ぷかぷか孤島になっちゃった?
第12話 ぷかぷか孤島と隠滅
 外敵、俺はそれを常時発動している島の警戒眼で察知した。島の警戒眼は島の危機をいち早く伝えてくれる魔眼である。外敵の場合方位と距離を教えてくれるのでなかなか有難い。
 今回は30km先、南東からに五隻の船がこちらに直進してきている。どうやらこの島の視察、そして制圧を狙っているようだ。5隻はいずれも帆を張った巨大な船で乗組員は1隻につき約50人ほどだ。
 そういや俺、島への外敵を排除すると意気込んだはいいものの海上で戦うすべ持ち合わせてないじゃん! 
 「いえ、マスターは一つだけ海を自由自在に動ける術を習得しているはずです。」
 ディアンヌがいきなり俺の目の前に現れ、声をかけてくる。
 「えっ?そんなの持ってたっけ?」
 俺が海を移動する手段なんて島の状態で漂流するぐら、、、、 えっ、そゆこと?
 「そうゆうことです。さぁ!私もついて行きますから頑張りましょう!」
 いや、ダサすぎるだろ! 島の主が島からちんたら漂流してくるとかどんなマヌケだよ!
 「ちょっと待った! ついて行くのは私よ!というより私以上の適任は居ないはずよ!」
 おい、大精霊。どっから出てきた。というかどういうことだ。ディアンヌだとなんかまずいことでもあんのか?
 「それってどうゆうこと?」
 「まず、ディアンヌは生まれたての神様っていう認識は間違ってないわよね?」
 「まぁ、生まれてまだ1日経つか経たないかだからな。」
 「と、なるとディアンヌが人間に敵対するのは都合が悪いんじゃない? もしかしたら邪神認定されちゃうかも。」
 「私は別に邪神認定されようがマスターの手足となれればそれで十分なのですが。」
 「それじゃ、この島のためにならないの。ただでさえディースがこの島にいて邪神の住まう島として忌み嫌われても文句言えないのに邪神が2人だなんて国が本格的に討伐軍を送ってくるかもしれないわ。」
 それは困るな。別に島に人が増えて欲しいとは思わないけれども討伐隊にこの土地を荒らされるのは困る。せっかくここまで発展したのに! そして何よりこの島のランドマークのヤシの木が折られるかもしれない! これは由々しき事態だ・・・
 「その点私なら普通の人間には見えないし見えてもただの精霊の気まぐれだと思われるだろうしね。」
 精霊ってそんな存在なんだな。まぁ確かにちびっこ精霊達をみてるとそのような気もしてくるけども。
 「ぐぬぬ、今回ばかりは分が悪いようですね。分かりました。マスターの護衛は大精霊にお任せします。」
 「よし! 決まりだな。でもあれこの島に直進してきて制圧しようっていう敵意も警戒眼で感知してるけどあいつら一体何者なんだ?」
 「私はマスターとは違い千里眼や魔眼系のスキルは持っていないので分かりませんね。」
 「私もよ。」
 ディアンヌも大精霊も分からないか。よし、ディースにも聞いてみるか。
 「えっ? 敵襲ですか!? どこです!? どこにいるんです!?」
 うん、ですよねー。とりあえずディースに事情を説明する。
 「あー、なるほど。それほどの大所帯でしたら多分国が送ってきた人達だと思いますよ。それもヒューマンの。ヒューマン達は自分の土地を増やすのに必死ですからねぇ。あと、この島の場所を考えるとブリクスト大皇国が濃厚ですかねぇ。あの国には海竜の巫女もいますし十中八九その国だと言えます。」
 ブリクスト大皇国? 海竜の巫女? それはなんぞや?
 「ブリクスト大皇国は島国のひとつでこの世界でも有数の強国です。海竜の巫女とはその国に代々仕える海竜族の娘で海に関することを予言したりするんです。多分この島が出来たことを海竜の巫女が予言したんでしょう。」
 ふーむ、なるほど。しかし厄介だな。島国で強国となると海軍と空軍が発達しているだろうから空軍の爆撃とか食らったらおしまいだ。
 「この世界には爆撃機とかそういったものはないので空軍を気にする必要はないですよ。そもそも空軍がいませんからね。最大の脅威は海軍の魔法艦隊ですが、それもハルさんのロストマジックっで防げますしさほど脅威ではないと思いますよ。」
 なるほど、海では魔法が攻撃の中心というわけか。確かにそれなら島に着弾する前にロストマジックで消えてしまうな。
 「おう! ディースありがとう! そんじゃまぁ、いっちょ撃退してくるか!」
 俺がそういい背泳ぎの体制に入った途端ディアンヌが声をかけてくる。
 「孤島さん、そもそもそんな事しなくても隠滅でこの島ごと隠せば問題ないんじゃない?」
 「「「「!!!!!!」」」」
 そ、それだ! 1番めんどくさい事態にならずにこの場を収められる唯一無二の方法じゃないか!てかなんでこの場にいる誰もその方法が浮かばなかったんだ。バカなのか?
 「おー! アイネ流石だな!」
 「ぐっ、叡智神である私よりもいい案を出すとは!」
 「いいじゃない!その案!将来が楽しみね!」
 「凄いですー!」
 みんなからいっぱい褒められてアイネは恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。それをみた周りのちびっこ精霊も流れに乗って「アイネスゴいー!」とか「アイネ天才ー!」とかいって彼女の周りをグルグル回っている。うん、すっげえ癒される。
 「よし、ともかく隠滅をかけるぞ! しばらくの間寂しいとは思うがみんな耐えてくれ、ごめんな。あと、その場を絶対に動くなよ!島も消えるからどこまでが陸か分からなくなっちゃうからな!」
 ちびっこ精霊達は意外と1人に慣れているのかみんな「はーいっ!!」って小さな手を精一杯上げている。あっ、アイネもつられてあげちゃった。
 「よし! じゃあかけるぞ! 『隠滅』」
 隠滅をかけた瞬間、、、俺からの視点は何も変わらなかった。そりゃそうだよな。俺には全部見えるようになってるんだから。
 ちびっこ精霊達はさっきも言ったように意外と素直にちょこんと座っている。時たま「地面があるのに海がみえるー!おもしろーい!」と言って地面をぺたぺた触っている。可愛い。
 大精霊やディアンヌ、ディース、アイネも落ち着いてその場に座っていた。
 かなりの時間が経った後、五隻の船がやく100mの所まで近づいてきていたのでこれは漂流をつかって船とすれ違うようにして避ける。すると船は俺たちを無視して真っ直ぐ進んでいく。
 船が30kmほど離れたあと俺は隠滅を解いた。
 「ふー、長かったわね。これなら私とハルであいつらをぶっ飛ばした方が良かったわ。」
 「嫌だよ! 俺も一応元人間なんだよ! 人殺しなんてまっぴらだ!」
 「その割には勢いづいてましたよね?マスター?」
 「そりゃ、この島とお前らに敵意があるんだからな。そのままやられるなんてそれこそまっぴらゴメンだからな。」
 「まぁ何はともあれ良かったですー!」
 「ありゃりゃ、アイネは寝ちゃったか。確かに退屈だったもんな。」
 アイネは元いた場所と同じ所でスースー寝息をたてていた。ちびっこ精霊達はお腹が減っていたのか精霊石に飛びついてマナをチューチュー吸っている。
 「それじゃ、私もお腹すいたしマナをもらいに行くわ。」
 大精霊もようやってふわふわと精霊石の方へと行ってしまった。
 「マスター、私たちも食事を取りましょう。」
 「ハルさんの料理楽しみですー!」
 おい、お前らも食べるんかい。そういや、俺もこの世界にきて初めての食事だな。アイネがあれだけ褒めていた野菜。どれほど美味いのだろうか? 生憎と台所はないので生野菜と焼き魚が関の山だろうがそれでも楽しみだ。
              ◆◆◆◆
 「アクア様! やはり指定された場所から10km圏内を探しましたがそれらしき島は見つからなかったとのことです!」
 私はアクア。ブリクスト大皇国で海竜の巫女の任に就いています。今の今まで私の予言は100発100中! いや、まだ100回も予言していませんが。
 ですが、今回私の予言。『バーナード海域に楽園の孤島が現れる』というのは外れてしまったようです。
 ・・・んなわけないじゃい!!! 私の予言が外れる? この歴代最高の海竜の巫女の私の予言がぁ? そんなわけないじゃないの! 楽園の孤島は絶対にあります!! あのクソみたいな調査隊が見つけられなかっただけに違いありません! 
 だから私はあれほど勇者を連れていけと言ったのです! 勇者とは私たちヒューマンの崇拝する光の神と闇の神が力を合わせて異世界の人間を召喚する術です。その勇者はそれはそれはとてつもない力を持っています。勇者には黒髪で黒目の人が多いのですがなにか関係はあるのでしょうか。
 まぁ、そんなことはどうでもいいのです! 私は私の予言が外れたと言われるのがどうしても我慢ならないのです! 絶対に証明してみせます! 私が直接船で捜査に乗り出してでも楽園の孤島を見つけ、ブリクスト大皇国の傘下に加えてみせます!!!!
 
 
 
 今回は30km先、南東からに五隻の船がこちらに直進してきている。どうやらこの島の視察、そして制圧を狙っているようだ。5隻はいずれも帆を張った巨大な船で乗組員は1隻につき約50人ほどだ。
 そういや俺、島への外敵を排除すると意気込んだはいいものの海上で戦うすべ持ち合わせてないじゃん! 
 「いえ、マスターは一つだけ海を自由自在に動ける術を習得しているはずです。」
 ディアンヌがいきなり俺の目の前に現れ、声をかけてくる。
 「えっ?そんなの持ってたっけ?」
 俺が海を移動する手段なんて島の状態で漂流するぐら、、、、 えっ、そゆこと?
 「そうゆうことです。さぁ!私もついて行きますから頑張りましょう!」
 いや、ダサすぎるだろ! 島の主が島からちんたら漂流してくるとかどんなマヌケだよ!
 「ちょっと待った! ついて行くのは私よ!というより私以上の適任は居ないはずよ!」
 おい、大精霊。どっから出てきた。というかどういうことだ。ディアンヌだとなんかまずいことでもあんのか?
 「それってどうゆうこと?」
 「まず、ディアンヌは生まれたての神様っていう認識は間違ってないわよね?」
 「まぁ、生まれてまだ1日経つか経たないかだからな。」
 「と、なるとディアンヌが人間に敵対するのは都合が悪いんじゃない? もしかしたら邪神認定されちゃうかも。」
 「私は別に邪神認定されようがマスターの手足となれればそれで十分なのですが。」
 「それじゃ、この島のためにならないの。ただでさえディースがこの島にいて邪神の住まう島として忌み嫌われても文句言えないのに邪神が2人だなんて国が本格的に討伐軍を送ってくるかもしれないわ。」
 それは困るな。別に島に人が増えて欲しいとは思わないけれども討伐隊にこの土地を荒らされるのは困る。せっかくここまで発展したのに! そして何よりこの島のランドマークのヤシの木が折られるかもしれない! これは由々しき事態だ・・・
 「その点私なら普通の人間には見えないし見えてもただの精霊の気まぐれだと思われるだろうしね。」
 精霊ってそんな存在なんだな。まぁ確かにちびっこ精霊達をみてるとそのような気もしてくるけども。
 「ぐぬぬ、今回ばかりは分が悪いようですね。分かりました。マスターの護衛は大精霊にお任せします。」
 「よし! 決まりだな。でもあれこの島に直進してきて制圧しようっていう敵意も警戒眼で感知してるけどあいつら一体何者なんだ?」
 「私はマスターとは違い千里眼や魔眼系のスキルは持っていないので分かりませんね。」
 「私もよ。」
 ディアンヌも大精霊も分からないか。よし、ディースにも聞いてみるか。
 「えっ? 敵襲ですか!? どこです!? どこにいるんです!?」
 うん、ですよねー。とりあえずディースに事情を説明する。
 「あー、なるほど。それほどの大所帯でしたら多分国が送ってきた人達だと思いますよ。それもヒューマンの。ヒューマン達は自分の土地を増やすのに必死ですからねぇ。あと、この島の場所を考えるとブリクスト大皇国が濃厚ですかねぇ。あの国には海竜の巫女もいますし十中八九その国だと言えます。」
 ブリクスト大皇国? 海竜の巫女? それはなんぞや?
 「ブリクスト大皇国は島国のひとつでこの世界でも有数の強国です。海竜の巫女とはその国に代々仕える海竜族の娘で海に関することを予言したりするんです。多分この島が出来たことを海竜の巫女が予言したんでしょう。」
 ふーむ、なるほど。しかし厄介だな。島国で強国となると海軍と空軍が発達しているだろうから空軍の爆撃とか食らったらおしまいだ。
 「この世界には爆撃機とかそういったものはないので空軍を気にする必要はないですよ。そもそも空軍がいませんからね。最大の脅威は海軍の魔法艦隊ですが、それもハルさんのロストマジックっで防げますしさほど脅威ではないと思いますよ。」
 なるほど、海では魔法が攻撃の中心というわけか。確かにそれなら島に着弾する前にロストマジックで消えてしまうな。
 「おう! ディースありがとう! そんじゃまぁ、いっちょ撃退してくるか!」
 俺がそういい背泳ぎの体制に入った途端ディアンヌが声をかけてくる。
 「孤島さん、そもそもそんな事しなくても隠滅でこの島ごと隠せば問題ないんじゃない?」
 「「「「!!!!!!」」」」
 そ、それだ! 1番めんどくさい事態にならずにこの場を収められる唯一無二の方法じゃないか!てかなんでこの場にいる誰もその方法が浮かばなかったんだ。バカなのか?
 「おー! アイネ流石だな!」
 「ぐっ、叡智神である私よりもいい案を出すとは!」
 「いいじゃない!その案!将来が楽しみね!」
 「凄いですー!」
 みんなからいっぱい褒められてアイネは恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。それをみた周りのちびっこ精霊も流れに乗って「アイネスゴいー!」とか「アイネ天才ー!」とかいって彼女の周りをグルグル回っている。うん、すっげえ癒される。
 「よし、ともかく隠滅をかけるぞ! しばらくの間寂しいとは思うがみんな耐えてくれ、ごめんな。あと、その場を絶対に動くなよ!島も消えるからどこまでが陸か分からなくなっちゃうからな!」
 ちびっこ精霊達は意外と1人に慣れているのかみんな「はーいっ!!」って小さな手を精一杯上げている。あっ、アイネもつられてあげちゃった。
 「よし! じゃあかけるぞ! 『隠滅』」
 隠滅をかけた瞬間、、、俺からの視点は何も変わらなかった。そりゃそうだよな。俺には全部見えるようになってるんだから。
 ちびっこ精霊達はさっきも言ったように意外と素直にちょこんと座っている。時たま「地面があるのに海がみえるー!おもしろーい!」と言って地面をぺたぺた触っている。可愛い。
 大精霊やディアンヌ、ディース、アイネも落ち着いてその場に座っていた。
 かなりの時間が経った後、五隻の船がやく100mの所まで近づいてきていたのでこれは漂流をつかって船とすれ違うようにして避ける。すると船は俺たちを無視して真っ直ぐ進んでいく。
 船が30kmほど離れたあと俺は隠滅を解いた。
 「ふー、長かったわね。これなら私とハルであいつらをぶっ飛ばした方が良かったわ。」
 「嫌だよ! 俺も一応元人間なんだよ! 人殺しなんてまっぴらだ!」
 「その割には勢いづいてましたよね?マスター?」
 「そりゃ、この島とお前らに敵意があるんだからな。そのままやられるなんてそれこそまっぴらゴメンだからな。」
 「まぁ何はともあれ良かったですー!」
 「ありゃりゃ、アイネは寝ちゃったか。確かに退屈だったもんな。」
 アイネは元いた場所と同じ所でスースー寝息をたてていた。ちびっこ精霊達はお腹が減っていたのか精霊石に飛びついてマナをチューチュー吸っている。
 「それじゃ、私もお腹すいたしマナをもらいに行くわ。」
 大精霊もようやってふわふわと精霊石の方へと行ってしまった。
 「マスター、私たちも食事を取りましょう。」
 「ハルさんの料理楽しみですー!」
 おい、お前らも食べるんかい。そういや、俺もこの世界にきて初めての食事だな。アイネがあれだけ褒めていた野菜。どれほど美味いのだろうか? 生憎と台所はないので生野菜と焼き魚が関の山だろうがそれでも楽しみだ。
              ◆◆◆◆
 「アクア様! やはり指定された場所から10km圏内を探しましたがそれらしき島は見つからなかったとのことです!」
 私はアクア。ブリクスト大皇国で海竜の巫女の任に就いています。今の今まで私の予言は100発100中! いや、まだ100回も予言していませんが。
 ですが、今回私の予言。『バーナード海域に楽園の孤島が現れる』というのは外れてしまったようです。
 ・・・んなわけないじゃい!!! 私の予言が外れる? この歴代最高の海竜の巫女の私の予言がぁ? そんなわけないじゃないの! 楽園の孤島は絶対にあります!! あのクソみたいな調査隊が見つけられなかっただけに違いありません! 
 だから私はあれほど勇者を連れていけと言ったのです! 勇者とは私たちヒューマンの崇拝する光の神と闇の神が力を合わせて異世界の人間を召喚する術です。その勇者はそれはそれはとてつもない力を持っています。勇者には黒髪で黒目の人が多いのですがなにか関係はあるのでしょうか。
 まぁ、そんなことはどうでもいいのです! 私は私の予言が外れたと言われるのがどうしても我慢ならないのです! 絶対に証明してみせます! 私が直接船で捜査に乗り出してでも楽園の孤島を見つけ、ブリクスト大皇国の傘下に加えてみせます!!!!
 
 
 
コメント
ノベルバユーザー285059
いや、なんか、普通に好き、、、こういうの好き!!(語彙力ワロタ)
頑張ってくださいw