ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第36話秒針が動き出す

本当の脅威とは、どんなものだろうか?
現実世界を巻き込む事だけだろうか?仮想世界を支配する事だろうか?ーー否。


すべてを通しても、脅威とは呼ばない、本当の脅威は人類を見下す支配する心に飢えた行動精神だ


ましてや私は、そんな過去を犯した、この巨大な帯刀した赤く塗られて分厚い大剣レットパスターで幾度の人を殺したのだろうか?
最前線の最後の最下層、そこに居たのは私自身、ラスボスを数発放った赤いフェクト交えたスキルで倒し待ち構えていた


そこに現れた、真っ黒な剣と初期武器の二本の剣を持ち茶髪で腰ぐらいの長さの黒いコート、胸にある鉄製の鎧板と鼠色の長ズボンとブーツを履いた少年一人


リーチの長さと範囲攻撃、そして高火力を兼ね持つ私の大剣にたっていられる者がいない
だが、彼は違った。範囲攻撃を受け流し、見事な連撃を入れられ
片膝を付いたが、私も容赦しない


当然、彼の初期装備にあたるショートソードを武器破壊、隙を与えず大剣さながらの一撃を刺す


普通なら消える...筈だった
彼は消えなかった、HPゲージは既に0の筈だ
彼は小さく囁く様に、言った


『死んだって勝手に思うなよ...後HPゲージが5本隠れてるだぜ』っと微かな笑を見せつけ、突き刺さる大剣を握りながら右手を後ろに大きく背らしパープル色に光らせ
私に向かって薙ぎ払った


受けた瞬間、HPゲージが一気に減少していきやがてレットゾーンの1だけを残し左側に伸びた腕を彼は引き戻すかのようにもう一撃を浴びた


この地点で決着はついた、だが...それを今度は現実世界を含める事態となった


第100階層、空中城エアード
私一人、この最後のフロアに居る
微調整もあるが、管理官としてすべてのフロアを通じて見通していた
やはり、システム的不具合が目立つなーー。っと思いながらウィンドウを開きコマンドを打ち込みYESと表示された画面をシングルフリックした
すると、フロアドアが開き一人の少女が入り込む


低身長童顔、銀髪で肩ぐらいの短髪、グリーンマントを被り、胸部にアーマー、赤い色のミニスカートに脚に銀プチの鉄当てとブーツを光らせた普通の少女。


彼女はアリスっという子で、何らかの原因で彼を庇い逃がした
とっさの判断力とは思えないぐらい優れている
どうゆう経緯か、未だに私みたいな特殊なアカウントの権限を持つ人に引っ付いてくるのだ


『君は、持ち場に帰りたまえ』
『いえ、私には私の仕事があります...』っと虚ろめいた赤い瞳が伝えてくるかのように言った


すると、脇差にある短剣に手を当て握り抜き取る
小声で『倒す』っと言い捨て、アリスは私に向かって振り抜いた


だが、振り抜く前に私が腕を抑え
『君にはまだ早い』っと言い
私は軽く投げ飛ばした
壁に向かって叩きつけられ、アリスは気絶してしまい床に倒れ込んだ


私は、呆れた眼差しでアリスを見下ろして『これで何度目だね?』っと言いながらフロアを抜け出た


大剣を持つにはそれなりの筋力数値が必要となる
今やジョブ盤があるから楽勝、本来ならもう少し時間がかかるものだ
パーサーカー、侍、忍、聖騎士、ガードアタッカー、剣マスター
など、六つの職種が存在する


攻撃力特化が、パーサーカー、侍
ガード特化が、聖騎士(パラティン)
バランス型、ガードアタッカー
で、忍、剣マスターはどこにも該当しない
故に、ギルドメンバーには外されやすい職種だ
理由的には、あまり強くないっと言うイメージが浸透したからっとしか言えない
実践的にも、問題ないが使われる率もかなり低い数値だ


ともあれ、私は止めねばならない...世界が本当のデスゲームになる前に。
何げもない、螺旋階段を下りながらシステム管理を起動、現実世界の回線状況などを調べ始める
目に映るのは、一つの区が人工衛星滑落により消し飛んだって言う記事ばかりが流れる


それを見た私は、『衛星を遠隔操作させたのか...。』っと口からこぼれ出た
普通ならできない不正を、彼国枝透は易々と開発して作り出してしまう
それだけじゃない、影で殺人ギルドを解放して作り上げた...あのゴーストアバター
存在すらしない、言わば...イレギュラーな敵だ
それの試作段階として、ソロで活躍していたレクトを抜擢した形で...わざとその場を挑ませた
結果的に、彼女がゴーストアバターに乗っ取られ、未だに解放ができないまま...時間を有している


だが、たまに見せる凶暴な顔つきは明らかに殺人していた人達の狂顔に似ていた


LIVE動画を見ながら私は彼レクトを見ながら『彼しか今は希望はない...』っと言った


夕日が反射する街並み、常闇が訪れようとする空は若干暗闇がかる
街の街灯が何割か、点灯し始めた


そんな中で彼は、50階層ボス
《スカイブレーザー》って言う
半馬半人間のモンスターと戦っていた。


長い槍を使い突いたり、なぎ払ったりなどのパターン攻撃を仕掛けてくる
当然、彼は把握済みのパターンを読み切り
間合いを詰め寄り、鈍く光る剣の刃を振り落とす
深く突き刺さるように、切られ敵は反射的に彼の頭上に槍の矛を傾ける
だが、その一瞬を無にした一撃は0.5秒という速さで突き刺して腕の位置をづらす重い一撃を浴びさせた


彼の真横に振り落された槍の矛と黒い竿を眺めながら、ニタリと軽い笑みを浮かべ、右手から左手に投げ飛ばし左手でそれを受け取り
閃光のような速さで、連続攻撃を放った


ボスは、悲鳴をあげるかのように強く光静かに消滅した
彼は、ゆっくりと路地の地べたに座り込み鞘を手繰り寄せて、チンっと音を立て収めた


『流石に厳しいな』っと嘆く様な口調で彼は言った
それもうなずける、何故ならば...彼を始めその地のユーザー達は見知らぬ敵の前に次々と敗れ
その挙げ句、ラストアタックって言うトドメの一撃を狙い報酬だけを狙う始末となっていた
エイトは残り僅かの回復アイテムをウィンドウ越しに眺めなから
『回復アイテム尽きそうだわ』っと力が抜けた感じで言い捨てた


彼は彼で、折れた剣を眺めながら
『治せないか...。』っと軽く囁く
鍛冶屋は基本NPCが作る
この世界には、それらしき人や人物は見当たらない
ましてや、仮想世界に居る人物の一人だ
当然、バレなければ存在に気づか
れないのも普通だ


人々は通り過ぎる、街の音、車の音、交差点のなる音...。まるで自分たちの存在を置いてかれるような感覚、いや忘れられてる方に近い。


そして、街明かりは完全となり日が暮れ常闇を街をおそう
そのタイミングに合わせるかのように、カチッと言う時計の秒針が揃った時みたいな音が耳元で鳴るーー。


その時、街並みが一平するーー


見る見るうちに、街の面影をなくし、仮想世界見たいな風景一気に視界に飛び込んでくる
当然、二人は何が起きたがわからずに、口元をポカンっと開いたまま、視野に流れてくる横文字。


午後6時になりました、これよりAR(拡張世界)からVR(仮想世界)に切り替わりますーー。っと機械的な音声が耳元と目元の字で流れた


驚愕するあまりに二人は『んな?!』っと口からこぼして揃えて言った
街は街らしくなくなり、仮想世界にある雰囲気がそのものを感じさせる
因みにARの人も仮想世界に入った感覚になるらしい


とりあえず探して見つけたNPCの店舗に立ち寄る二人、アイテムを補充してドアのカラカランっと音を立てながら外へ出る


軽く背伸びをする彼に
『レクト、あまり無茶しないでよ?』っと顔元に液体が入った瓶を差し出す
それを手に取り、口の中に瓶を加えてごくごくっと喉を鳴らし飲み干して瓶を手で掴み
『サンキューな』っと言いながら空瓶をエイトに向かって投げ飛ばした
パシッ音を出して空瓶を受け取る
だが、その時、彼女はある致命的なミスに気づいた


それは、自身が飲んでいた奴と彼にあげるために開けた回復薬...
右手てにもつ回復薬は、自身の飲んでいた瓶、一方左手に持つ瓶は彼に渡すやつだった奴。


さっき自信が渡したのは、利き手でもある右手の回復薬の瓶だ
つまり、これは俗に言う間接キスが成り立ったフラグだ


勿論彼女は、内心的には...


か、かかか...間接っ!
間接、き、ききっ...キス?!
ば、馬鹿じゃないの!?な、なんで、こんな事ぐらいで、顔が暑くならなきゃ行けないねよ!?ーーっと言う間にも、彼はエイトの顔を覗き込見ながら
『なんだ?顔赤いぞ...?』っと心配した眼差しで言ってきた
勿論、顔を2回ぐらい左右に振り
無駄な思想回路をシャウトした
真顔で見つめる彼の眼差しを直視しない様に顔を背きつつ
『だ、大丈夫よ!気にしなくてい』っと自身の心を隠すかのように言った
『...?そうか?』っと変な顔を浮かべながらゆっくりと立ち上がった
そもそもは、君が悪いんだぞレクトーー。っと内心思いながら、ゆっくりとあたりを見渡す
描写がくっきりと見えるぐらい描かれた街並みは、どの言葉を選んでも見つからないぐらい綺麗なものだった






          

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