矢を作り出す。
矢は光の如き速度でトロールへと飛んでいく。
トロールへ当たったのを確認して、エクスは喜ぶ。
が、すぐに傷が癒えていく。


「再生……だと?」
「そんな攻撃屁でもない。」


更に追い討ちを書けるようにファントムがトロールを殴り、腹に穴を開けるが再生する。


「マーメイドよりも厄介だ。弱点が見当たらない……」


エクスたちは攻撃を仕掛けるが全て再生され、全員が為す術なく魔力が底を付き始める。

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