最弱が世界を救う。
《憤怒》2
国王サタンの元へ、レイン達は急いでいた。
城内に付けていた標的は機能しておらず、予測としては外された。
そんなこんなで、仕方なく近場へ転移魔法を使いエインガルドへと戻ってきていた。
「レインさん、ひとまずエクスさんと合流してからが良いのではないですか?」
セレネは少し怯えた様子で話しかけてきた。
もちろんそのはず、今のレインは額に怒りマークを付けていた。
怒っている相手は、サタン。
「わかってる。わかってるけど、一刻も早くサタンをぶん殴りたい」
普段のレインからは聞けない単語を放ち、ますます不機嫌なのが見て取れた。
「それに、今エクスくんが何処にいるのかわからない以上探す宛もないってこと。本当はエクスくんと合流した方が明らかにいいんだけどさ」
少し悲しげな表情を浮かべ、すたすたと歩いていく。
セレネとリリーはその背中を見失わないように、必死に追いついていく。
「レ、レインさん!!ひとまず作戦を立てましょうよ。正面突破も一つの手ですが、私でも歯が立たなかった相手です。少しは警戒した方いいですよ」
「…………」
リリーの申し出を、レインは無視し突き進んでいく。
仕方が無いと、諦め黙ってついていくことに決めた。
「―――ッ!?」
誰よりも早く、その力に気づいたのはレインだった。
「何、今の光の柱。戦闘が起きている?」
「確かに、警備隊の人を誰も見ませんでしたね。何が起こっているのかも知れません。どうしますか?」
「この国で戦闘は起きるはずがない。非常時と考えるのが普通か。この国で一番暴れそうなのって……」
三人の頭の中にはエクスの顔が浮かぶ。
お互いに顔を合わせ、戦闘が起きていると予想される場所へ走り始める。
「はぁ……はぁ……なんて硬さだ。流石は《憤怒》の悪魔の使い魔か。その盾、一体なんだよ」
「この盾は我が力を込め作られた盾だ。生半可な攻撃では壊すことは愚か、傷一つつけれまい」
ユニコーンは盾を自慢気に前へ突き出し、片膝をついているエクスを挑発する。
先ほどの一撃は、アムドゥスキアスの力全てを使って放たれた。
しかし、見切られ盾で防がれた。
「万事休すってか。確かにこれはやばいな。魔力が無く魔法は使えず、持てる力全てを使ってでも勝てず。ましてや、奥の手もない。さぁて、どうしたもんかね」
「安心しろ、痛みは一瞬だ。何も恐れることはない」
「そうだといいんだがねぇ。まぁ―――」
エクスは不気味に笑う。
「勝つのは俺らだ」
ユニコーンの腹部からは血が流れ始め、鎧が赤く染まって行く。
「な……に?」
「待たせたね、エクスくん。もう大丈夫だよ」
ユニコーンの背後から顔を出したレインはニコリと笑う。
遅れてリリーやセレネがやってきていた。
「それにしてもよく気づいたな、あの空に伸びた光が攻撃目的じゃないことに」
「えっ……?」
「まさかとは思うけど、俺の意図が伝わってなかったけど、偶然来たってこと?」
「あれだけ大きな光の柱があったら、戦闘だと思って、この国で暴れそうなのがエクスくんだと思って……それで来たの」
「まぁ、いいか。ひとまずユニコーンから離れろ。その程度の攻撃じゃ足りない」
その言葉の通りにユニコーンは槍を大きく振り回し始めた。
紙一重で避け、レインは体勢を立て直す。
「色々とエクスくんに言いたいことがあるから、一瞬でケリをつけさせてもらうよ」
全身に力を入れ、翼を広げる。
「我が名は、大天使ルシ―――」
六枚の翼が広がると同時に、白い翼は黒い翼へと変色する。
あまりの激痛にレインは片膝をつき、呼吸を乱す。
その様子を見て、エクスは脊髄反射で呼びかける。
「レイン無事かッ!!返事をしてくれッ!!」
「はぁ……な、なんとかね。何今の黒いの―――」
一瞬の隙を見せたのか、ユニコーンの攻撃範囲に入っていたことに気づくのに遅れた。
「やば―――」
猪突猛進に槍を構え突っ込んでくる。
避けることは不可能だった―――
「死してなお生き続ける魂、全てを狩りとれ!!死の管理者タナトス!!」
突如響く、リリーの声とともに現れたタナトスは、ユニコーンの首に鎌をかけ一気に引き裂く。
声を上げる前にユニコーンは死んだ。
「やっと……追いつきました。レインさん足速すぎですよ……はぁ、はぁ」
どこからか走ってきたリリーとセレネの二人は息を切らし、だいぶ遠い距離を移動したようだ。
「エクスくん、話があるの。君の罪は冤罪が確定したの。被害者であるリリーがそう言ったからこそ、エクスくんは無罪放免即ち私達の勝ち。でも、それだけじゃ終わらせないよね?」
「あぁ、その話を聞いてより国王のサタンに怒りが増してきた。一刻も早くサタンをぶん殴りたい」
ニッと不気味な笑みを浮かべ、四人は国王の元へ。
城内に付けていた標的は機能しておらず、予測としては外された。
そんなこんなで、仕方なく近場へ転移魔法を使いエインガルドへと戻ってきていた。
「レインさん、ひとまずエクスさんと合流してからが良いのではないですか?」
セレネは少し怯えた様子で話しかけてきた。
もちろんそのはず、今のレインは額に怒りマークを付けていた。
怒っている相手は、サタン。
「わかってる。わかってるけど、一刻も早くサタンをぶん殴りたい」
普段のレインからは聞けない単語を放ち、ますます不機嫌なのが見て取れた。
「それに、今エクスくんが何処にいるのかわからない以上探す宛もないってこと。本当はエクスくんと合流した方が明らかにいいんだけどさ」
少し悲しげな表情を浮かべ、すたすたと歩いていく。
セレネとリリーはその背中を見失わないように、必死に追いついていく。
「レ、レインさん!!ひとまず作戦を立てましょうよ。正面突破も一つの手ですが、私でも歯が立たなかった相手です。少しは警戒した方いいですよ」
「…………」
リリーの申し出を、レインは無視し突き進んでいく。
仕方が無いと、諦め黙ってついていくことに決めた。
「―――ッ!?」
誰よりも早く、その力に気づいたのはレインだった。
「何、今の光の柱。戦闘が起きている?」
「確かに、警備隊の人を誰も見ませんでしたね。何が起こっているのかも知れません。どうしますか?」
「この国で戦闘は起きるはずがない。非常時と考えるのが普通か。この国で一番暴れそうなのって……」
三人の頭の中にはエクスの顔が浮かぶ。
お互いに顔を合わせ、戦闘が起きていると予想される場所へ走り始める。
「はぁ……はぁ……なんて硬さだ。流石は《憤怒》の悪魔の使い魔か。その盾、一体なんだよ」
「この盾は我が力を込め作られた盾だ。生半可な攻撃では壊すことは愚か、傷一つつけれまい」
ユニコーンは盾を自慢気に前へ突き出し、片膝をついているエクスを挑発する。
先ほどの一撃は、アムドゥスキアスの力全てを使って放たれた。
しかし、見切られ盾で防がれた。
「万事休すってか。確かにこれはやばいな。魔力が無く魔法は使えず、持てる力全てを使ってでも勝てず。ましてや、奥の手もない。さぁて、どうしたもんかね」
「安心しろ、痛みは一瞬だ。何も恐れることはない」
「そうだといいんだがねぇ。まぁ―――」
エクスは不気味に笑う。
「勝つのは俺らだ」
ユニコーンの腹部からは血が流れ始め、鎧が赤く染まって行く。
「な……に?」
「待たせたね、エクスくん。もう大丈夫だよ」
ユニコーンの背後から顔を出したレインはニコリと笑う。
遅れてリリーやセレネがやってきていた。
「それにしてもよく気づいたな、あの空に伸びた光が攻撃目的じゃないことに」
「えっ……?」
「まさかとは思うけど、俺の意図が伝わってなかったけど、偶然来たってこと?」
「あれだけ大きな光の柱があったら、戦闘だと思って、この国で暴れそうなのがエクスくんだと思って……それで来たの」
「まぁ、いいか。ひとまずユニコーンから離れろ。その程度の攻撃じゃ足りない」
その言葉の通りにユニコーンは槍を大きく振り回し始めた。
紙一重で避け、レインは体勢を立て直す。
「色々とエクスくんに言いたいことがあるから、一瞬でケリをつけさせてもらうよ」
全身に力を入れ、翼を広げる。
「我が名は、大天使ルシ―――」
六枚の翼が広がると同時に、白い翼は黒い翼へと変色する。
あまりの激痛にレインは片膝をつき、呼吸を乱す。
その様子を見て、エクスは脊髄反射で呼びかける。
「レイン無事かッ!!返事をしてくれッ!!」
「はぁ……な、なんとかね。何今の黒いの―――」
一瞬の隙を見せたのか、ユニコーンの攻撃範囲に入っていたことに気づくのに遅れた。
「やば―――」
猪突猛進に槍を構え突っ込んでくる。
避けることは不可能だった―――
「死してなお生き続ける魂、全てを狩りとれ!!死の管理者タナトス!!」
突如響く、リリーの声とともに現れたタナトスは、ユニコーンの首に鎌をかけ一気に引き裂く。
声を上げる前にユニコーンは死んだ。
「やっと……追いつきました。レインさん足速すぎですよ……はぁ、はぁ」
どこからか走ってきたリリーとセレネの二人は息を切らし、だいぶ遠い距離を移動したようだ。
「エクスくん、話があるの。君の罪は冤罪が確定したの。被害者であるリリーがそう言ったからこそ、エクスくんは無罪放免即ち私達の勝ち。でも、それだけじゃ終わらせないよね?」
「あぁ、その話を聞いてより国王のサタンに怒りが増してきた。一刻も早くサタンをぶん殴りたい」
ニッと不気味な笑みを浮かべ、四人は国王の元へ。
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