絶対神の異世界チートハーレム無双!?

guju

お友達

馬を召喚する許可は無事取れたようだ。
ルーシェ曰く、使い魔を複数体使役している事に驚かれたものの、タブーである詮索は行われなかった。

「リル、頼む」
「分かった」

直ぐに追いつけると分かっているのか、その場に止まった俺達の事を商会の馬車は待つ素振りも見せない。
その行為自体は、至極当然だが。

「屈強なる双生のルリとルラ、友なる私の声に答えて、ここに姿を見せて! 」

金色の魔法陣は、周囲を激しく照らす。
そして、その中央には2頭の影が映し出される。

「リルよ、久しいな」
「お久しぶりです、リル」

2頭の馬は、リルの胸に顔を疼くめる。
それをリルは、優しく包み込むように撫でる。

「リルさ、それもしかして……」
「そう、エンジェルホーン」
「なんでそんなもんと友達になれるんですかい? 」
「昔、2人の親……助けた」

どうすればエンジェルホーンを助けることになるのだと、そう聞きたいルーシェ出会ったが、深くは言及しなかった。

「リル、それがお前の友か? 」
「うん。ルリとルラ」

赤い目を持つエンジェルホーンをルリと、青い目を持つエンジェルホーンをルラと。
リルは、指をさして示してみせた。

「お前は、リルのなんだ? 」
「見たところ、あまり褒められたものでは内容に伺えますが」

どうやら、この馬の2頭の性格は全く違うようだ。
赤い目をルリは、発言に棘を感じる。荒々しいとでも言おうか。
対するルラは、お淑やかで落ち着いている。

「我はゼロ。リルの主だ」
「それは、奴隷との主従関係と見ても? 」
「そうだ、リルは俺が買った奴隷だ」

ルラは、どこか納得したように目を細める。

「貴様、リルに変なことしてねぇだろうな! 」

ルリが、噛み付くように言う。

「していたとして、お前に関係があるか? 」
「ある、リルは俺の友達だ! 」
「そうか、ならば答えよう。何もしていない」

その返答を聞くなり、ルリはリルに視線を向ける。

「ほんと……。ご主人様は、優しいよ」
「ほんとなんだな」

ルリは、こちらに向け直すと頭を垂れた。

「うちのリルを救ってくれて感謝する。それと、さっきまでの非礼を詫びる」
「そうか、気にするな。リルの友とあれば、心配するのは当然のことだ」
「そう言ってくれて、助かる」

その姿を、ルーシェは傍から見ていた。
自分は、全くの蚊帳の外だ。

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