最弱が世界を救う。
犯罪者。
「『アテナ』チームニケ隊長ゼノ、これより犯罪者を確保します」
「ご主人様には指一本触れさせやしない」
ゼノとミルティが睨み合うとそれを合図のように、ゼルの遠距離射撃が牙をむく。
ミルティの許容範囲内のため、全ての動きは把握されていた。
「流石に当てるってなったら至難の技っすね。だったらこれはどうっすか?」
再度、遠距離射撃が飛んでくるが難なく避ける。
「あまり私を舐めないでもらいたい───」
ミルティが余裕の顔をした瞬間、右腕に激痛が走りだす。
「やっぱり、五感が凄いっすね。でも見えたり聞こえたりするものだけで判断するのは良くないっすよ」
「一体どうやって私に当てることが」
「透明の弾丸。この弾丸は透明で無音。いくら五感が凄くても察知出来なかったら無意味っすね」
見えない攻撃によってミルティの体は蜂の巣状態だった。
アブノーマルの個体で無かったら既に死んでいる怪我を負っているが、凄まじい再生能力により回復する。
「ゼル、いつも通りで頼む」
「がってんっす!!」
ミルティが恐れていた光景が目の前に広がる。
遠距離と近距離のタッグ相手に一人だと分が悪い。
唯一の味方であるソロモンも未だに麻痺から逃れる事は出来ていない。
「それでも私は全てを倒すのみ!!」
覚悟を決め、向かってくるゼノと交戦する。
剣と拳の戦いは圧倒的に剣が有利である。
攻撃範囲が短い上、決定打を決めることが難しい拳は実戦向きではない。
それが普通の考えだ。
ミルティがアブノーマルだからこその作戦が実行される。
「な──ッ!!馬鹿だろ、真正面から突っ込んでくるとか私たちの思うつぼっすよ!?」
「ゼル、油断は禁物だ。常に全ての状況をして想定しろ」
音速を超えるスピードでゼノへと突進し攻撃&退避。
一瞬の出来事だったが、両者血を流す。
致命傷は無いものの一手で戦況がガラリと変わった。
「ゼノ───ッ!!」
「大丈夫だ、この程度ただの擦り傷だ。まだ戦える」
優勢なのは────ミルティ。
ゼノの左肩へと大ダメージを与え、戦力を大きく削いだ。
「まさか二対一で劣勢に回るとはね。これがアブノーマルという個体か、より野放しには出来なくなった」
傷口を抑え止血する。
しかし無情にも血は止まらず溢れ出す。
このままでは大量出血により死が待っている。
「ゼノ、早く血を止めないと」
「させない!!」
追い打ちをかけるように再度ゼノへと突進する。
「引っ込んでろっす」
見えない弾丸に足を貫かれ、勢いよく転倒する。
なんとか体制を立て直し周囲を警戒すると、背中に嫌な汗をかく。
「弾丸の監獄!!」
三百六十度全方向見渡す限り、空中に弾丸が止まっている。
回復力が高くとも不死身ではない。
その対策としてゼルは弾丸で檻を作り、回復力を上回る攻撃の手数で勝負する。
「ショット!!」
全ての弾丸が一斉にミルティへと一直線に発射する。
激しい轟音と砂埃が立ち上がり、ゼルは勝利を確信した。
「ミルティ───ッ!!」
だいぶ痺れが取れてきたソロモンはミルティの名前を力いっぱい叫ぶ。
「大丈夫です、ご主人様。合計弾数二百三十七発中命中した弾は五発です。致命傷はうまく避けれました」
砂埃から出てきた人影からは勇ましく、歴戦の勇者のような風格だった。
「まさか、全てを避けたっすか!?有り得ないっすよ!?」
「ゼル、あれはただのアブノーマルじゃない。恐らく段階『神』に到達しつつある。今以上に厄介な相手になるぞ」
「わかったっす、私も全力で────」
「いや、大丈夫だ、俺一人でやる。ゼルは回復魔法の準備を頼む」
ミルティの髪の色は茶から白へと染まっていた。
生き物の領域を超えた、神とも思わせるほどの圧倒的な存在感。
世界最強の軍隊『アテナ』の総隊長ゼノでさえも圧倒されていた。
「ミルティ、ようやくお前も段階『神』に辿り着けたか」
「ご主人様、ここは一旦逃げましょう。あちらはまだ全力という訳では無さそうですが、私は全力です。まとめに殺りあっては勝ち目はないと思います」
「お前でも無理そうか、了解した。グリモワール・ゴエティア展開、召喚セーレ。人気のない場所へ移動させろ」
「了解した」
本から出てきた男はすぐに二人の肩に手を置く。
「まずい、させるかああああああ!!」
ゼノは渾身の力で雷の飛び道具を作り、光速で放つ。
当たる直前で、ソロモン達は消える。
「消えた!?まさか転移魔法っすか?」
「違う、あれは明らかにグリモワールと呼ばれる本の力だ。それにあれは禁書と呼ばれるゴエティアか?そうだとしたらこの世界が危ない」
「グリモワール?禁書?ゴエティア?危ない?訳わかんないっす」
「グリモワールは魔法が記された本だ。ゴエティアは禁書と呼ばれる、悪魔を召喚出来る。世界が危ないってのは、それを使えば容易く世界を終焉へと誘える」
「なんだか、やばそうな相手っすね。探さなくていいっすか?」
「一応レインから連絡は入っている、『エクスくんを見つけたら確保して欲しい。それは偽物だ』ってね。それにあの口振りからして恐らく策はあると思うから、後は任せる事にするよ」
「いやぁ〜、強かったっすね。あの男の方とも戦ってみたかったっす」
「それは同意見だが、もう二度と会えないかもな」
戦場に背を向け、ゼノは救護班の所へと向かう。
「ご主人様には指一本触れさせやしない」
ゼノとミルティが睨み合うとそれを合図のように、ゼルの遠距離射撃が牙をむく。
ミルティの許容範囲内のため、全ての動きは把握されていた。
「流石に当てるってなったら至難の技っすね。だったらこれはどうっすか?」
再度、遠距離射撃が飛んでくるが難なく避ける。
「あまり私を舐めないでもらいたい───」
ミルティが余裕の顔をした瞬間、右腕に激痛が走りだす。
「やっぱり、五感が凄いっすね。でも見えたり聞こえたりするものだけで判断するのは良くないっすよ」
「一体どうやって私に当てることが」
「透明の弾丸。この弾丸は透明で無音。いくら五感が凄くても察知出来なかったら無意味っすね」
見えない攻撃によってミルティの体は蜂の巣状態だった。
アブノーマルの個体で無かったら既に死んでいる怪我を負っているが、凄まじい再生能力により回復する。
「ゼル、いつも通りで頼む」
「がってんっす!!」
ミルティが恐れていた光景が目の前に広がる。
遠距離と近距離のタッグ相手に一人だと分が悪い。
唯一の味方であるソロモンも未だに麻痺から逃れる事は出来ていない。
「それでも私は全てを倒すのみ!!」
覚悟を決め、向かってくるゼノと交戦する。
剣と拳の戦いは圧倒的に剣が有利である。
攻撃範囲が短い上、決定打を決めることが難しい拳は実戦向きではない。
それが普通の考えだ。
ミルティがアブノーマルだからこその作戦が実行される。
「な──ッ!!馬鹿だろ、真正面から突っ込んでくるとか私たちの思うつぼっすよ!?」
「ゼル、油断は禁物だ。常に全ての状況をして想定しろ」
音速を超えるスピードでゼノへと突進し攻撃&退避。
一瞬の出来事だったが、両者血を流す。
致命傷は無いものの一手で戦況がガラリと変わった。
「ゼノ───ッ!!」
「大丈夫だ、この程度ただの擦り傷だ。まだ戦える」
優勢なのは────ミルティ。
ゼノの左肩へと大ダメージを与え、戦力を大きく削いだ。
「まさか二対一で劣勢に回るとはね。これがアブノーマルという個体か、より野放しには出来なくなった」
傷口を抑え止血する。
しかし無情にも血は止まらず溢れ出す。
このままでは大量出血により死が待っている。
「ゼノ、早く血を止めないと」
「させない!!」
追い打ちをかけるように再度ゼノへと突進する。
「引っ込んでろっす」
見えない弾丸に足を貫かれ、勢いよく転倒する。
なんとか体制を立て直し周囲を警戒すると、背中に嫌な汗をかく。
「弾丸の監獄!!」
三百六十度全方向見渡す限り、空中に弾丸が止まっている。
回復力が高くとも不死身ではない。
その対策としてゼルは弾丸で檻を作り、回復力を上回る攻撃の手数で勝負する。
「ショット!!」
全ての弾丸が一斉にミルティへと一直線に発射する。
激しい轟音と砂埃が立ち上がり、ゼルは勝利を確信した。
「ミルティ───ッ!!」
だいぶ痺れが取れてきたソロモンはミルティの名前を力いっぱい叫ぶ。
「大丈夫です、ご主人様。合計弾数二百三十七発中命中した弾は五発です。致命傷はうまく避けれました」
砂埃から出てきた人影からは勇ましく、歴戦の勇者のような風格だった。
「まさか、全てを避けたっすか!?有り得ないっすよ!?」
「ゼル、あれはただのアブノーマルじゃない。恐らく段階『神』に到達しつつある。今以上に厄介な相手になるぞ」
「わかったっす、私も全力で────」
「いや、大丈夫だ、俺一人でやる。ゼルは回復魔法の準備を頼む」
ミルティの髪の色は茶から白へと染まっていた。
生き物の領域を超えた、神とも思わせるほどの圧倒的な存在感。
世界最強の軍隊『アテナ』の総隊長ゼノでさえも圧倒されていた。
「ミルティ、ようやくお前も段階『神』に辿り着けたか」
「ご主人様、ここは一旦逃げましょう。あちらはまだ全力という訳では無さそうですが、私は全力です。まとめに殺りあっては勝ち目はないと思います」
「お前でも無理そうか、了解した。グリモワール・ゴエティア展開、召喚セーレ。人気のない場所へ移動させろ」
「了解した」
本から出てきた男はすぐに二人の肩に手を置く。
「まずい、させるかああああああ!!」
ゼノは渾身の力で雷の飛び道具を作り、光速で放つ。
当たる直前で、ソロモン達は消える。
「消えた!?まさか転移魔法っすか?」
「違う、あれは明らかにグリモワールと呼ばれる本の力だ。それにあれは禁書と呼ばれるゴエティアか?そうだとしたらこの世界が危ない」
「グリモワール?禁書?ゴエティア?危ない?訳わかんないっす」
「グリモワールは魔法が記された本だ。ゴエティアは禁書と呼ばれる、悪魔を召喚出来る。世界が危ないってのは、それを使えば容易く世界を終焉へと誘える」
「なんだか、やばそうな相手っすね。探さなくていいっすか?」
「一応レインから連絡は入っている、『エクスくんを見つけたら確保して欲しい。それは偽物だ』ってね。それにあの口振りからして恐らく策はあると思うから、後は任せる事にするよ」
「いやぁ〜、強かったっすね。あの男の方とも戦ってみたかったっす」
「それは同意見だが、もう二度と会えないかもな」
戦場に背を向け、ゼノは救護班の所へと向かう。
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