見ていてね、生きていてね
早姫姉
早姫姉…。
早姫姉の人生はただただ悲しかった。僕の中で早姫姉は小さい僕と一緒に遊んでくれる優しい姉さんだった。
僕の生まれる少し前、四、五年くらい前前になるかな? 早姫姉の両親が離婚した。おじさんの浮気が原因のよくあるやつだ。
おばさんは早姫姉を離さなかった。小さかった早姫姉は何のことかわからずに、ただ泣いていた。
早姫姉は父親に似ていた。本当にそっくりだった。僕も写真を見た時に驚いた。早姫姉が大きくなったって思えたんだ。
早姫姉はその後、腹違いの妹と弟が生まれたことを聞かされた。そしてその直後弟が死んだと聞かされた。
僕が生まれた頃からは連絡もほとんど無くなり、そんな話も聞かなくなったそうだ。まあ僕は知らない。関係もないただのご近所さん。
「…。気のせいか」
早姫姉、笑い声は外の鳥の声か何かを間違えたんだろうな。早姫姉は笑うわけがない。もう笑えない。
「じゃあ、そろそろ帰るね。早姫姉」
そう言って僕は家に向かった。これ以上遅くなると電車が混むからだ。
家に帰ると、電気がついていた。母が帰っていたんだ。僕は無言で家に入るとそのまま部屋に向かった。母は一瞬こっちを見たが、何も言わずに無視をした。
「明日も学校には行くか…」
学校に行っていれば文句は言われない。欠席にならなければ誰も何も言わない。それに、早姫姉が褒めてくれる気がする。僕にはそれだけで十分だ。
その夜は早く寝た。知らない錦戸とかいう男に話しかけられるし。
なんだっけ…? 錦戸恵太だった気がする。まあどうでもいい。僕は眠いんだ。
おやすみ、早姫姉
佐々木です!今回短いけど勘弁してください!早姫姉エピソードこれしかなかったw
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