間違いで始まる物語

seabolt

第34話 「3人の・・・その2」

恭介と山本の距離が・・・


だんだんと近づいていく・・・


二人とももう止めて・・・


そう祈りながら二人を見ている野村・・・


しばらく、二人は見つめあった


「本当に・・・ありがとう・・」


山本が言った瞬間


恭介の前で気を失い崩れそうになった。


「はるかさん?」


あわてて山本を支える恭介。


「大丈夫?」


声をかけるが反応しない山本。


思わず飛び出す野村・・・・


「はるかさん大丈夫!」


「はるかさん・・・」


声をかける恭介・・・


野村は、必死に山本に声をかける恭介に


「とりあえず下の階に横になれるところあるから・・・」


「わかった・・」


すっと山本を抱きかかえる恭介・・


出口に差し掛かるとそこには、渡辺がいた。


「恭介・・・」


「どけ」


「あ・・ああ・・」


道をあける渡辺


そして


「ごめん・・・」


「いいよ・・わかったら・・」


そのまま階段を降りて行った。


それを見て、渡辺は上司の西村の方へ行った。


長いすに横たわる山本


「久保君・・救急車呼ぶ?」


「大丈夫だよ・・多分・・・」


「なんで?」


「たぶん・・緊張の糸が切れただけだよ・・・」


少し笑顔を出す恭介


「久保君の、ひどい顔ね・・」


「ちょっとね・・」


「でも・・・」


「でも?って」


「ん?・・ううん・・なんでもない」


その顔を見て


うつむく野村


「あと・・・俺やっとくから・・・行っていいよ・・」


恭介が声をかけると


「二人にはできないわ・・・むしろ私が残るから・・・」


「そうか・・・」


「他人が見たら変な誤解されるわよ」


「そうだな・・」


そう言って山本を見つめている恭介。


それを見て


野村はうつむきながら声をかけた。


「あの~・・・」


恭介は、その声に導かれ野村の方を見る


「なにか?」


「はるかさんのこと・・・」


声を震わせ


「どう思っているの?」


「どうって?」


恭介が答えに戸惑っていると


「はるかさんのことすき・・な・・ん・・ですか」


その頃、後ろで山本が気がついた。


ここは?と思いつつ二人の声が方するほう見る。


二人はうつむき、しばらく沈黙した、恭介の口が開こうとした時、


耐え切れず野村は、恭介の口を手でふさいだ。


驚く恭介、野村の手が外れて何か言おうとした瞬間


「あなたが好きです。」


思わず声にしてしまった野村。


驚く恭介に、さらに


「好きです。」


野村は恭介に近づきキスをしようとした。


その時だった


野村はある視線に気付いた。そして、視線の方を見ると山本と目が合った。


一方、


山本からは恭介と野村がキスしているように見えた。


その光景に驚く山本・・・く・・ぼ・・・く・・ん


その瞬間悲しみの洪水が山本を襲った。






一方、恭介は、野村の両肩に手を沿え、少し距離をとり


「野村さん・・・」


そして、恭介が続きを言おうとした時、


「ごめんなさい・・・」


そう言って野村は立ち上がり口を押さえつつその場を去って行った。

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