神眼使いの異世界生活

黒鉄やまと

第32話 迷宮 その3

ソウマが雲を切って飛行をし、10秒もしない頃、ソウマは止まった。

「えっと、15キロぐらいならこの辺だけど……」

ソウマは下を見ているが、広がっているのは森、森、森、森、森、森…………

「つーかこの森広すぎだろ!」

それはそのはずである。この森は魔の森と言われており、その広さはの本で言う北海道と九州を合わせたぐらいの広さはあるのだ。
この世界において基本的にひとつの大陸はでかい。魔大陸だけでも、ロシアとアメリカを合わせた大きさはあるのだ。
現在ソウマが居る、ファフィニア大陸は元々、地球の大陸を全て足してやっと5分の3程にしかならない。現在はかなり前の大戦で大陸に大穴が出来てしまったため小さくはなっている。まあ、それでも地球の大陸を全て足したものよりも広いのだが……

「それで、リエルどこら辺にある?」

『そうですね。湖は見えますか?』

「えっと……あれだな」

ソウマは少し広めの湖を見つける。

『そこから南に500メートルほど行った所にある岩の所に入口があります』

「なるほど」

ソウマは湖の近くに降り、南に向かって歩く。それからしばらくした頃に大きな岩を見つけた。

「これはでかい岩だ」

だいたい、大人の人間が20人ほど手を限界まで広げて届くぐらいの大きさだ。

「それで?この脇にあると」

ソウマは岩の周りを回って確かめていく。

すると、突然……落ちた。

「は?……お、おわァァァァァァァァァ
!!!!!」

ソウマはコロコロと狭い道を転がっていく、たまに凸凹があってそれが頭にあたり痛い。

「いでっ!ちょ!あいたっ!ぐぇ!」

ソウマね苦しみを無視して転がっていく。

そして、転がり始めてから5分後……

「いい加減にせんかーーーーーい!」

ソウマはいい加減に転がることにいらだちを感じ、手と足で急ブレーキをかける。

「やっと止まった……」

ソウマはやっと止まることが出来て、少し喜んでいた。
ソウマは転がっていた方を見るとすぐそこに広い空間があることがわかった。

「なんだよ。こんな所で止まったの?俺」

ソウマは道が狭いので這ってその道からでた。

「どこなんだ?ここ」

そこは広い空間だった。
そして、ソウマの目の前には穴があって、その穴を除くと

「止まっててよかった……」

石なのか鉄なのかよく分からない針が沢山あった。しかも、魔物の死体なのか骨が挟まっているところがある。
そのまま転がっていたら今頃ソウマは串刺しになっていただろう。

「しっかし、本当にどこなんだ?」

『ここは迷宮ですね。どうやら、SSランク以上の人間がパーティを組んでやっと行けるほどの超高難易度迷宮です。』

「おいおい。ここから出るにはどうすればいい?」

『なぜ出るのですか?』

「だってこんな所クリア出来たとしても残りの時間じゃ無理だろ」

『可能です。寝る間も惜しんで常に敵からステータスを奪い、どんどんとスピードを上げていけば、ギリギリでクリアすることが可能です』

「いやいや、リエルさん?すごい鬼畜じゃない?」

『申し訳ございません。けど、クリアしたらマスターはこの世界で最強ですよ?』

「む、それは少し気になる」

『ですよね。ですから寝る間も惜しんでクリアしましょう』

「はぁ、まあ、どうしても無理なら転移眼で転移すれば大丈夫だろう。」

『ついでに言うと、この迷宮は制限があり、時空魔法や転移などは出来なくなってます』

「………………」

『………………』

「クリアしなきゃじゃねぇかァァァァァァァァ!!!!」

ソウマが走り出そうとするとリエルが止めた。

『たった今ゼロの解析が済みました。どうしますか?』

「今それはいいからさっさとクリアしに行くぞ!お前の計算じゃギリギリでクリア出来んだろ!」

『はい。可能です』

「おおおおぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!!!!」

ソウマは次の階層に向かうためフロアの捜索を全力で行った。
方法は前の迷宮と同じで、高速で魔物からスキルやステータスを奪い、高速で斬羽で魔物を斬って、すぐに無限収納に入れるという行動の繰り返しだった。
また、迷宮神の寵愛のおかげで迷うことなく進んでいった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ってことがあったんだ」

ソウマはいくつか話を変えながらほとんどの事を話した。
もちろん変えたのはリエルの件やゼロの事などである。

「……………………」

「そ、ソウマ君。よく生きて帰ってきたね」

「いやぁ。ほんとだよな。飯食うのにしか迷宮で止まってないからな。超疲れた。」

「ソウマ。大丈夫なの?」

「まあ、そろそろ疲れて寝たいけどまだ、大丈夫だぞ。」

「そう。よかった」

「お主は一体なんなんじゃ。ほんとに」

シフォルとアルテミス、アレクはソウマの壮絶な1週間を聞いて正直引いていた。

「まあ、ソウマ君も2つも迷宮を制覇して疲れているだろうから、テレホォンからの引き継ぎは明日にしようか」

「それは助かる」

「そうか。じゃあ今日はお開きにしようかの」

そして、その日はもう解散になってソウマは自分が使っていた部屋に戻ってきた。

「しっかし疲れたなぁ……」

『お疲れ様です』

「にしてもホントギリギリだったわ。もう少し余裕のあるかと思ったら迷宮からでたらあと30秒ですってなんだよ。」

『私の計算ではもう少し余裕があったんですが、マスターが途中で寝落ち南下したり食事を長時間とるから……』

「む、それは仕方がないだろ。まあ、間に合ったんだから良しとするか」

ソウマは楽な格好に着替えてベットに倒れる。
そして、すぐに睡魔に襲われソウマの意識は沈んで行った。


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