ぷかぷか孤島になっちゃった?
第46話 再訪! そして薬師ギルドへ!
 さぁ! 再びやってきました! 
 ・・・この国なんていうんだっけ?
「カンネル王国ですよ。ご主人様」
『ルーーっ!ルーっ!』
 俺の質問に答えたのはシャルルとルーちゃんだった。スーちゃんはお留守番、リタは寝ていたのでそのまま置いてきた。これ完全に誘拐だよね。まっ、いっか。
「あー、そうだったそうだった。興味なさすぎて忘れちゃった」
「はぁ、ほんとにしっかりしてくださいよ?」
『しっかりしてくださいよー?』
 ルーちゃんがプンプンしたようにその場で跳ねる。ルーちゃんにまで怒られちゃった。
「それよりさ、あれを軍艦って呼ぶのはどうなの?」
 俺がそう言いながら指さしたのは俺をここまで運んできた船。そう、かの名高きハリボテ艦隊である。
「一応私達の国の軍隊に属してますし、ほらっ、ちゃんとこの国のものだというアピールもちゃんと出来ていますよ」 
 シャルルが指さす先にはドデカくプリントされた桜の花があった。ちなみに船体は真っ白でフェリーにしか見えない。
「そんな軍艦の初仕事が人の輸送って大丈夫なの?」
「大丈夫でしょう」
「絶対に大丈夫じゃないよね? というかこの船の攻撃方法突撃だけだよ? そんなの筏でも出来るのにこれが軍艦でいいの?」
「問題ありません! 威力が! 威力が違いますから!」
 あー、これはシャルルも島に艦隊があること気に入っている部族だな。その部族のなかにはディアンヌ、ルージュ、ディースが所属している。
 妖精たちも船を操るのは好きらしいが自分たちを軍隊だとは思ってないだろう。
 ちなみに今船にはちゃんと隠滅を施している。それなのに見えているのは俺が少し隠滅の使い方が上手くなって特定の人に隠滅中のものを見せられるようになったからだ。
 俺達がそんなくだらない話をしていると半蔵やヤミがえげつない顔でやってきた。
 いや、半蔵はなんも変わんないんだけどヤミの顔がこわい。滅茶苦茶怒ってる。
「ヤ、ヤミ、どうしたの?」
「主のせいで徹夜した。許さない」
 た、確かに俺が悪い。言い訳できない。
「ヤ、ヤミ殿、もう少し抑えるでござる!」
「主にはスーちゃんもふもふ券を要求する」
「許可する!」
「ほんと!? やった! やった!」
 ヤミがこんなに盛り上がってるの初めてなんじゃないか? びょんぴょん跳ねて喜んでる。
 そしてすまぬ、スーちゃん。お前には犠牲になってもらう。 あっ、どっかから「くぅーん」って聞こえたような気がする。気の所為かな?
「あっ、ちなみにこの街の人は全員主殿のことを忘れているでござる。だから前来た時にやったことを全てやり直すでござるよ!」
 なんかえげつないことやってるみたいだけど触れない方が良さそうだ。
「えっ? ギルドカードも作り直すの?」
「いや、今回はギルドカードを持っている体でいくでござる!」
「じゃあギルドに行かずにまったり宿屋で」
「ダメですよ。今回は薬師ギルドにも出向くのですから」
 薬師ギルドかぁ。なんか胡散臭そう。モンスターの爪とか煎じて飲まされそう。怖い。
「はい、その胡散臭い薬師ギルドに登録しにいきます」
 あっ、ほんとに胡散臭いんだ。
「まぁ、回復薬などに多額の税金をかけてがっぽりしてるクソみたいなギルドですから」
「そ、そこまで言わなくてもさ」
「それに効果の全く違う回復薬を同じ値段で売りさばくクソのたまり場でござるからな」
「あ、あのちょっと?」
「・・・薬師ギルドは臭い」
「まぁ、薬作ってるんだから多少は臭いでしょ」
「糞の臭いがする」
「・・・」
 なんでこのメンバーに薬師ギルドこんなに嫌われてるの? そしてなんでそんな所に俺を放り込むんだ? 
「ご主人様を放り込む理由としてはお仕置きゲフンゲフン、こういう汚い世界にも慣れて欲しいからですね。決してあのゲロ臭さを味わえと言っているのではありません」
 あー、お仕置きなんですね。分かります。それよりもシャルル達が「ディアンヌめ、後で覚えとけよ」とか呟いているからホントーに嫌いなんだな。  
 そんな薬師ギルドの悪口を散々聞かされながら俺達は宿を取ったり、冒険者ギルドに顔を出して前にもあった騒動を引き起こしながら、ついに薬師ギルドへと足を運んだ。
 薬師ギルドは白を基調とした建物で、他の建物よりも立派だ。冒険者ギルドよりも小さいが金は掛けてそうな建物だった。偏見かな?
「さっきから悪口ばっかり聞かされてるから入るのほんとに嫌なんだけど」
「ヤミ達は実情を話しただけ。悪くない」
 その実情を聞きたくなかったんだよなぁ。
「まぁ、とりあえず入りましょう」
 そう言ってシャルルは薬師ギルドの扉を開く。
 すると目に飛び込んできたのは1階部分をまるごと使っただだっ広いエントランスだった。
 部屋は内部も白で統一されており、所々に訳の分からない絵とか彫刻とかが飾ってある。また、床には装飾を施された赤い絨毯が受付まで続いており、受付には半端ない美人さんが立っていた。
「うへぇ、金持ち感半端ないなぁ」
「はいはい、田舎者みたいなこと言ってないで早く行きますよ」
「俺、田舎者だからいいじゃん。素晴らしいよ?田舎って!」
 俺も孤島住まいだから田舎者だしね!
「確かにあなたの島は素晴らしいですけど色んな所からマジマジと見られてるんで恥ずかしいんですよ」
 確かにこの階にいる人は皆俺の事を虫でも見るような目で見てくる。人の事見下しすぎじゃない? というより今回の受付嬢さんに話しかけるのは絶対無理だよ? 
 「分かっていますよ。今回は私にお任せ下さい。それとも半蔵、ヤミ、貴方達がやってくださいませんか?」
「「お断りします!!」」
 いや、ほんとになんなの? 今んところは金持ちってだけで悪いところ見当たらないんだけど?
  
 そんな俺の疑問を無視してシャルル達はツカツカと受付へと進んでいく。ルーちゃんもぷよんぷよんと跳ねて着いていく。
「すいません。私達のギルド登録をお願いしたいのですが」
 シャルルがそう言うと周りからクスクスとした笑い声が聞こえた。まぁ、9割俺のせいだろうけどね!
「申し訳ありませんが、このギルドに入るには試験というものが『ドスン!』」
「えっ?」
 シャルルは何も無いところから麻袋を取り出し、受付に乱暴に置いた。
「で、私達は入会できますか?」
 受付嬢はすぐさま麻袋の中身を確認し、少し驚いた表情をした後、ニタニタとした笑みを浮かべた。
「はい、もちろんでございます。それでは代表者が本日入会なさる方々のお名前をお書き下さい。」
 受付嬢が差し出した紙に素早くサインをするシャルル。
 シャルルがサインを書いた紙を受け取った受付嬢がそれをレジのような機械に突っ込むと、数秒後に名前と紋様の入った金属板が出てきた。
「どうぞ、これが薬師ギルドのギルドカードです。なくすと再発行に10ゴルドかかってしまうので注意してくださいね」
 高ぇなおい!
「はい。分かりました。それでは早速下級薬草10束とヒカリゴケ300gを購入したいのですが」
「かしこまりました。料金は下級薬草が1束200ブロン、ヒカリゴケは100g200ブロンですので合計2600ブロンとなります」
 シャルルは黙って受付嬢に銀貨を数枚渡す。
「確かに、それではどうぞ」
 そう言って受付嬢は机の上に雑草と苔を出した。
「ありがとうございます」
 シャルルが手をかざすとそこにあったヒカリゴケや下級薬草は消えた。
「では行きますよ、今日はお薬を作りますよ」
 ・・・シャルルの機嫌が悪い。どうやら今日は徹夜で回復薬を作らされそうだ。
 ・・・この国なんていうんだっけ?
「カンネル王国ですよ。ご主人様」
『ルーーっ!ルーっ!』
 俺の質問に答えたのはシャルルとルーちゃんだった。スーちゃんはお留守番、リタは寝ていたのでそのまま置いてきた。これ完全に誘拐だよね。まっ、いっか。
「あー、そうだったそうだった。興味なさすぎて忘れちゃった」
「はぁ、ほんとにしっかりしてくださいよ?」
『しっかりしてくださいよー?』
 ルーちゃんがプンプンしたようにその場で跳ねる。ルーちゃんにまで怒られちゃった。
「それよりさ、あれを軍艦って呼ぶのはどうなの?」
 俺がそう言いながら指さしたのは俺をここまで運んできた船。そう、かの名高きハリボテ艦隊である。
「一応私達の国の軍隊に属してますし、ほらっ、ちゃんとこの国のものだというアピールもちゃんと出来ていますよ」 
 シャルルが指さす先にはドデカくプリントされた桜の花があった。ちなみに船体は真っ白でフェリーにしか見えない。
「そんな軍艦の初仕事が人の輸送って大丈夫なの?」
「大丈夫でしょう」
「絶対に大丈夫じゃないよね? というかこの船の攻撃方法突撃だけだよ? そんなの筏でも出来るのにこれが軍艦でいいの?」
「問題ありません! 威力が! 威力が違いますから!」
 あー、これはシャルルも島に艦隊があること気に入っている部族だな。その部族のなかにはディアンヌ、ルージュ、ディースが所属している。
 妖精たちも船を操るのは好きらしいが自分たちを軍隊だとは思ってないだろう。
 ちなみに今船にはちゃんと隠滅を施している。それなのに見えているのは俺が少し隠滅の使い方が上手くなって特定の人に隠滅中のものを見せられるようになったからだ。
 俺達がそんなくだらない話をしていると半蔵やヤミがえげつない顔でやってきた。
 いや、半蔵はなんも変わんないんだけどヤミの顔がこわい。滅茶苦茶怒ってる。
「ヤ、ヤミ、どうしたの?」
「主のせいで徹夜した。許さない」
 た、確かに俺が悪い。言い訳できない。
「ヤ、ヤミ殿、もう少し抑えるでござる!」
「主にはスーちゃんもふもふ券を要求する」
「許可する!」
「ほんと!? やった! やった!」
 ヤミがこんなに盛り上がってるの初めてなんじゃないか? びょんぴょん跳ねて喜んでる。
 そしてすまぬ、スーちゃん。お前には犠牲になってもらう。 あっ、どっかから「くぅーん」って聞こえたような気がする。気の所為かな?
「あっ、ちなみにこの街の人は全員主殿のことを忘れているでござる。だから前来た時にやったことを全てやり直すでござるよ!」
 なんかえげつないことやってるみたいだけど触れない方が良さそうだ。
「えっ? ギルドカードも作り直すの?」
「いや、今回はギルドカードを持っている体でいくでござる!」
「じゃあギルドに行かずにまったり宿屋で」
「ダメですよ。今回は薬師ギルドにも出向くのですから」
 薬師ギルドかぁ。なんか胡散臭そう。モンスターの爪とか煎じて飲まされそう。怖い。
「はい、その胡散臭い薬師ギルドに登録しにいきます」
 あっ、ほんとに胡散臭いんだ。
「まぁ、回復薬などに多額の税金をかけてがっぽりしてるクソみたいなギルドですから」
「そ、そこまで言わなくてもさ」
「それに効果の全く違う回復薬を同じ値段で売りさばくクソのたまり場でござるからな」
「あ、あのちょっと?」
「・・・薬師ギルドは臭い」
「まぁ、薬作ってるんだから多少は臭いでしょ」
「糞の臭いがする」
「・・・」
 なんでこのメンバーに薬師ギルドこんなに嫌われてるの? そしてなんでそんな所に俺を放り込むんだ? 
「ご主人様を放り込む理由としてはお仕置きゲフンゲフン、こういう汚い世界にも慣れて欲しいからですね。決してあのゲロ臭さを味わえと言っているのではありません」
 あー、お仕置きなんですね。分かります。それよりもシャルル達が「ディアンヌめ、後で覚えとけよ」とか呟いているからホントーに嫌いなんだな。  
 そんな薬師ギルドの悪口を散々聞かされながら俺達は宿を取ったり、冒険者ギルドに顔を出して前にもあった騒動を引き起こしながら、ついに薬師ギルドへと足を運んだ。
 薬師ギルドは白を基調とした建物で、他の建物よりも立派だ。冒険者ギルドよりも小さいが金は掛けてそうな建物だった。偏見かな?
「さっきから悪口ばっかり聞かされてるから入るのほんとに嫌なんだけど」
「ヤミ達は実情を話しただけ。悪くない」
 その実情を聞きたくなかったんだよなぁ。
「まぁ、とりあえず入りましょう」
 そう言ってシャルルは薬師ギルドの扉を開く。
 すると目に飛び込んできたのは1階部分をまるごと使っただだっ広いエントランスだった。
 部屋は内部も白で統一されており、所々に訳の分からない絵とか彫刻とかが飾ってある。また、床には装飾を施された赤い絨毯が受付まで続いており、受付には半端ない美人さんが立っていた。
「うへぇ、金持ち感半端ないなぁ」
「はいはい、田舎者みたいなこと言ってないで早く行きますよ」
「俺、田舎者だからいいじゃん。素晴らしいよ?田舎って!」
 俺も孤島住まいだから田舎者だしね!
「確かにあなたの島は素晴らしいですけど色んな所からマジマジと見られてるんで恥ずかしいんですよ」
 確かにこの階にいる人は皆俺の事を虫でも見るような目で見てくる。人の事見下しすぎじゃない? というより今回の受付嬢さんに話しかけるのは絶対無理だよ? 
 「分かっていますよ。今回は私にお任せ下さい。それとも半蔵、ヤミ、貴方達がやってくださいませんか?」
「「お断りします!!」」
 いや、ほんとになんなの? 今んところは金持ちってだけで悪いところ見当たらないんだけど?
  
 そんな俺の疑問を無視してシャルル達はツカツカと受付へと進んでいく。ルーちゃんもぷよんぷよんと跳ねて着いていく。
「すいません。私達のギルド登録をお願いしたいのですが」
 シャルルがそう言うと周りからクスクスとした笑い声が聞こえた。まぁ、9割俺のせいだろうけどね!
「申し訳ありませんが、このギルドに入るには試験というものが『ドスン!』」
「えっ?」
 シャルルは何も無いところから麻袋を取り出し、受付に乱暴に置いた。
「で、私達は入会できますか?」
 受付嬢はすぐさま麻袋の中身を確認し、少し驚いた表情をした後、ニタニタとした笑みを浮かべた。
「はい、もちろんでございます。それでは代表者が本日入会なさる方々のお名前をお書き下さい。」
 受付嬢が差し出した紙に素早くサインをするシャルル。
 シャルルがサインを書いた紙を受け取った受付嬢がそれをレジのような機械に突っ込むと、数秒後に名前と紋様の入った金属板が出てきた。
「どうぞ、これが薬師ギルドのギルドカードです。なくすと再発行に10ゴルドかかってしまうので注意してくださいね」
 高ぇなおい!
「はい。分かりました。それでは早速下級薬草10束とヒカリゴケ300gを購入したいのですが」
「かしこまりました。料金は下級薬草が1束200ブロン、ヒカリゴケは100g200ブロンですので合計2600ブロンとなります」
 シャルルは黙って受付嬢に銀貨を数枚渡す。
「確かに、それではどうぞ」
 そう言って受付嬢は机の上に雑草と苔を出した。
「ありがとうございます」
 シャルルが手をかざすとそこにあったヒカリゴケや下級薬草は消えた。
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